みらいエンジンスタッフの岸本です。
寒さが続き、春が待ち遠しい2月上旬。
十二町潟水郷公園に白鳥がたくさん飛来しているとの噂を聞きつけて、行ってまいりました!
氷見駅からは車でおよそ5分ほど。
国道160号線から山側に入ってすぐの十二町潟水郷公園は、春はツツジ、夏はオニバスやスイレンの花が楽しめる場所でもあります。
(こちらは夏ごろの様子)
(画像:氷見市観光ポータルサイト「きときとひみどっとこむ【写真素材】」より)
筆者も何度か暖かい季節に行ったことはありますが、冬に行くのは初めて。
しかし、白鳥がなぜこんな寒い氷見に?
首を傾げながら公園に到着。
池の前に車を停めて降りてみると……
白鳥が……
いない……!!!
代わりに、見渡す限りの鴨、鴨、カモ。
この鴨たちも越冬の御一行様です。
君たち、白鳥知らない?
聞いても答えてくれるわけがなく……
どうしたものか……
餌やりに来たおじさん。
鴨に囲まれています。
以前は、ハクチョウの保護・観察を行う愛好会「氷見白鳥の会」があったそうですが、会員の高齢化などで一昨年に解散し、今では元会員の方やご近所の方々が有志で餌やりに来たり、水鳥達を見守っているそうです。
白鳥を待っている間、母の地元民ネットワークで「白鳥は少し離れた水田に行っているのかも」と情報を得ました。
教えてもらった通り、車で数分の場所へ行ってみると……
い、いた……!!!!!
水田にたくさんの白鳥がいました!
白鳥の湖ならぬ、白鳥の水田。
動物園でしか見た事が無い白鳥を、湖ではなくまさか氷見の水田で見る日が来るとは思いませんでしたよ。
田舎の田園風景と白鳥。
なんだか不思議で、面白いです。
考えてみたら、白鳥が優雅に広い水面をすいすい泳いでいる姿も見た事が無いです。
足こぎの白鳥ボートとか、動物園の檻の中にいる白鳥とか、思い出すのはそういうものばかり。
氷見市は白鳥が越冬するための南限の地で、毎年12月頃から翌3月頃まで、シベリアから飛来して、この十二町潟水郷公園で過ごすそうです。
今年は100羽を超える白鳥が来ているのだとか。
黒い毛が混ざっているのが幼鳥です。
このひな鳥が長距離を飛び続けられるほど成長したころ、氷見を離れていく。
それが3月頃。
雪解け、そして旅立ちの季節とはまさにこの事ですね。
この白鳥たちが夕方ごろに一斉に公園に戻るらしく、この場所を教えてくれた方にも「白鳥が飛び立つ姿が綺麗だから是非見て」との事だったのでしばらく待っていましたが、氷見の冬の天気は変わりやすく……
突然の雪。
雪景色の中の白鳥もなかなか見れるものではないぞと風情を感じつつ、必死にシャッターを切って白鳥が飛び立つ瞬間を撮ってみました!
……が、筆者のカメラにも我々の防寒装備にも限界があり、結果はブレブレの暗い写真ばかり。
そんなわけで、氷見市で白鳥の姿を撮り続けて数年の知人に、白鳥が飛び立つ瞬間の綺麗な写真をお借りしました。
白い羽根を広げ、水面を蹴って飛び立つ姿が本当に綺麗です。
今まで全く意識したことなかったですが、こうして見てみると白鳥ってすごく綺麗ですね。
水面に浮かんでいる姿も、真っ白な羽根も。
普段のお目にかかる事の出来ない白鳥を、地元に居ながら見る事ができるってなかなかレアですよね。
こんな機会滅多にないから、この冬の内にまた見に来たい。
すっかり白鳥の美しさに心を奪われた筆者、別の日にまた行ってきました!
前回は水面から飛び立つ瞬間を見たので、今回は水面に降りる姿を見ようと、十二町潟水郷公園に車を停めました。
先客に並んで、筆者も白鳥を待ちます。
しばらく待っていると、鳥の鳴き声が空に響いて、みなさん「来た来た」と空を見上げます。
これまでの人生の中で、夕暮れの空を飛んでいくカラスやすずめを見上げた事は何度もありますが、夕暮れ空に頭上を飛んでいく白鳥の群れを見上げたのは初めてです。
氷見の空に舞う白鳥。
白鳥の飛んでいる姿って見た事ありますか?
筆者はこれが初めてです。
白鳥の群れは筆者たちの頭上や池の上を何度も旋回して徐々に高度を落としていき、優雅に着水します。
隣にいた方曰く、「親鳥はひな鳥に飛び立ち方、降り方や着水の仕方を教えてあげてるんだよ」と。
そして、「白鳥たちが春に一斉に飛び立って帰っていく姿は圧巻だよ。飛び立てない子が一羽でもいたらずっと待っているし、全員揃ってから行くから、本当に感動するから見た方がいいよ」と教えてもらいました。
白鳥を見に来てまだ二度目の筆者ですが、幼鳥が成長し、群れで空を飛んで旅立っていく後ろ姿を想像しただけでもう寂しい気持ちになってしまいます。
そんな寂しさを埋めるようにして、土手にはフキノトウが芽を出し、川沿いや山には桜の花が咲く氷見の春の景色を思い出しました。
アニメ、ゲーム、アイドルオタクと三拍子揃っていていつも画面の中の世界に浸りがちな筆者ですが、自然の中で生きている事を実感しました。
時々ここへ来て、幼鳥の成長を見届けながら春を待とうと思います。