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2023.05.05

チャレンジショップでの2年間

昆布
昆布
「サカナとサウナ」

こんにちは!サカナとサウナの昆布です。

僕は2023年3月までの2年間、氷見市が運営するチャレンジショップ「break」にて、魚料理専門のダイニングバー「サカナとサウナ SEAFOOD STAND」を営業していました。
現在は新店舗の改装工事中で、竣工および移転オープンを今年の夏ごろに控えています。改装工事中は店舗営業ができない代わりに、他に様々なお仕事を頂いて日々生活をしているわけなのですが、ランチやディナーに追われていたころと比べれば、今は少し自分の時間を設ける余裕があります。

 

(撤去後の旧店舗)

そんなときに考えるのは、“これからの”新しいお店のコンセプトや内容などの仕事のこと、昨年産まれたまだ小さな息子と妻との“これからの”生活のこと、などなど。

余裕ができても、せっかちな自分の頭の中ははなんだか“これから”の色々なことがぐるぐるとしているわけで、“これまでの”何かしらの過去を振り返って反省する時間が取れずにいるのです。

 

ですが今回はこちらに文章を書かせていただける素晴らしい機会(テーマは僕におまかせで)を頂きましたので、先述の2年間を振り返ってこちらに記録として残そうと思っている次第です。非常に私的な文章になりますが、これから移住して氷見で自分の仕事を興したいと思っている方にとって、何かしら参考になるかもしれませんので、こちらに書かせていただきます。

ぜひお付き合いを。

 

 

話は遡ること約2年半前の2020年12月。

僕は富山市総曲輪に位置する「SOGAWA BASE」という個性的な富山のお店が集結したショッピングモールにて、1か月の期間限定でポップアップ出店を行いました。それまでお店を営業するイメージがなかった自分でしたが、そのポップアップを通して店舗営業の面白さを知りました。出店期間が終了した後、2021年からはどうにか別の場所で(もちろん大好きで移り住んだ氷見で)お店を持つことはできないか、と真剣に考え始めたのです。

(改装前のチャレンジショップ)

 

そんな折、お世話になっているうどん屋さんが新聞に掲載されたある募集記事を見せてくれました。

「氷見市 チャレンジショップ 出店者募集」

と書かれた見出しには、少し古びた特徴的な角地の物件の写真が並んで掲載されていました。記事を読むと氷見市がその物件の一階部分を改装し、壁の無いワンフロアに飲食1店舗、物販2店舗を募っているという内容でした。

そのうどん屋さんから「面白そうなとこやないけ!暇しとるんやったら一遍話聞いてこい!」と半ば強引に促され、担当者に話を聞きに行くと、家賃などの条件と改装イメージ図を見せてもらうことができました。そこに描かれたテイクアウト用のカウンターと窓のデザインが気に入り(もちろん家賃の低さや初期費用がかからない利点もありましたが)、募集に応募しました。

その後選考を経て晴れて入居することが出来、外のカウンターに着想を得て店名を「サカナとサウナSEAFOOD STAND」決め、営業を開始しました。

 

開店は2021年の4月。

魚料理のみを提供するダイニングバーというコンセプトで、当初は夜のバー営業がメインで、ランチ営業は土日のみという形でスタートしました。実は僕自身飲食店の営業経験はほぼ無く(先述のポップアップ出店ぐらい)手探りの状態での滑り出しでしたが、開店直後は知り合いや新店という珍しさで様々なお客さまにお越しいただき、それなりに良いスタートを切ることが出来ました。

 

 

しかしその後は自分のやりたい営業スタイルと、氷見市内での外食ニーズとのギャップに苦しみました。

当初は富山市で行っていた夜メインの営業をそのまま踏襲して、氷見でもワインをメインに据えたダイニングバーを運営していたのですが、富山市に

比べると氷見市では圧倒的に夜に飲みに出る人が少なく(いても40~50代のワインより日本酒や焼酎の方が好み)、新店の物珍しさが無くなった後は一人も来店の無い日もありました。

新型コロナウイルスの影響もあり、途中でランチ営業を平日にも行い、テイクアウトにも力を入れ始めたおかげで少しずつ売り上げは上向いてきたものの、悪戦苦闘する日々は続きました。

そのような中でも営業を続けていけたのは、僕のやりたいことを日々応援して下さった常連さん達のおかげです。

 

この場所でワインを好きになった若い大工さんや、インテリだけど飲みすぎちゃうのが玉に瑕のパン屋さんや舞台役者さん、高校生のころから通って(もちろんノンアル)ついに今年成人になるから飲みに来たいと鼻息荒めの男の子。ランチメニューを軒並み制覇していく民宿のお姉さんや、帰省の度に訪ねてくる県外在住の大学生の皆や、僕の息子の誕生を祝いにワインを差し入れしてくださった太客(自称)さん。

そんな個性的な常連さんが更に別のお客さんを呼んでくださり、徐々にその輪が広がっていったおかげで、その後2年の営業を続けることが出来ました。

 

この経験から学んだのは、地域内における多数派のニーズに合わせて日々の売上を上げていくことはもちろん必要だけれども、自分が独自にやりたいことに賛同してくれるお客さんを得て日々の自分のモチベーションを上げていくことも大切だということ。

そんな常連さんたちと出会い、そして共に走り切れた2年間を、改めて僕は誇りに思います。

 

更にはそんな営業の傍ら、小さくとも自分にとっては意義のある夏のイベントを2つ開催することが出来ました。

2021年は「夏のカルパッチョまつり」。2022年は「夏S」。どちらも食と、それと同等に僕が大好きな音楽を組み合わせたフェスのようなものでした。手探りかつ手作り感満載のイベントでしたがたくさんの方にご来場いただき、氷見に新たな流れ(小さな小さな支流かもしれませんが)を作ることが出来たのではないかと思っています。

 

そしてついに、今年の夏からは新店舗がオープンします。

元海鮮問屋の2階建ての建物で、1階はこれまで通り魚料理専門のダイニングバーですが、2階はサウナ付きのホテルが入居します。今までの常連さんに加え、他にも様々なお客さんが集まるお店になることを目指しています。 

 

それもこれもチャレンジショップがあったから。本当にこの場所に感謝しています。

その他さまざまな創業支援が氷見市にはありますので、何かを始めたい気概や、独自のアイデアのある方はぜひ氷見に。それぞれの小さな流れを結集して、共に外海に注ぐ大きな川を作りましょう。氷見での開業お待ちしてます。

 

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氷見市IJU応援センター・みらいエンジン
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