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2018.05.16

氷見の食材お料理レポート【春満載の山菜づくし】

西田 芽以
西田 芽以
移住相談員

こんにちは、見習い相談員の西田です。
先日、みらいエンジンスタッフの藤田が山菜パーティーへ行ってきたそうです
帰ってきた藤田から、「お土産だよ」と差し出された新聞紙の塊。中にはたっぷりの山菜が!土と菜っ葉の香りが春を感じさせます。

 

山菜パーティーの参加者みなさんで収穫した山菜なのだとか。せっかくの春の味覚、これは美味しくいただかなければ!
ということで、そろそろ恒例となってきた(?)料理下手による氷見の食材お料理レポート、(人生初調理の)山菜編です。

 

 

今回いただいた山菜、タケノコとシイタケ以外はどんな山菜なのかさっぱり解りません。山菜素人が葉っぱの区別なんてつく訳がない。なので、西田が全幅の信頼を置いているインターネットを駆使して種類を判別しました。「ある日帰宅すると玄関の前に山菜が置かれていた!誰から!?そしてなんの山菜!?」という田舎あるあるの場面に出くわした際は、以下の特徴を参考にしてください。

 

コシアブラ

(写真・左下)
その辺に生えてそうな普通の葉っぱじゃん、と思ってたら立派な山菜でした。掌状の小葉が5枚ついて、茎や枝の一番先端にでる「頂芽」が一番美味しいそうです。その美味しさと独特の香りから「山菜の女王」と呼ばれているのだとか。

 

タラノ芽

(写真・中央下)
美味しいですよね、タラノ芽。でも今回いただいたタラノ芽は、よく見るあの小さくてぷっくりした形状から成長しきった姿でした。もはやちょっとした枝。こういう場合は葉っぱだけいただくと良いそうです。ちなみにこちらの愛称は「山菜の王様」。コシアブラと合わせて、山菜界の王女と王様が揃いました。これで美味しくない料理が出来上がったら嘘ですね。

 

ウド

(写真・右)
茎に白くて短いうぶ毛がみっちりと生えています。今回一番の長者、これそのまま天ぷらにしたら面白そう!と思っていたら、助っ人で呼んだ料理上手な人に止められました。ここまで成長している場合は葉っぱだけ食べるのがベストらしいです。ざんねん。本来は地面から10~30cmほど顔を出しているウドが柔らかくて美味しいのだそう。噂ではパウンドケーキにするとすごく美味しい、ほろ苦い大人の味のスイーツになるらしいです。食べたい。

 

タケノコ

(写真・左上)
タケノコの皮って毛が生えてるんですね。しばらくフワフワ触って遊んでました。これだけ大きいタケノコだったら食べ応えあるぞ!と期待していたら、のちに悲しい思いをしました(灰汁抜き場面参照)。

 

シイタケ

(写真・中央上)
大好きです、シイタケ。とりあえず刻んで入れれば美味しくなるイメージがあります。今回いただいた中には、手のひらを覆うほどの巨大シイタケも!デカイは正義!

 

 

ちなみに氷見で美味しい山菜が採れる理由の一つには、地形が関係しているそうです。海のイメージが強い氷見ですが、その地形は5つの谷状となっています。この谷がもつなだらかな斜面が、山菜の生育に適しているのだとか。だから氷見では四季を通して美味しい山菜を味わえるんですね。昔は、たんまり採れる山菜を乾燥や塩漬けにして保存し、お盆やお正月の煮物に使うなど、保存食として一年中活躍する大切な存在でした。

 

春には上でご紹介した山菜以外にも、セリ・コゴミ・ヨシナ・ゼンマイ・ワラビ・クサギの若葉などもよく採れます。特にクサギは、「クサギと打ち豆の煮付け」という伝承料理が今も伝えられています。以前、農協さんに頼んだオードブルの中にも「氷見のお惣菜と言ったら私よ」という顔をして入っていました。
夏は氷見の特産である「稲積梅」に加えてミョウガ・ズイキ・ナンバ(富山弁で唐辛子)、秋は自然薯・クリ、冬はカブラ・大根・白菜などなどが美味しい季節となります。そして、冬の山で採れるカブラと海で獲れるブリが合わさって、最高の日本酒のつまみとなる“カブラ寿司”が生まれるのです。山の幸、海の幸が豊富な氷見は1年中美味しいご飯が食べられる、食いしん坊には夢のような環境です。

 

 

また、春の食で欠かせない山菜のひとつであるタケノコは、暖かくなると山にたくさん生えているイメージがありますが、その裏には徹底した竹林管理があるんです。まだ地表に出ていない、柔らかいタケノコを見つけるためには、年間を通してのこまめな草刈りが必要不可欠。また、タケノコの成長に大切な春の日差しをまんべんなく当てるには、冬場の積雪によって折れた枝の伐採も欠かせません。人が入り、よく手入れされた山でしか美味しいタケノコは採れないそうです。タケノコの有り難みが身に沁みます。

 

今回のタケノコは違いますが、氷見市内の粟原地区はタケノコが特産品。粘土質の土壌の中でじっくりと、そして農薬をほぼ使わずに育てる粟原地区のタケノコは、アクが少なく柔らかい味わいだそうです。「日本で3番目に美味しいタケノコだ」という人も(3番目って絶妙だな)。手に入れる機会があればぜひ食べてみてください!
よく手入れされた気持ちの良い自然が広がる粟原地区では、田植えが終わるといっせいに休みをとって、田の神様にお礼をする「田祭り」という慣習があったそうです(今でも続いているのかはリサーチ不足で不明です)。「田祭り」に欠かせない料理が、各家庭でつくるタケノコの押し寿司。タケノコと海の幸を甘辛く煮付けてご飯と合わせたものだそうです。春の農作業の後に味わう春の味覚、美味しさも格別だったでしょうね。西田の料理の腕が上がったら再現してみたいです。

 

 

さて、料理に戻りましょう。コシアブラ・タラノ芽・ウドは山からの長旅でシオシオになっていました。シャキシャキの美味しい山菜が食べたいので、しばらく水につけてみました。お花に水をあげる感じで。

 

ネット情報によると、どうやらタケノコは“灰汁抜き”なるものが必要なようで。“灰汁抜き”、聞いたことぐらいはありますよ!でもしなくても良くない?渋くなるだけでしょ?と言うとまた料理上手な助っ人に怒られました。すいません、ちゃんとやります。
先端のとんがりを斜めに落として、下のイボイボも落として、皮を剥いで食べられる部分を取り出します。取り出したんですが……タケノコって食べられる部分は本当に小さいんですね、あんなに立派なタケノコやったのに…。悲しすぎて、私のHPが50くらい減りました。
悲しすぎて米ぬかを買うの忘れたので、今回は米のとぎ汁で灰汁抜きします。米とぎ1回目の濃いとぎ汁の中に、小さくなってしまったタケノコを入れて火にかけて、沸騰したら出てきた灰汁をとります。沸騰まだかな〜と悠長に構えていると、大量の灰汁がボワボワっと急に溢れ出して焦りました。油断禁物です。

 

 

灰汁を取ったら鍋の中で4時間ほど放置。灰汁抜きに時間がかかるし、食べられる量は少ないし、タケノコってすごく手間のかかる子だったんですね。今までお店とかでガツガツ食べていたのを反省しました。
4時間たったら鍋から出して水洗い。やっと、よく見かけるタケノコの姿になりました!手間をかけた分、愛情もひとしおです。まぁ、後で食べるんですけど。

 

 

今晩の献立1品目はthe・定番のタケノコご飯にしようと思います!タケノコとシイタケを小さく切って、ついでに冷蔵庫にあったニンジン・ゴボウ・鶏肉も切って、出汁とお米と一緒に炊飯器へGO。あとは文明の利器にお任せの楽チンメニューです。

 

 

水につけておいたコシアブラ・タラノ芽・ウドも、無事にシャキシャキになりました!今晩の献立2品目は全部ごちゃ混ぜかき揚げにします。美味しいもの+美味しいもの=すごく美味しいもの、というシンプルど直球な考えによって決まりました。
コシアブラ・タラノ芽・ウドの葉っぱと食べられそうな茎の柔らかい部分、細かめに切ったシイタケも入れちゃいました。全部ごちゃ混ぜにして、天ぷら粉と水をあえて、よく熱した油の中へイン!パチパチパチっと空気の抜けるいい音と共に山菜たちがカラッと揚がりました。

 

 

料理上手な助っ人の許しが出たので、手のひらサイズの巨大シイタケは切らずにそのまま天ぷらにしました!肉厚ふわふわジューシーな天ぷらになってね。

 

 

これにて、氷見de山菜定食の完成です!タケノコの灰汁取り含めると、全部で6時間くらいかかりました。でも時間かかった甲斐もあり、予想以上に美味しく出来上がりました!
かき揚げは、それぞれ独特な香りの山菜たちを一緒に揚げたおかげで、口に入れた瞬間にボワっと春の香りが押し寄せてきます。どの風味がどの山菜の特徴なのかもはや分からないんですが、それぞれの苦味やえぐみが合わさって凄いパンチ力です。山菜を手に入れてどう調理すればいいか困った際は、ぜひかき揚げにしてください。絶対美味しいです。
このクセの強いかき揚げと、優しい味わいのタケノコご飯がとってもよく合うんです。かけ揚げ→タケノコご飯→かき揚げ、の無限ループの完成です。
美味しい山菜を使った炊き込みご飯とかき揚げ、なんだかおばあちゃん家で食べたご飯を思い出す料理となりました。

 

暮らすことは食べること。季節ごとの食材を使ってご飯を食べていると、次の季節が楽しみになってきます。氷見にお住いの際はぜひ、美味しい氷見で楽しい暮らしを過ごしてください。

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氷見市IJU応援センター・みらいエンジン
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