氷見の風景と魅力を詰め込んだテント芝居を上演する氷見結テントは、7月に朝日山公園休憩施設そばに仮設テント劇場を建て、オムニバス演劇イベント「朝日山テントシアター2018」を開催しました。
現在氷見市内には演劇を上演できるホールがありません。そんな状況でも、演劇の持つ感動や自由な雰囲気を楽しんでもらいたいと思い、2017年に氷見結テントを結成しました。
昨年ははじめてのイベントとして、全国でテント劇場を建て巡業する劇団、「劇団どくんご」を迎えて公演を行いました。
その時の様子はこちら。
氷見ではじめる手作りの演劇ホール「氷見結テント」を紹介します
氷見のまちなかを一望できる朝日山公園で、まちの灯りを背景に強烈な芝居が展開されました。
そして今年は、自分たちの手でテントを建てて公演しよう!という企画を立てました。
まだ自前でテントは持っていないので今回はフラードーム型テントをレンタル。直径7.2mという大きなサイズのテントなのに、細い鉄パイプの組み合わせで出来上がるのが魅力的です。
酷暑の中、5時間かけてテントが組み上がりました!
この劇場で、富山県内を中心に活動する2つの劇団の作品を上演しました。
まず、血パンダ&シャンシャンズによる「朝日の見える山の夜」。氷見市在住の仲悟志さんが主宰する「劇団血パンダ」が今回劇伴音楽ユニット「シャンシャンズ」を中心に構成しました。日頃は劇場の枠にとらわれない演劇をつくっているのですが、氷見市内での公演は10年ぶりぐらいになるということです。
不思議な間合いの芝居は屋外だとかき消えてしまいそうな繊細なものでしたが、集中して見るとより深い発見のある、密かな楽しみが詰まったお芝居でした。演奏は夕暮れの風が似合う、ほんのりダークな雰囲気が漂う歌謡。歌声が心地よかったです。
そして後半は劇団からくり玉手箱による「ユメノイローゼ」。今回のために主宰のirophaさんが書き上げた新作です。深い夢なのか、どうしても世界を色眼鏡で見てしまうのか、歪んだ景色から少しずつありのままの世界を観られるようになる……という感覚がありました。
照明がドームテントに映ると、他にはないような幻想的な雰囲気を醸し出していました。
客席では大人から子供まで、それぞれかなり自由な形で芝居を楽しんでいました。一つの見方だけでなく、それぞれの人が集中してそれぞれの芝居の楽しみ方を見つける。今回タイプの違う2つの演劇を同時に上演することによって自分は何を見つけるのが楽しいのか、どんな芝居が好みなのか、ということを改めて考えることができました。
氷見にはこんなテント劇場を楽しめる余裕があるというのが良いことだと思っています。比較的自由に使うことのできる公園の空間があって、演劇を楽しみたいという人たちの繋がりがある。これからもこの良さを活かして、氷見だからできる演劇活動を続けていきたいですね。
まだまだこれからやりたいことが沢山あるんです。本来は自分たちで芝居を作りたいという気持ちもあったのですが、テントを建てて企画運営するだけでいっぱいいっぱいでした。来年は演じる側としても思い切り楽しめればと思っています。一緒に芝居づくりに関わってみたい人、自分も身体を使った表現をしてみたいという人、お待ちしています!