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2020.05.15

「大窪大工」と「石動山」

藤田義史
藤田義史
移住相談員

こんにちは、地域おこし協力隊の藤田義史です。

皆さん、突然ですが氷見市大窪地区はご存知ですか?
大窪は長坂と角間に挟まれた山間部の県境にある地区で田園が広がるエリアです。
…がそれだけでなく、実は昔「大窪大工」という素晴らしい技術者の集団が住んでいた地区なんです。
今回はその大窪大工を石動山と関連づけてご紹介したいと思います。

関連動画をYouTubeにアップしましたので是非ご覧ください!
【動画】氷見市「大窪」はご存知ですか?

本題に入る前に…

《大窪おすすめスポット!》
隣の長坂に棚田があるのは有名ですが、実は大窪にもおすすめスポットがあります。
富山県観光公式サイトの「とやま観光ナビ」にも載っている「長寿が滝」です。
こちらは氷見駅から車で20分程の場所にあります。

この写真だと分かりづらいですが、滝見台から見ると三段の滝になっているのが分かります。
こちらの滝は古くから修行や信仰の対象とされていました。滝の名の由来は、昔仙人が長年の持病をここで治し、長寿を保ったことから「長寿が滝」と呼ばれるようになったと伝えられています。

みなさんも長寿が滝でマイナスイオンを感じて長寿になりましょう!!

さて、前置きが長くなってしまいましたが本題に入っていきます。

《大窪大工とは》
1584(天正年間)年ごろ、前田利家が生国の尾張や、安土城建設にかかわった大工、石工技術者集団などを引き連れて金沢に入りました。
その中に大窪に屋敷地を拝領した「大窪大工」という集団がいたのです。
大窪大工は世界遺産に登録されている白川郷・五箇山の合掌造り集落の建築にも深く関わるなど、卓越した技術を持った匠の集団でした。
さらに大窪大工は五箇山の村人に「獅子舞」を教えており、能登地方と飛騨地方の文化や伝統技術の架け橋になったとも言われています。

こちらの立派な建物は「光西寺」と言い、長坂にある大窪大工が手がけた建物です。
私は初めて訪れたのですがその迫力に衝撃を受けました。

このように、大窪をはじめとしたこの地域一帯には、丈夫で質の高い伝統建築が多く残されています。

そして、石動山もこの大窪大工が関わったものの一つです。

《石動山》
氷見駅から車で30分程にある石川県鹿島郡中能登町・七尾市・富山県氷見市にまたがる標高564mの山。
開山は紀元前92年とも717年とも言われており、最盛期の中世には北陸七カ国に勧進地をもち、院坊360余り、衆徒約3,000人の規模を誇ったと伝えられています。
1335年、1582年の2度全山焼き討ちに会いますが、近世には前田家が大窪大工をはじめとする技術者集団と共に石動山を復興させます。
しかし、明治時代初頭の神仏分離政策のもとほぼ全ての院坊が破却され、以後復興されることなく廃寺となってしまいました。

ということで実際に石動山に登山をしてきました!

木漏れ日やホトトギスの鳴き声が気持ちよく、どんどん足が進んでいきます。

少し歩くと伊須流岐比古神社(いするぎひこじんじゃ)が見えてきました。

こちらは承応2年(1653年)に加賀藩主前田利常により建てられたということで大窪大工が関わっている可能性もありますね。
この建物の周りには坊の跡(僧の住むところ)や、五重の塔の跡まであり、かつての規模の大きさがうかがえます。

進むにつれ道幅は狭く斜面も急になってきます。

そしてついに石動山城跡に到着!!駐車場から写真を撮りながら歩いて30分程でした。

石動山城も戦国時代の焼き討ちによって現在は跡形もないのが残念ですが、こののどかな場所が過去に悲惨な焼き討ちにあったとは想像できませんね。

まだまだ元気だったので、この後山頂にも行ってきました。

2枚目の写真についてですが、願いを込めてここに石を積むとその願いが叶うと言われているようです。
残念ながら私は登った時にこの情報を知らなかったのでお願いはしていないのですが、みなさんは登る機会があったら是非石を積んでみてください。

石動山登山はここまで。
今回は行けませんでしたが、石動山には資料館もあるので今の状況が落ち着いたらまた足を運びたいと思います。

終盤は石動山の紹介になってしまいましたが、このように地区の歴史を調べると他の地区とのつながりが見えてきます。
私自身、大窪大工が技術だけでなく獅子舞などの文化を広めていたというのがとても驚きでした。

この記事を読んで氷見の歴史についても興味を持っていただけたら嬉しいです。

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