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2018.05.04

「地方創生ってなんだろう」をみんなで考える。

大坪史弥
大坪史弥
移住相談員

こんにちは。マネージャーの大坪です。
突然ですが、皆さん「地方創生」ってなんでしょう。
インターネットで検索すると、概ね「東京への人口集中を是正し、地方への人の流れを作り、日本全体を活性化させること」と説明されている事が多いようです。しかし、私達は具体的に何をすればいいのか、というとクエスチョンマークが浮かぶ方も多いのではないでしょうか。そんな地方創生について、地域のみんなで考え、話し合う会「考えるときyotte vol.1 『ほんとうの地方創生って何だろう』」が、4月22日、まちのタマル場で開催されました。今回はその様子をご紹介します。
 


 

 
会を主催するのは、氷見に移住された竹添さんご夫婦。1年ほど前に氷見に移住され、奥さんのあゆみさんは「考えるパン koppe」というパン屋さんを営んでいらっしゃいます。パン屋さんをやる前は教師されていたそうで、なかなか変わった経歴の方です。そして旦那さんの英文さんは現役の社会科の先生。学校で使う教科書の執筆などもされているというすごい方です。
 
あゆみさんは以前開催した「小さな仕事づくり塾」の受講生。塾の中で、「みんなが話し合える場」と「パン」を結びつけた企画を考えていました。そして英文さんも、社会科の先生として、学校以外でも社会を考える場を作れないかと思い、今回の会の開催に至りました。「みんなが気軽に寄っていける場所」という意味を込めて「yotte」と名付けたそうです。あゆみさんのお手製の稲積の青梅あんぱん、ふれさかブルーベリーのマフィン、ブリ型クッキーなど氷見の魅力が詰まったお菓子とドリンクを頂きながら、地方創生について話し合います。
 

 
全員で輪になり、まずは自己紹介。今回は市内外から9名の方が参加されました。皆さん年代も性別も職業もバラバラ。また、今回は4月から氷見市副市長に就任された小野副市長もいらっしゃいました。
 

 
最初は竹添さんから日本の人口の推移についてレクチャー。こういうプリントってよく学校で配られましたよね。さすが先生。
 

 
さて、竹添さんのレクチャーによると、日本の人口は常に増加の一途を辿って来たわけではないようです。
日本の歴史の中で人口が減少した時代は、縄文時代の後期、鎌倉時代、江戸時代後期の3度ありました。気候変動や疫病の蔓延などがその要因とされています。そして、これから迎える4度目の人口減少。少子高齢化により、今までの比にならないスピードで人口が減少し、社会の維持が困難になると予想されています。
 
また、今回の人口減少にはもう1つ、今までと違う点があるといいます。それは「人権」の存在です。
今までの人口減少期には人権という概念がまだあまり浸透していませんでした。例えば、現代と同様に少子高齢化していた江戸時代後期には「姥捨て山」など個人の人権が無視された風習が横行していました。少ない生産人口では多くの高齢者を支えきれなくなるため、高齢者の”口減らし”をおこなっていたわけですね。しかし、現代は人権の尊重という概念が浸透しており、このような行いは当然許されません。これからは、ひとりひとりの人権を大切にしながら、人口減少に立ち向かう時代になったわけです。
 

 
「人権を尊重する」というと一見、当たり前のように思えます。ですが、気づかないうちに脅かされるケースもあります。例えば、「少子化に伴い、小学校が廃校になった」なんてニュースは珍しくなくなってきました。こうした状況について「過疎化が進む地域ではそれも仕方がない」といった雰囲気が漂います。ですが、これを容認してしまうと、「人口が減る地域ではインフラが維持できなくなっても仕方がない」、という考えにつながりかねません。そうなると、地域の切り捨てが起こり、そこに住む人達の生活、人権が脅かされるわけです。もちろんこれは極端な例ですが、そんな状況では地方に暮らす人たちの生活、個人の人権が尊重されているとはいい難いですよね。
 
とはいえ、今から急に日本の人口を増やす、というのも難しい。ならば、「人権の尊重を大前提として、人口が減ったとしても、みんなが幸せに暮らせる方法を考えていく必要があるのではないか」と提起してレクチャーは終わりました。
 

 

 

 
レクチャーが終わった後は、みんなで自由に意見交換。
地方創生と言うと人口減少ばかりが目立ちますが、皆さんの意見を聞いていると、様々なテーマに関心が向けられているようでした。
移住者との接し方、地産地消による持続可能な社会の実現、女性の活躍機会、地域経済の振興、オープンな話し合いの出来る場の必要性、などなど多様なテーマに渡り、活発に意見交換が行われていました。
 
みらいエンジンスタッフとしては「移住者との接し方」、というのは気になるテーマでした。皆さんのお話をお聞きしていると、「外から氷見に移住してきてくれる人がいることは非常に嬉しい」と氷見に移住される方を歓迎する気持ちはみなさん強いようです。ただ、その反面「今まで外から人が入ってくるという経験があまりないため、どんな風に接していけばいいのかわからない」とのことでした。逆に移住者からすると「地元の人との接点をどこでどう持てばいいのか分からない」という声もあります。地域の方も移住される方もお互いに交流したいという思いはありつつ、どのように接していけばいいのか迷う現状があるようです。両者がもっと気軽に関われるような場が必要であり、タマル場でももっとそのような機会を増やしていかなければ、と感じました。他のテーマについての議論もぜひご紹介したいのですが、全て書き起こすとものすごい文量になるので、テーマだけのご紹介に留めさせていただきます。
 

 
会が終了した後もそれぞれで熱量のある話し合いが続いていました。こうした余韻の時間の方がより本音で話せるということもありますよね。同じ地域に住んでいるとはいえ、それぞれが問題だと思うこと、大事だと考えていることは大きく違います。まずは立場や意見の違いを認めることが話し合いの第一歩。こうした場が継続的に行われることが大事だなと思います。
 
そして「考えるとき yotte」、さっそく第2回の開催も決定しています。次回のテーマは「地域おこし協力隊」。知っているようで知らない地域おこし協力隊について話し合います。
詳細、申込みはコチラよりどうぞ。

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