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2018.04.23

氷見に春を告げる祭り「まるまげ祭り」の裏側レポート!!

藤田智彦
藤田智彦
移住相談員
 こんにちは、スタッフの藤田です。
 春ですね。
 暖かい日差し、桜、山菜……自然に恵まれた土地で感じる芽吹きの季節というのはなんとも感慨深いものがあります。
 こうした喜びは今も昔も変わらず、だからこそ「祭り」が連綿と受け継がれているのでしょう。
 氷見のまちではこの時期毎週のように各地域を巡る獅子舞の姿を見ることができます。
 
 今回はそんな「祭り」のお話。
 数ある氷見のお祭りのなかでも少し変わったもの――まるまげ祭りをご紹介します。
 

 

 まるまげ祭りは正式には観音大祭といって、中心市街地の「北六町」千手寺のお祭りです。
 はじまりは、かつて氷見の町に住んだ芸妓たちが幸福な結婚を願って、年の一度の休日に人妻の象徴であるまるまげを結って千手寺の観音さまに願掛けをしたことと伝えられています。時代とともに芸妓の数が少なくなって一時は衰退していましたが昭和62年から一般の独身女性を対象として募集をはじめ、人気が高まり現在まで市内外問わず多くの方が参加されています。
 観音様を載せた御神輿、先導役の太鼓台、法螺によって魔障を払う法中方、氏子総代、花笠童子にお稚児さん、そして艶やかなまるまげ嬢――行列をなして市中を巡航する様子は他ではみられないものです。
 私自身氷見に移住してはじめてこのお祭りをみたときにはその華々しさに感動を覚えたものです……
 


 そんなお祭りに、今年はなんと祭りの担い手として参加することになりました。
 というのも、まさに今私が住んでいる町が、先程少し触れた「北六町」なのです。
 この丸まげ祭りや7月の祗園大祭では、六町が年毎に年行司を務めることになっており、今年は我が町内「新町」が六年に一度の大役を担う年という訳です。
 移住して浅い私ですが昨年から祗園大祭に参加するなど、ありがたいことに町の一員として扱っていただいており、年行司ということもあって今回のお祭りにもお呼びがかかったのでした。
 
 ということで、今回はお祭りの裏側をの担い手の視点からリポートです。
 


 我らが新町青年団の仕事は大行列の前日から。
 一般的に注目されるのは17日の丸まげ行列ですが、祭り自体は二日間に渡って行われ、この日は観音様をお迎えに行くところからはじまります。
 夕方に集合すると太鼓台の準備。早い時間から先に準備を進めていたこともあり、松や太鼓もセッティング済み。新町は青年団が少ないこともあって他地区に住まう地域おこし協力隊とOBも助っ人に来ており合流。法被を纏って出発の時を待ちます。
 


 

 しばらくしてあたりが薄暗くなったころ、いよいよ出発!
 
 


 

 太鼓の音を響かせながら、青年団は千手寺へと太鼓台を牽いていきます。動き出せばさほどの力はいらない太鼓台ですが、方向転換では一仕事です。車輪は曲がる構造になっていないため、角に差し掛かると全員で息をあわせて強引に向きを変えます。
 トントコトントントコトントンと太鼓の音、ガラガラゴロゴロと車輪の音、そして時折ガガガガガッと曲がる音。
 これが町に春を告げるひとつの音楽となっています。
 


 


 

 千手寺に続く階段の下に到着です。
 事前に降ろしてあった御神輿と合流すると、後は観音様を待つばかり。
 


 

 観音様は、北六町総代と法中方の観音堂でのご法楽を終えた後、年行事新町総代の手によって大切に運ばれてきます。白手袋にマスクを着けた総代は観音様を抱え石段を降りてくると御神輿に安置します。
 


 

 丁重に固定された後、一行は太鼓台の先導によって新町氏子総代の家に向かいます。この総代の家は「お旅所」と呼ばれ、観音様はここで一晩を過ごすことになります。
 


 

 お旅所までの先導役を終えるとこの日の青年団の仕事は終了。
 総代と法中方はお旅所で法案・ご法楽・法話がありますが、青年団は新町にある食堂「よしだや」さんで会食。歓談しながら明日への英気を養います。
 


 

 そしていよいよ翌日。
 青年団はお昼にお旅所に集合。太鼓台を再度セッティングして出発のときを待ちます。
 


 

 お旅所には続々とお稚児さんとご家族が訪れます。お稚児さんはここで額に黒点を描いてもらい冠を受け取ります。泣き出しそうなお子さんもいて実に愛らしい姿に、今や遅しと集まってきているカメラマンさんたちも釘付けです。
 


 


 

 そこに法中方、まるまげ嬢もずらり勢揃いして、ついに出発のときです。
 太鼓台の合図をもとに、巡行スタート!
 
 太鼓台は北六町の町内をぐるりと巡ります。行く先々には人、人、人……
 自宅の前で眺める人もいれば、行列に付き添って歩いて来れれる方、シャッターチャンスを押さえようと先回りしている方など、たくさんの方が見物にいらしていました。
 私は先頭で太鼓台の綱を牽いていたのですが、大勢の注目を浴びて自然と身体に力が入ります。
 


 

 中間地点では写真撮影、メディア取材を含めた休憩時間があります。
 ここでは法中方による厄除けの「散花」が行われ、ちゃっかり私もゲット。
 


 

 いくつか種類があるようでコレクション魂に火が付きそうになりますが、ひとついただいて遠慮しておきました。
 
 休憩が終わると、再度太鼓台につながって先手寺に向かいます。
 
 先手寺に続く石段まで来ると先導役の仕事は終了。
 丸まげ嬢は階段下に整列し、法中方に従ってまず閻魔堂、続いて酒飲み地蔵を拝みます。
 


 

 拝礼が終わると列をなしたまま階段を上がっていきます。三人一組横一列綺麗に揃って階段を上っていくこの場面は祭り屈指のシャッターチャンスとあって、多くのカメラマンが階段にスタンバイ。思い思いにシャッターを切ります。
 


 

 さて、まるまげ嬢を見送ると青年団は最後の大仕事。
 観音様が載っていた御神輿を台車から外して担ぎ、この長い階段を上っていきます。
 重たいことはもちろん、御神輿が門などにぶつかって傷つかないように慎重に、時折腰をかがめながら……そして「がんばれ」という見物客のお声をいただきながら――
 本殿に無事御神輿を収めて、今度こそ本当にお役目終了です。
 
 
 青年団はこの後太鼓台を町の倉庫に帰して解散となるのですが、私は取材を兼ねてということで祭礼のその後を見学していくことができました。
 先手寺に到着したまるまげ嬢、総代、法中方は観音堂でご法楽。
 


 

 その後、境内に出て丸まげ嬢が整列したところで護摩修行がスタート。
 細かな流れは専門家でないので省きますが……祈祷の後、宝弓の儀、そして御神燈を護摩壇に移してます。そこに丸まげ嬢をはじめ多くの方の願いが込められたそえ護摩木が投げ込まれ、諸願成就の祈祷がなされます。
 


 


 


 

 と、これにて「まるまげ祭り」の全日程が終了です。
 
 以上、いかがでしたでしょうか?
 ……お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、肝心の裏方らしい写真が少なかったですね。ええ、一生懸命働いていたものですから……本当は御神輿を担いで階段を上がるシーンの写真があるとよかったんですが。
 
 ともかく、ちょっと変わった、しかし氷見市民に春のおとずれを告げる丸まげ祭り。是非一度現地に足を運んでご観覧ください!
 そして氷見に移住を検討されている方、もし北六町にお住まいになることがあればあなたもお祭りの担い手になるかもしれませんよ……! お待ちしております!!

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