自然環境にやさしい定置網漁、そして有機の里づくりに取り組むまち、富山県氷見市をご存じですか?まちのすぐ目の前に広がる豊かな漁場と、海岸線から数キロメートルの範囲に広がる豊かな里山は、人の心を穏やかに、そして思慮深くさせてくれます。
氷見の人は、身の丈に合った豊かさが、どういうものか、よく知っています。だからこそ、必要以上に魚を取らない氷見ならではの定置網漁が生まれ、必要以上に山を荒らさず自然に寄り添う農業や林業が発達しました。
また、腕のいい宮大工を沢山育てた地域で、氷見の大工が全国の大事な伝統建築にかかわった歴史があります。そのため、氷見の里山には、驚くほど立派な古民家が沢山あります。
私は、氷見で自然と共に生きる人々の哲学に触れているうちに、すっかりこのまちに魅了された一人です。しかし、多くの若者がまちを離れ、漁業や農林業、商店などの後継者が少なくなり、伝統的な黒瓦の家並みが美しい町の風景が一つ、また一つと消えていく様子に心が痛みます。
私たちが忘れかけている日本の良さが、ここ氷見には沢山残っていると思います。そこで、この地で生きる喜びと、豊かな自然に感謝し、幸せな暮らしをしたいと願う方を応援したいと思い、IJU応援センター長に手をあげました。
センターの愛称は「みらいエンジン」です。ロゴマークは込めた思いは、ハートが原動力になって働く組織になることです。プロペラで飛びながらも足元をしっかりと見る、タイヤもあるから時には地を這い、必要とあらばジェットエンジンで飛んでいくこともできる、…私自身もそうありたいです。
氷見市IJU(移住)応援センター長 明石博之
みらいエンジンのスタッフ
運営スタッフは、ほとんどが県外出身です。氷見のことをよーく知っているスタッフのほうが安心だ、という方もいるかと思います。しかし、私たちの活動のコンセプトは、移住を考えている人に寄り添うこと。私たちがそうであったように、知らない土地へ移住することへの希望と不安を分かち合い、理想の未来について、一緒に考えていきたいと思っています。
あなたの未来は、他の誰の未来とも同じではありません。ですから、私たちの知識や経験は、ある一定以上の領域では役に立たないと思います。だからこそ「ハートがエンジン」でなければならないのです。
センター長(推進代表) 明石博之
場づくり・まちづくりコーディネーター。広島県因島市(現尾道市)生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。大学を卒業後、株式会社地域交流センター企画に入社。東京を拠点に、全国各地のまちづくりプロジェクトのコーディネーションを行う。2009年に同社の代表取締役に就任。2010年に妻の故郷である富山県へ移住した以降は、まちづくりの主体者として、場づくりから、まちの価値を創造するプロジェクトを展開している。古民家のオーガニックカフェ、uchikawa六角堂のオーナー。
実践的ディレクター 山口 覚
まちづくりファシリテーター。福岡県北九州市生まれ。九州芸術工科大学卒業後、鹿島建設に就職して東京へ。途中、国交省所轄の財団、国土技術研究センターへ出向。過疎地域の現状に触れ、ハード事業よりもソフト事業が地域の活性化に不可欠と感じ、鹿島建設を退職。その後、NPO法人地域交流センターのにて、全国各地を飛び回る。2005年に九州へUターン。2009年から福岡県福津市津屋崎の海際の旧集落、津屋崎千軒(せんげん)に移住。創造的活動交流拠点「津屋崎ブランチ」を開設。
スポーツ系・移住相談員 大坪 史弥
唯一の富山県出身者で社会人建築学生。1989年、射水市生まれ。横浜市立大学に進学し社会学を専攻。卒業後は株式会社リクルートジョブズに入社し広告営業として静岡県で3年間を過ごすも、母の死をきっかけに生き方を考え直し、2015年に富山県にUターン。富山県の空き家を「豊かに生活できる場」にするため、場づくりコーディネーター見習いとして奮闘中。仕事の傍、建築意匠を通信大学で学ぶ社会人学生。
文化系・移住相談員 藤田 智彦
1987年、千葉県柏市生まれ。明治大学で経済学を先行するも本と音楽に溺れ、生き方や幸福について考える日々を過ごす。卒業後通信機器営業の職を経て、まちづくりの道に進むことを決意し氷見市地域おこし協力隊として2015年にIターン。協力隊の任期中は移住施策や中心市街地活性に携わり、商店街でのマルシェイベントなどを企画。任期を終えた2018年春より、引き続き氷見の魅力的なまちづくりを生業にするべくみらいエンジンに入所。
DIY系・移住相談員 西田芽以
1991 年、奈良県大和高田市生まれ。富山大学芸術文化学部及び同大学院で木工・デザインを学ぶ。大学在学中に「モノづくりと同時に、コトづくりもしていきたい」と考え、卒業後はまちづくりに携わる。現在は、みらいエンジンのDIY担当として活動する傍ら、個人的に氷見の美味しいものを探索・満喫中。
町家の交流拠点「まちのタマル場」
まちに暮らす人と、移住を考えている人が出会い、交流できる場として運営しています。
ここは、みらいエンジンの活動拠点となるオフィスです。空き家になっていた町家を大家さんにリフォームしてもらいました。そこへ、みらいエンジンが押し掛け、一階部分を活動拠点として使わせてもらうことにしました。担当スタッフは、代わる代わる二階で暮らし、この「まちのタマル場」の運営をしています。
氷見の魅力を感じて、多くの方が移住してくださることを望んでいますが、私たちは、まず、地元にしっかりと根をはりたいと思っています。外向きに、派手な情報発信や交流イベントをするよりも、まず、氷見に暮らす人が自然に集まり、楽しい語らいがはじまる「場」をつくろうと思いました。ふと気が向いたとき、何かを思いついたとき、誰かに伝えたい楽しい出来事があったとき「あ、タマル場に行ってみよう」と、ここを思い出してもらえば最高です。
まちのタマル場の機能
移住を考えている方の応援
ここは、移住や定住に関する、あらゆる相談の窓口です。氷見から遠くにお住いの方は、電話やメールでご連絡ください。氷見までお越し頂ける方であれば、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。また、内容によっては、私たちが取り扱えない業務があります。その場合は、地域の様々な団体と連携をして対応させていただきます。例えば、こんな相談にのっています。
- 氷見のまちのこと、市役所の移住支援策を色々と知りたい。
- 住まいはどうやって探せばいいですか?どんな空き家がありますか?
- 氷見にはどんな仕事がありますか?起業ができる土壌ですか?
- お店をやってみたいのですが、空き店舗はありますか?
- 自然に優しく、オーガニックな活動をする仲間はいますか?
また、移住先の下見として、氷見に訪ねてこられたときは、色々と頼りにしてください。氷見での行動の拠点として、お座敷のくつろぎスペースをご利用ください。営業時間中は、スタッフが常駐しています。休憩、トイレ、荷物預かり、電源やwifiの利用、道案内が出来ます。
氷見に暮らす方の移住?よろず相談
この場を運営して気づいたのは、市外で暮らしている子供さんのUターンについての相談、氷見が大好きになったお孫さんのIターン(孫ターンという言い方もします)の相談が少なくないことです。また、空き家の所有者さんからの相談も後を絶ちません。私たちは、町家の畳の間を無料でお茶が飲めるカフェとして、いつでもウェルカムな雰囲気の場づくりをしています。例えば、こんな相談があれば、お気軽にお越しください。
- 娘夫婦が氷見に帰ってくるから、ちょうどいい住まいを探している。
- 夏休みによく遊びに来ていた孫は氷見が大好きで、氷見で仕事を探している。
- 古い空き家を持っているけど、誰かに活用してもらう方法はないでしょうか?
- とくに用事はないけど、バスが来るまで待っていよう(大歓迎です)
お店、工場などの継ぎ手を探している方の相談
移住したときの仕事の選択肢は色々あります。会社やお店に就職をする、今までやっていた仕事をそのまま持ち込む、新しく氷見で起業する、など。さらに、もっと違うカタチの仕事もあります。それが他人様の「事業を継ぐ」という選択肢です。例えば、都会に就職して、もう氷見には戻ってこない息子さんに店や工場を継いでもらうことを諦めた方が、思いが通じ合い、意気投合した若者に事業を継いでもらう。そのようなケースを模索してみたいと思っています。
- 商売をやめようと思っているけど、設備やお客さんを誰かに引き継いでほしい。
- 病気になってしまい、当分の間、うちの民宿を経営してほしい。
- 長年培ってきた匠の技を、自分の代で絶やしたくない。
- うちの商売基盤を使って、若い人と一緒に新しい事業をやってみたい。
タマル場について
営業時間 | 運営時間 9:30 – 21:00/まちのタマル場OPEN 9:30 – 18:30 (水・木曜日定休日・ただし祝日は営業、翌日休み) |
電話番号 | 0766-54-0445 |
FAX番号 | 0766-54-0459 |
メールアドレス | info@himi-iju.net |
設備 | お座敷カフェ(お茶無料)、トイレ、電源&wifi、移住に関する情報、荷物お預かり、シェアオフィス用デスク |
サービス | 移住・定住に関する相談、空き家の情報提供、住まいについての相談、仕事探し(継業含む)についての相談、暮らし体感ツアーの受付、氷見の暮らしの様子の紹介、趣味や社会的活動の仲間さがし、など |
住所・MAP
〒935-0011 富山県氷見市中央町5-7
JR氷見駅より徒歩15分
車でお越しの方は「いきいき元気館」駐車場をご利用ください。(徒歩5分)
委託運営会社
氷見市の委託事業として、株式会社地域交流センター企画(代表取締役 明石博之)がIJU応援センターを運営しています。この会社は、約30年間、全国各地のまちづくりをコーディネートしてきた実績を持ちます。いわゆるコンサルタント的な立ち位置ではなく、そこに暮らす人々の考え、その地に根付いた文化や営みを、社会的な価値として表現したり、それらとの接点を生み出す場づくりをする実践的なクリエイティブ活動を行う会社です。