【はじめに】
こんにちは。ふるさとワーキングホリデーで氷見に滞在していた松本望実です。記事を書かせていただくのも今回が最後となりました。
今回は、氷見の暮らしに根付いた建物である、「町屋」と「防災共同ビル」を中心に取り上げようと思います。実際に建物で過ごしてみたり、お話を伺ったりする中で、感じたことや考えたことをまとめました。
①町屋「まちのトマル場」
格子戸のある外観
まずは、氷見で多く見かける形式の建物「町屋」について取り上げます。町屋を改装した建物「まちのトマル場」に2泊し、その暮らしを体験してきました。
外観は、お隣の住宅と外壁がピッタリとくっついているのが特徴。間口は3.5mほどと狭めですが、奥行きがとてもとても長い!!測ってみたら、5倍近くの長さがありました。
せっかくなので、寸法を測って間取りを書いてみました
1階には、「ミセ(商品の陳列や祭りの際に開いて使われる場)」や、明かり取りのための「ニワ」、そしてキッチンと水回りがあります。綺麗で使いやすく不便さは感じませんでしたが、洗面所から布団を敷いていた入口近くの畳の間まで、長距離を移動するのが少し大変でした(笑)。
2階には4つの間があります。ふたつのフロアを合わせると、1人では広すぎるけれど3、4人で暮らす分にはちょうどいいのかな?という大きさでした。ただ廊下や通り土間がないので、プライバシー的にどうなんだろう、とも思ったりもしました。ゲストハウスとして利用するには、1棟貸し切りの方が良さそうです。
思ったより部屋がたくさんあり、驚きました
町屋に泊まるのは初めての経験だったので、身をもってそのつくりを体感できてとても面白かったです。1人で一棟を贅沢に使わせて頂き、貴重な経験となりました。冬なので少し冷えましたが、日本の住宅は「夏を旨」としてつくられているはずなので、また夏場にも泊まってみたいです。
襖を開けると、一番奥の壁まで見通すことができる(1階内観)
②防災共同ビル
角の取れた形と連続する窓が特徴的なビル
次に、中央町商店街を形成する「防災共同ビル」を取り上げます。「みらいエンジン」の事務所も入るこのビルですが、建てられたのは50年近く前だそうです。
このビルで飲食店と宿泊施設を運営されている、林さんにインタビューさせて頂きました。
林さんは、ビルの一角で1階をスープ店「スウプはやし」、2階をカフェ「フルーツ&バー フルエ」、そして3階をゲストハウス「眺めの良い部屋」として使われています。住宅以外で3フロア分がフルに使われているのは、このビルではここだけなのではないでしょうか。
「フルーツ&バー フルエ」の内観
この建物を使う上で大変だったことはなんですか?と伺うと、
「元々雨漏りがひどく、市の職員として働きながら改修をしなければならなかったこと」
だといいます。
3階のゲストハウスは、昨年10月にオープンされたばかり。「食べて、飲んで、泊まれる拠点を作りたい」との思いからこのゲストハウスを始められたそうです。元々はお風呂なしの物件だったそうですが、「古いビルでも、改修したら住めるという事例を見せたい」とおっしゃっていました。
開店前に取材をさせて頂きました。お忙しい中ありがとうございました!
私が最も印象的だったのは、「運営しているスウプやカフェなどのお店は、まちを盛り上げるためのコンテンツの一つ」であるという言葉。氷見のまちを盛り上げるために、まだまだやりたいことがたくさんあるそうです。
「やっとスタート地点に立てたばかり。実は氷見にはまだまだ知られていない魅力がたくさんある。今度はまちを歩く人たちのために、観光目的別のマップを作りたい。」
氷見に昔からある建物を活かし、まちづくりを自らの手で行っている林さん。氷見の未来を本気で考え、行動する熱量に圧倒されました。
【最後に】
今回は氷見の「町屋」と「防災共同ビル」を取り上げ、その使われ方について考えてみました。
今までの記事も踏まえると、私がワーホリに来て感じた氷見の魅力は大きく二つあると感じます。
一つは、「ずっとあるもの」の豊かさです。
アーケードのある商店街や、町屋が並ぶ街並み、そして新鮮で美味しい海鮮。関東に住む私には日常的に触れることができない、「氷見に根付いたもの」をたくさん見つけました。
もう一つは、「面白いアイデアを持つ人」が多くいることです。
今回取材させていただいた林さんをはじめ、前の記事で取り上げた岸田木材の岸田さんなど、「氷見のまちを盛り上げる仕掛け」を考えている方々とたくさんお会いすることができました。
これら二つの魅力「もの」と「人」との相互作用が生まれている光景を、取材を通して見つけられたと思います。
食べるのが大好きなのでまとめてみました(笑)
まとめてみましたPart2 最高に美味しかったです!!
長いようであっという間だった氷見での生活。実は3日目くらいから、「氷見から帰りたくない」という気持ちになっていました(笑)。3ヶ月くらい前までは氷見という地名すら知りませんでしたが、10日間のワーホリを経て、私にとって特別な場所になりました。
最後になりますが、みらいエンジンの皆さん、ワーホリで一緒になった方々、取材を受けて下さった氷見の皆さん、楽しい経験をさせて頂き本当にありがとうございました!
これから自分自身の見聞を広げて、また氷見に帰ってきたいと思います。
「まちのトマル場」の庭にカラスが落としていったもの…!?
6:13の漁港から見た朝日