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2018.05.05

氷見のとある春の日 ~山菜を採りに『めーだん』へ~

藤田智彦
藤田智彦
移住相談員

こんにちは、スタッフの藤田です。
沿岸部にあってさほどの降雪量はない氷見ですが、一応は雪国ということで春になるとよろこびを爆発させるのは他所と同じくです。
結果どうなるかというと4月5月はこれでもかというくらいにイベントが目白押しになります。
前回触れた「まるまげ祭り」のような伝統的な祭りもあれば知人同士で開く小さなイベントまで、楽しみがいっぱいな今日このごろです。
 
そんななか先日、私のもとにも山菜パーティのお知らせが届きました。
氷見に移住してきて毎年ご招待いただいているイベントで、春最大の楽しみのひとつです。
これはいかないわけにはいかない!ということで今年は取材も兼ねて参加です。
 


 

会場となるのは氷見市柿谷にある『梅谷の郷』。「梅谷」は「めーだん」や「うめだん」などと読まれています。古くから梅の多い山だったらしく地域の人からそのように呼ばれていたのだとか。
一昔前まではその梅林のなか田畑が切り開かれ自然との共生がなされていた梅谷ですが、時代とともに人の手が入らなくなり荒れていったのだといいます。
その谷をもう一度生き返らせようと、平成10年から「梅谷の郷」という任意団体をつくって整備してきたのが現在の『梅谷の郷』。
 


 

四季折々の花々や、心地よく間伐された木々が生み出す空間が、気持ちをリフレッシュさせてくれます。
普段から自然豊かな氷見というまちにいながらこんな気分になるんだから、都会で生活している人が来たら感動ものなんじゃなかろうか……
 


 

さて、現地に着くと早く到着していたメンバーでしいたけの植菌をしていました。
過去にもいただいたことのある原木しいたけ。肉厚でみずみずしく薫り高い素晴らしいお味だった覚えがありますが植菌については初見。やり方を教わって菌をつけたダボ木を原木に打ち込みます。
 


 

「打ったところから生えてくるんですか?」と質問してみるとそうではないとのこと。打ったところから木全体に菌が回ってポコポコと生えてくるんだとか。知らないことがいっぱいです。
 
 
参加者がある程度揃ったところで山菜採りに出発!
 


 

まずはタラの芽。
 


 

トゲトゲの木の高いところにあるので普通は棒で引っ掛けて引っ張ったりはしごを使ったりするのですが、梅谷スタイルはこうです。
 


 

切り倒して採る。
乱暴なようですがこうしてもすぐにまた生えてくるから平気なんだそうです。
確かに。去年も一昨年も切り倒してましたがこうして今年も元気に育っています。自然の力は偉大です。
今回は取る時期が遅かったので少し育ちすぎとのことですが、葉っぱだけなら美味しく食べられるという情報もいただきました。お土産をどうやって食べるか、こちらも楽しみです。
 

ちなみに木を切っていたのが高野光夫さん。『梅谷の郷』の代表で谷の整備に長年尽力されている素晴らしいお方です。
この日のツアーでも山菜や木々について解説しながら梅谷を案内してくださいました。
 


 

さあ続いてはコシアブラ。
これも切り倒します。
採ります。大量です。
 


 

カゴにたっぷり山菜を詰めて、次なる目的地へ。
自然がいっぱいな森の中なのですが、丁寧な間伐と草刈りがなされており道もつけられているので非常に快適に歩けます。木々は適切に枝打ちもされているため木漏れ日が気持ちよく差し込みます。
 


 

歩いていると見覚えのあるものが。
 


 

原木しいたけコーナーです。
先程菌打ちしたものを適した環境にこうして並べることでしいたけが出てくるんですね。
今あるものは全部採ってしまってオーケーということでこちらもゲットです。
 


 

さらにこの後ウドやフキ、ユキノシタを次々カゴに放り込みます。
小さなお子さんも楽しそうに自分の手で山菜を収穫。このイベントは世代を超えてひとつのことに取り組み、交流できるところも素敵なポイントのひとつです。
 


 

そうこうしているうちに一行が持っているカゴはみるみるうちにいっぱいに。お昼が近づいたところで一度食事会場となる広場に向かいます。
一部メンバーはタケノコ掘りに向かいましたが、私は残って収穫物の分配作業を。
参加者が持ち帰れるように人数分に(適当に)分けていきます。
 


 

タケノコ掘りメンバーが戻ってくると待望のランチタイムです。
 


 

高野さんの奥さん娘さんが前日から仕込んだという豪華メニューをごらんください!
 


 


 

みているだけでも楽しいこちらの品々、食べてみると……どれも絶品です!
梅谷で採れたという山菜もたっぴり使われており、それを現地で美味しい料理として食べられる幸せ……伝わっておりますでしょうか?
 
また写真では表せませんが食事中には木々でさえずる小鳥や眼下に広がる田んぼで歌うカエルたちがBGMを奏で食卓を彩ります。
 


 

食事しながら談笑の時間に浸っていたかったのですが、午後も仕事があったため私はここでタイムアップ。
お土産をいただいてお先に失礼することになりました。
いただいたお土産がこちら。
 


 

たっぷりありすぎてどうしよう!というくらいありますがご近所さんや仲間内に配りつつ美味しくいただきたいと思います。
 
 
今回ご紹介した『梅谷の郷』は団体による管理のため断りなく遊びに入ることはできませんが、見学や山菜採りについては応相談とのことですので、氷見に住むことになったらぜひ一度遊びにいってみることをオススメします。
きっと「人と自然の共生」の美しさを実感できるはずですよ。

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