移住を考えるときにどうしても気になる「自分に合った仕事があるのかな……」という不安に対して、氷見市内を中心に30以上の会社が集まり仕事を体験してもらうことで仕事を探す人と会社とのマッチングを進めていくのが「◯◯◯のしごと塾」です。
就職活動、というととかく堅苦しい空気がつきまといますが、リラックスした環境で会社と仕事を探す人との相性を探ることができるようにしているのが「◯◯◯のしごと塾」の特徴です。
「◯◯◯のしごと塾」ネットワークに加盟している会社の日常をご紹介し、どんな人がどんな仕事に取り組んでいるのか、そしてどんな人と仕事をしていきたいのかとという事をお伝えします。
今回は山下が「コーヒーのしごと塾」を開いている「自家焙煎コーヒー&カフェ ろいたー」の前田将利さんにお話を伺いました。
「自分の写真はいいちゃ」というので前田さんの写真自体はあまりないのですが、かわりにコーヒーを淹れるところを写真に撮らせていただきました。
「琥珀玉」と呼ばれる水玉がコーヒーの表面を走るとおいしいという話をしていたのですが、サーバーが曇ってしまったせいかちゃんと押さえることができず……残念でした。それでも香り高いコーヒーは非常に美味しかったです。
前田さんが経営する「ろいたー」はJR島尾駅にほど近い、国道415号線沿いにあるお店です。お父さんが整骨院を営んでいた店舗を引き継ぎ、改装して挽きたてのコーヒーが味わえるカフェを併設した店舗となっています。
お店の玄関から目の前には立派な焙煎機が鎮座しています。そして、この焙煎機で朝焙煎したコーヒー豆が棚に並びます。豆の違いだけでなく、焙煎の仕方によって味わいの違いを引き出しているところに、焙煎へのこだわりが見られます。
こんなこだわりのコーヒー屋を開くまでにどのような経緯があったのでしょうか。また、なぜコーヒーに興味を持つようになったのでしょうか。前田さんにそのあたりから伺ってみることにしました。
ーーいつからコーヒ-に興味をもつようになったんですか?
前田: 高校の時からですね。高校に入ってから缶コーヒーを飲むようになったんだけど、あまりおいしくなくて。美味しいコーヒーってどんなものなんだろう?ということを考えるようになってコーヒーの淹れ方やコーヒー豆の焙煎の仕方に興味を持つようになりました。
ーーコーヒーに興味を持ってから、どこかで勉強はしなかったんですか?
前田:いや、ほとんど独学で。
ーーえ、独学ですか?
前田:通信教育と高岡に焙煎機が使えるお店があって。ホント言ったら東京にね、「バッハ」っていう有名なお店があってそこにみんな勉強しに行くの。だけどそこに行くとしたら何百万ってお金を積んでいかないといけないから、その後お店をつくることまで考えるとお金がかかって大変だよね。
それに、コーヒーの勉強だけしても商売で落ち込んだときに立ち直るための方法をおしえてくれるわけじゃないですからね。商売については、ウチはあえて自分で色んな所で仕事をして覚えましたよ。ミスタードーナツだったり和菓子屋やパン屋で働いたり、そういう風にして事業にたどり着いたんですよね。
ーー氷見でコーヒーの焙煎しているところはあまりないですよね。
前田:市内には他に2軒と、近くでは高岡や石川県の羽咋や中能登にぼちぼちあるぐらいで、少ないですね。でも今は富山なんか増えてきてますよね。手軽だもん。資格もいらないし。でも最後はここ(腕をたたく)。いかにして自分ならではの味を出すか。
ーー焙煎の仕方で変わってくるものですか。豆も違うと思いますけど。
前田:豆は最初こんな色をしてるんです。これが焙煎されることで深みのある茶色になる。
この豆は世界一高い豆ですけど、こんな豆も出したりしてるんですよ。1杯3,000円、豆の小売は100g4,500円です。ウチみたいなところでやることじゃないんだけど……
ーーいやでも面白いですよね。赤字なんですか?
前田:12月で6周年になって、感謝祭みたいな感じです。
「ろいたー」は前田さんがひとりで営んでいるお店ですが、それだけに自分のこだわりを前面に打ち出して面白いことができるんだなあとお話を伺いながら感じました。
氷見特産のハトムギとコーヒー豆を合わせて焙煎した「はっとむぎコーヒー」という一品もあります。
コーヒー豆に混じってハトムギの粒が見えるのがわかりますか?こんな商品も、このお店だからこそ生まれたものかもしれません。
コーヒー焙煎の面白さをよりわかりやすい言葉にして伝えたいという事を前田さんは考えています。コーヒー焙煎の仕事を学びながら、この仕事の魅力を伝えていくお手伝いをしてみたいという方は、「コーヒーのしごと塾」を体験してみると良いのではないでしょうか。
「◯◯◯のしごと塾」では、様々な職種の会社が自ら「しごと塾」を開いて就職希望の方をお待ちしています。すぐにでも働ける人を求めている会社もありますので、よければ「◯◯◯のしごと塾」のホームページをご覧になってください。