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2017.08.14

3年熟成のその味わいとは・・・「柿太deちょこっと こんかバル」

大坪史弥
大坪史弥
移住相談員
7月8日、ちょっと変わったイベントが開催されました。
その名も「柿太deちょこっと こんかバル」
氷見で獲れた新鮮な魚を加工し、販売する「柿太水産」さんが主催する食のイベントです。
3年間熟成された「こんか漬」を頂ける貴重な機会にお邪魔してきました。

 


 

突然ですが、みなさん「こんか漬」をご存知でしょうか?
それは氷見のソウルフード。魚を塩漬けし、米糠と米麹で熟成させた保存食の一種です。魚をぬか漬けにしたもの、というとわかりやすいでしょうか。ですが、作るのはとっても大変。毎日、漬樽を見守り、気候、湿度、温度によって調整が必要です。しかもその熟成期間は3年間。中学生が高校生になるのと同じ時間です。この熟成された「こんか漬」の樽開きが行われると聞きつけ、取材してきました。
イベントの会場は、氷見で100年あまり魚介類の加工販売を行っている老舗「柿太水産」さん。無添加、素材の味にこだわり、その商品は氷見市内の学校給食にも使われています。この日は作業場を解放し、こんか漬を味わえる「バル」に大変身。昼と夜の2部構成で、今回は昼の部に参加してきました。

 

 

主催の「柿太水産」さんの皆様からご挨拶。進行は老舗の伝統を受け継ぎながら、ネットショップでの拡販や、今回のイベントのような企画を担当される6代目、柿谷政希子さんです。(左から2番目)

 

 

そして、メインイベントの樽開き。長年の封が切られる緊張の一瞬です。樽を開くのは5代目正成さん。仲買歴50年の大ベテラン。買い付けや漬け樽の見守りを担当されています。
正成さんが樽を開いた瞬間、周囲からは無数のシャッター音が。まるで記者会見のようです。樽から取り出されたのは3年ものの「こんかぶり」。このこんかぶりは今まで手がけてきた「こんかいわし」の製法を応用したもの。8年前に加工をスタートされたそうですが、最初の2年は納得する味を作り出せず、かつ、ぶりの不漁なども重なり、大変な苦労されてやっと出来上がったものだそう。正成さんが優しく樽から「こんかぶり」を取り出す様子を見ているとその苦労が伝わってくるようです。

 

 

さて、実食。これは…濃厚! 本来の魚の味にチーズのようなコクがプラスされ、長い間舌に旨味が残ります。普段からぶりは刺身や照り焼きでよく食べるのですが、それとはまた違った旨味。熟成することで生まれる発酵食品独特の風味はアンチョビにも似ていて、お酒が進むこと間違いなしです。バルということでお酒もご準備されていましたが、残念ながら仕事中の身、精一杯我慢しました。
 

 

ですが、その我慢をさらに揺るがすのが、その後いただいた食事です。氷見市内で割烹を営まれる「秀月」さん、イタリアンレストランの「オリーブ」さんによる、こんか漬のアレンジメニューです。こんか漬のかぶら寿し風や、生春巻き、トマトを使ったカプレーゼ風や、アイオリソースにこんか漬けを混ぜ込んだアヒージョ仕立てのものまで…そのどれもが絶品。こんなにも幅広く使える食材なのかと驚きました。

 

 

メニューの説明をされる「割烹 秀月」の水口さん

 

食事の後は、作業場を見学させてもらいました。目の前に広がるのは大量の煮干し。塩だけで作るという素材にこだわった製法です。カタクチイワシ、ウルメイワシ、サバなど様々な煮干しが。サービス精神旺盛な正成さん、「好きに試食していいよ!」とのことで、申し訳ないくらい試食させてもらいました。

 

 

最後に作業場見学の「ワン」シーン。煮干しをワンちゃんの目の前において、「待て」をする正成さん。ですが、この「待て」、予想以上に長い。必死に耐えるワンちゃんの口からは大量のよだれが… 人間も動物も美味しいものを我慢するのは辛いです。
 

 

絶品の数々を味わい、大満足の「柿太deちょこっと こんかバル」。次回の樽開きも絶対参加したいと思います。
今度は仕事抜きで。

今回、取材させて頂きました柿太水産さんでは、干物作り体験を随時開催。旬の材料でのみりん干し作りを体験できます。包丁を使わない手開きの加工なので、小さなお子様でも安心です。夏休みの思い出作りの一つにいかがでしょうか。(大坪史弥)

 

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