2019/1/26 Sat

商店街レトロビルの元洋食屋さんではじめる小商いのある暮らし

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移住相談員
藤田智彦

みなさんこんにちは、氷見市IJU応援センターの藤田です。
今回お届けするのは『チャレンジャー求ム!』第2回。前回と同じく氷見にある新しい「働き方」の種となる情報を発信していきます。
ご自身の「こんな風に暮らしたい・働きたい」という想いとあわせてご覧いただき、ピンとくるものがありましたら是非ご連絡ください!
それでは本題に参りましょう!

氷見市中心地にはなが~いアーケードの商店街があります。
歩いているとその屋根に阻まれて後ろにある建物にはなかなか目線がいかないものですが、少し気にして歩いてみるとその後ろにある建物の多様さに気づくことができます。
昔ながらの氷見らしい町家もあれば、建て替えをした比較的新しい建物もあり……
そうした建築群を楽しんでいると中央町のあたりで少し変わったビル群があるのが目に入ってくるはずです。

道に沿ってファサード(建築の正面壁)が連なって、まるで壁のようになったビル。それが道の両側に続いています。
これは共同防災ビルと呼ばれるもので、複数の世帯が共同でビルを建てることで建物自体を防火壁のように機能させるもの。
建物の密集する市街地で火災の延焼を抑える目的で、1950年頃からこうしたビル群が日本全国各地につくられました。
氷見中央町にあるこのビルは1970年前後につくられたもので、当時は先進的な商業空間として市内外から多くの方が訪れたといいます。

そんな商店街のなかに、今はシャッターとなった1軒のお店があります。
こちらが今回紹介する物件・旧『トロイカ』店舗兼住居です。
隣とくっついていてわかりにくいのですが、四角で囲った間口分奥に建物が続いています。
トロイカさんは昭和40年頃に開業した老舗の洋食屋さんです。現在のビルが建つ少し前からこの場所で商いをしており、ビルが建築されてから2004年まで、この場所で多くのお客さんを迎えていました。
現在は氷見市窪にお店を移転。氷見牛のステーキをはじめとしたメニューは絶品で、私自身何度も足を運んでいる素敵なお店です。


現店舗の様子

お店が移転してからは、旧店舗は住居として現在まで使われていますが、今回こちらの建物をどなたかに賃貸・売買できないかというお話をいただきました。
オーナーの谷内さんは現店舗の近くに住居を持っていることもあり、どこかのタイミングでそちらに移ろうと考えていたそうです。
なかなかそちらに移れなかったのにはとある事情があるのですが、そちらの事情雄は後ほど詳しくご説明します。
先にお値段だけお伝えしておくと、賃貸で月2万円程度、売買の場合引き渡し前にリフォームを加えた上で300万円程度とのことです。
まちの中心部にある4階建てのビルとしてはとてもお手頃な価格ですが、いわゆる「ワケあり」価格ですので続く記事でご確認ください。

さて、物件をみていきましょう。

一階は全面シャッターとなっています。
シャッターを開けると左手に階段。右手側は広い空間があり、こちらは現在車庫として使われています。普通車2台が入るゆとりがありますが、お客様用には不足でしょうから、ご自身の車庫とするか、それとも店舗空間として使うかといったところでしょうか。

階段にはトロイカさんの看板が。
この階段を上がったところが旧店舗です。

お店に入ると長いカウンターがお出迎え。
中には喫茶としては十分なスペースとシンクがあります。

客席部分は広すぎず狭すぎずといった様子で、カフェとしてならおひとりでも対応できるくらいの空間なのではないかなと思います。

2階店舗スペースにはトイレがありますが、ここでこの物件の注意ポイントひとつめです。
和式の個室トイレと男性用があるこちらのトイレは現在使用できません。
というよりも、2階以上のフロアには現在水が通っていません。
古い建物の常として建築当時の配水管は錆びてしまい、その後のリフォームの際に止めてしまったのだそう。
つまり先程みたカウンターのシンクも水が出ません。
お店として使うにしても住居空間にするにしても配管をやり直す必要があります。
このビルに限らず配管をやり直すというのは空き家活用ではよくあるなのですが、既存配管を置き換えるのは費用が高額になるためあまり現実的でなく、多くの場合は露出配管(壁や天井に沿って水道管を通していく)でのリフォームが選ばれます。
このリフォームでどのくらいの費用がかかるのかは事前に調べてもらうとよいでしょう。

店舗スペースの奥には現在は物置として使われている広間が。
営業時代はこちらも客席として使われていたそうですが、こちらに注意ポイントのふたつめが。

ドアを開いてすぐ、頭上を見上げると天井板が剥がれているのがわかります。
軽微ではありますが、大雨の際に雨漏りが認められるとのこと。
2階かつ建物の中心でありながら雨漏りがあるというのは不思議に感じられるかもしれませんが、これも共同ビルならではの問題です。
壁を染みて伝わってきている状態なのだと思われますが、こちらの原因箇所を発見・修繕することは難しいため、賃貸・売買された場合もこちらを有効に活用することは難しいでしょう。
よほどの大雨でないと影響がない状態ですので、バックヤードとして考えておくくらいがよいでしょう。

店舗部分から階段を上がると3階は居住スペースになります。
和室が2間と洋室が1間。

廊下にはトイレと流しがありますが、こちらも上記の通り、現在は使用できません。

さらに階段があって、4階へ。
と、こちらの階段に最後の注意ポイント。

階段の壁をみると水が伝った形跡があります。
こちらも雨漏りが発生しているポイントですが、ここは2階よりも被害が大きいようです。
2階同様小雨程度では影響が出ませんが、大雨が降った際には階段にバケツをおいて対応しているとのこと。
どのくらいの量なのかお話を伺うと、ザーザー降りの大雨の際には朝晩で一日2回バケツを交換する必要があるくらいということでした。
これらが「ワケあり」としていた理由です。
お値段は安いものの、リフォームの必要がある部分、そして大雨の際の雨漏りのケア、この2点についてはご了承の上ご検討ください。

建物は4階まであり、階段を上がって左が旧浴室、右が8畳間の和室です。
和室は奥様が今も利用していることもあって今回は写真でご紹介できません。
浴室は現在は一階に設置されたものを利用しているため使われていない状態です。
配管の問題もありますし、こちらの浴室をまた利用できる状態にするというのは現実的ではないと思われます。

2階以上は水が通っていないとお話しましたが、現在もオーナーさんはここに住まいしておいでですので、1階には生活できる設備が整っています。
最初に見た駐車スペースから奥に進むと広い土間スペースが。

こちらは店舗時代にはキッチンとして使われていた場所で、現在は倉庫スペース兼キッチンとなっています。
右手に見えるのはエコキュート。キッチンも含めてオール電化になっています。
リフォームは7,8年前とあって、キレイで便利そう。

新設されたお風呂はこんな様子です。

奥にはご主人の居室があり、こちらも写真ではご紹介できませんが、6畳のフローリングのお部屋ということです。

お部屋を右奥に進んだところには水洗の洋式トイレがありますので、おひとりでしたら1階のスペースだけで十分に生活できるでしょう。

建物の紹介は以上です。いかがでしたでしょうか?
すぐに使える物件という訳ではありませんが、たとえば賃貸して1階で生活コストを抑えて暮らしつつ、2階を自分らしいお店として小さく開いていく……なんていう姿を想像することができます。
あるいは一階の広い土間スペースをセルフリノベーションして店舗として生活は奥で、ということもできるでしょう。
いずれにしても大雨の際の対応を気にかける必要はありますが、工夫次第で魅力的な空間を生み出すことができそうです。

新しいアクションをはじめるには不安もつきものですが、移住・起業にあたっては氷見市の補助金も活用いただけます。
条件はありますが、少しでも移住・起業のハードルを低くできるものですので、以下リンクからご確認くださいませ!

 【移住の補助金】

 【起業の補助金】

条件は確定ではありませんので、気になった方がいらしたらまずはお問い合わせください。
オーナーの谷内さんとお繋ぎした上で相談しながらお互いに納得する形を探していきましょう。
「ワケあり」な物件ではありますが、それは長く歴史を刻んできた証拠ともいえます。
町の歴史ごと引き継いで、自分らしくリノベーションしたいという方のお問い合わせをお待ちしています!