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2021.06.29

人と人が繋がってイベントを作り上げる!-ハナマチ・ロマンティスク前編-

岸本乃梨子
岸本乃梨子
移住相談員

みらいエンジンスタッフの岸本です。

長引くコロナ禍で地域のお祭りやイベントは開催の判断に踏み切れない状態が続いていますが、そんな中、「氷見のまちを元気にしたい!」と立ち上がったイベントがあります。
それがこちら。「ハナマチ・ロマンティスク」。

氷見の遊郭にタイムスリップ、和体験……
普段聞きなれないワードにワクワクしますね。

氷見に遊郭があった時代に妓楼(遊女屋)だった屋敷をリニューアルしたのが、今回メイン会場となる「無尽蔵」(むじんぞう)。
さらに周辺のお店と協力し合い、氷見の町なかを様々な和体験をしながら歩き回って貰おうというイベントです。

今回、このイベント「ハナマチ・ロマンティスク」を取材させていただくにあたり、準備段階から当日の様子までを前編・後編に分けてお伝えしていきます!
地元の方たちの熱や、氷見を楽しく盛り上げたいという気持ちを知って貰えたらと思います!

こちらがメイン会場となるイベントスペース「無尽蔵」。

一歩中に入ると、外観からの期待を裏切らない和の空間が広がっています。

どこで撮っても全方位映えそうな空間です。

準備会の打ち合わせがあると聞いて駆け付けたこの日。
他のスタッフの方々より一足先に到着して、今回のイベントの主催者、菊地さんにインタビューさせていただきました。

―今回のイベントの開催に至った経緯を教えてください

「氷見市では毎年5月5日に中央町の潮風ギャラリーを中心とした藤子不二雄Aまんが祭りが行われていて、僕は毎回スタッフをしていたんです。でも感染症拡大の影響でイベントができなくなったばかりでなく、今まで一緒にやっていたスタッフ仲間達とも疎遠になっていったんです。なにかイベントないかなって思いながら何の動きも無いまま一年が経過して……自分でやらないと!と決心して立ち上がりました。この無尽蔵のオーナーとは昔からお世話になっている仲で、ここで何か面白いベントが出来ないかと相談して、使わせてもらうことになりました。早速、一緒にイベントを作ってくれる仲間と無尽蔵に集まりました。何も決まっていない白紙の状態からワークショップみたいに、ここでどんなイベントをしたらいいか意見を出し合って、グループごとに発表して。それを纏めて僕がいったん持ち帰り、候補の中から考えました。せっかくの元遊郭という建物なので、和の体験というところを軸に、日本舞踊、三味線、琴の体験などの企画書を作ってみんなに見てもらって。他にも生け花、お茶、琴……やりたいことがたくさん出てきて、この無尽蔵だけでは収まりきらなくなったので、近くの茶道館を使わせてもらう事にしたり、利き酒体験の企画では、自分たちで日本酒を仕入れたり揃えたりするよりも、すぐ近くにある日本酒バーの池森さんに協力し合う方がいいんじゃないかという案が出て、おかみさんに声をかけさせてもらいました」

―近隣にそれだけのお店や場所が揃っていたのも凄いです

「やりたい事とそれを叶えられる場所が揃っていた上に、声をかけたらみなさん喜んで協力してくれたんです。これでもまだボツになったアイディアがたくさんあるんです」

まさに、みんなで作り上げていくお祭りですね。
菊地さんのこれまでのご縁や人脈があったからこそ、二つ返事で色んな方の協力を得られたのだと思います。
菊地さんにお話を伺っている内に、準備会の方々が揃って打ち合わせ開始となりました。

この日は6月下旬でイベント開催当日まであと1週間のタイミング。
進捗報告と、前日や当日の細かい動きなどを話し合い調整していきます。
体温計や通行禁止の立て札の手配から屋台で出すものの値段まで、「いくつ用意する?」「どこかから借りられるか?」の話が出るとすぐに「○○さんのところにあるから借りられるよ」「以前使った時はこうだった」「味の良い仕入れ先を知っている」と、経験を元にした声がどんどん飛び交います。

準備会の方々はみなさんこれまで氷見の商店街、祭り、イベントを支えてきた方たち。
長くこの地域でお祭りなどに関わってきた人達だからこその経験と頼りがいがあり、こういう時はこうした方がいい、こうした方がお客さんとのやりとりがスムーズになる、などの声もどんどん出てきます。

縁日やお祭りが目の前で出来上がっていくのを見ている感覚で、菊地さんが「案がたくさん出てここだけでは収まりきらなくなった」「ボツにした案もたくさんある」と言った意味が分かりました。
みなさんそれだけ、地域を盛り上げたい、楽しい祭りを作りたいという想いがあるのですね。

打ち合わせが終わった後、無尽蔵のオーナーの山田社長に館内を案内していただきました。

山田さんは氷見市で観光バス、タクシー業を営む平和交通の社長です。
昭和36年に元遊郭だったこの屋敷を平和交通が買収して、平成12年(2000年)に本社を柳田に移すまで使用し、令和2年1月から一年間かけてリニューアルしたそうです。

今回のイベント開催にあたり、社長はどのように感じたのか尋ねてみると、「作った甲斐があったよ」と即答。
「書道家の父が「無尽蔵」と書いた衝立がこの場所から出てきて、その言葉のようにここが縁の尽きない場所になり、色んなご縁や人と人が無限に繋がっていく場所になればいいと思って名付けました。コロナ禍でうちのような業種は打撃を受けているけど、この場所を作ってから、今まで出会った事のなかった人達と出会えたんです」。
笑顔で語る社長も、「いずれここに人力車も入れたい」、「人力車があるなら、籠があってもおもしろいかも」と、案が出てきます。
もしかしたらここは、遊び心が刺激されてどんどんアイディアが浮かんでくる場所なのでしょうか。

それもそのはず。この場所自体、社長が「大工さんと一緒にこうしたら面白いかもって楽しみながら遊び心で作っていって、大工さんも『こんなのあったからここに置いてみたら』って面白い飾りを持ってきてくれたりして」とニッコニコ。

「こっち行くとこの部屋に繋がります」とか「ここからあっち側覗けるようになってるんですよ」と、まるで秘密基地を案内して貰っているようで、楽しんで作ったというのも頷けますし、実際、めちゃくちゃ楽しかったです……!!!

館内に飾られているものも殆どこの建物内にあったそうで、いろんなものが出てくる玉手箱ですね、と話していると「あ、でもこの電飾はニトリ」とお茶目な社長。
思わず、「お値段以上ですね…!」と唸ってしまいました

途中、2階で出会ったこの書。
こちらも山田社長のお父様の書で、小林一茶の有名な句「痩せ蛙負けるな一茶これにあり」を書いたものだそうです。

「しんどいときこそ気張っていけという、今の自分の会社の状況にぴったりだった」と語る社長。

ミーティングの様子を見ていたら、まさに社長の想いの通りに人と人のご縁が無限に繋がっていて、まだまだ先が不安な状況が続くなかでも、イベント当日はこの場所や氷見の町中が笑顔で溢れるだろうなと確信しました。
後編ではイベント当日の様子をお伝えします。

タイミングの合う方は、ぜひ、当日のご参加お待ちしております!

 

ハナマチ・ロマンティスク
~氷見・遊郭・和体験〜
2021.7.4[Sun] 10:00-15:00
無尽蔵 (むじんぞう)
富山県氷見市丸の内1-13
当日入館料500円
和装の方は入館無料
花魁モデル撮影会
和装でまち歩き
浴衣レンタル&着付け
パーソナルカラー診断
日本舞踊&三味線体験 他
詳しくはこちら→公式ホームページ

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氷見市IJU応援センター・みらいエンジン
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