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2022.09.26

地域を舞台に学ぶ「未来講座HIMI学」と、学びを支えるコーディネーター

fws.staff
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ふるさとワーホリスタッフ

こんにちは!
ふるさとワーキングホリデースタッフの竹内です。

氷見に来てから1週間以上が経ちました。
東京とは違った氷見での暮らしを楽しんでいます。特に氷見はおいしいものばかりなので、ついつい食べ過ぎてしまっています。

 

さて、今回は氷見高校で行われている教育魅力化という取り組みについてご紹介していきたいと思います。

 

いきなりですが、今の氷見市の人口はどれくらいか皆さんわかりますか?

 

答えは約4万4000人。(2022年9月1日現在)
これって多いのか、少ないのか・・・  感じ方は人それぞれだと思います。

ただ7年前の氷見市には約5万人もいたそうです。ということは7年間で5000人以上、人口が10%以上も減ってしまったのです。氷見に住んでいる人は減っているのかなーって、なんとなくわかっているつもりでしたが、実際に滞在している町でこんなにも人が減っていると知ると少し寂しさを感じます。

人が減っているからか、廃校になった学校もいくつか見つけました。こちらの「氷見いきいき元気館」の遊び場も、もともとは小学校の体育館。

 

そんな氷見市ですが、一方で氷見の町を魅力的なものにしようとしたり、氷見以外の人が移住しやすくしたりといった取り組みもたくさんの方が行っています。

例えば、現在お世話になっている氷見市IJU応援センター「みらいエンジン」。氷見での滞在中は「みらいエンジン」の方と同じ事務所で活動させていただいていますが、遠くから氷見に来た方の案内をしたり、いろいろな相談を受けたりと、移住者が氷見で暮らしていくための支援をされているのを見ながら、将来氷見で暮らすのもありかな、なんて考えたりもしています。

そして氷見の町を魅力的なものにしていこうという取り組みのひとつが、氷見高校で行われている教育魅力化になります。他ではできない、氷見ならではの教育があれば確かに魅力的ですよね。自分自身が大学の教育学部に通っていることもあって、実は氷見に来る前からとても気になっていました。

富山県立氷見高等学校。丘の上にあるので通学する高校生は少し大変そうです。

 

また氷見高校は氷見市内唯一の高校になります。市内の中学生の約5割が進学する高校ということで、氷見への移住を考えている方にとっては、どのような教育を行っているのか、少し気になるところかと思います。

市内にあったもうひとつの高校、有磯高校。氷見高校との合併により、現在は氷見市役所として活用されています。

 

今回、幸いにも氷見高校にお邪魔させていただく機会があったので教育魅力化について取材をさせていただきました。

こちらの河原朱里さんにお話を伺いました。河原さんは地域おこし協力隊の教育魅力化コーディネーターという立場で、この取り組みに関わっておられます。

 

「未来講座HIMI学」

教育魅力化の取り組みとして主に行われているのは高校一年生を対象とした「未来講座HIMI学」(以下、「HIMI学」)という授業なんだそう。氷見高校独自の授業とのことなので、もちろんこれまでにこの授業名を聞いたことはありませんでした。

具体的な内容としては、地域の課題に対して自分たちで調べてみたり、フィールドワークで地域を観察してみたり、地域の方と協力したりしながら、解決を目指して実践的に取り組んでいく、というものになっています。簡単に言うと地域の課題を地域の人たちと一緒に解決していこう、ってことになるかと。

今年のテーマには、商店街を中心とする町の活性化や空き家の活用、移住定住推進の一環として行われる婚活などがあります。高校生たちは各テーマについて地域で実践している方や専門家と連携しながら、それぞれの課題解決に向けて取り組んでいます。


中央町商店街でのフィールドワークの様子。生徒はお店の方のお話を聞いたり、質問をしたりしています。

自分はまだ大学生ですが、実際に社会に出たときにはこんな力が必要なのかなーって考えたりしますね。国語や数学の勉強ももちろん大切です。ですが学校を卒業して社会で生きていくとなると、地域の課題の解決を目指して実践的に取り組んでいくHIMI学みたいな経験も必要だよねとも思います。

あとは高校生の時に国語の漢文や数学の微分積分の勉強に対して「なんでそんなことすんねん」なんて思っていた身からすると、この授業の方が100倍楽しそうです笑

冗談はさておき、お話を聞いていて特徴的だなと感じたのが「地域の方と協力したり」という部分。学校の授業の中で地域の方と一緒に何かするということを経験したことのある人はそう多くないのではないでしょうか。授業といえば先生と生徒との間でのやり取りというイメージが強いかと思いますし、実際自分の高校時代を振り返っても、授業に地域の方が関わることはありませんでした。

しかもHIMI学では年間を通じての長期間で地域の方と連携した学習を行います。自分たちの案に意見をもらったり、実践に移すような場をもらったり。学校の中にいるだけではできない、「リアルな氷見」を舞台とした学習を1年間かけてできるというのは生徒にとって大きな経験になるのでは。


朝日山公園から見た氷見の町。生徒たちはこの町全体で学んでいきます。

 

学校と地域とをつなぐコーディネーター

ここである疑問が浮かびました。
ただでさえ忙しい学校の先生がHIMI学もやるとなると大変だし、地域の方も協力してくれるかわからない。確かにHIMI学は魅力的ではあるものの、実際に行うとなると様々な困難があるはず。それなのになぜ氷見高校ではHIMI学の授業を行うことができているのか。

 

地域に出て、地域の人から学んでいく。魅力的な授業である一方で、そこには学校と地域とが連携することの難しさもありそうです。

 

そこで大きな役割を果たしているのが今回取材させていただいた河原さんになります。

先ほども述べましたが、河原さんは教育魅力化コーディネーターという立場の方。実際にどのようなことをされているのかについて聞いてみると、簡単には「学校と地域とをつなぐこと」だそう。

地域の方に声をかけて回ったり、地域でのフィールドワークに同行したり。実際に行われている地域の方との会議にもご一緒させていただきましたが、学校の先生が忙しい中でも河原さんが地域の方と積極的に連絡を取ったりしていることで地域の方も参加しやすいようになっていると感じました。

今年5月に行われた会。河原さんのお声掛けにより、なんと約30名もの地域の方が集まったそうです!

 

また「学校と地域をつなぐこと」以外にも、HIMI学の担当である先生をサポートしたり、行政とも連携したり、HIMI学で学んでいる生徒の相談に乗ったりと様々なことをされているそうで、「これ」という決まったことをやっていればいいわけではないそうです。

そもそも地域と連携した学習というのは最近になって注目されるようになったもので、どんな授業をやっていくか、どんなことをすればいいのか、始まった当初はそういった明確になっていないことも多かったそう。また氷見を舞台とした学びとなるので、もちろん他の地域での前例のない授業になります。

その部分については河原さんも「難しい」とおっしゃっていましたが、現在は地域の方も学校にうまく入り込んだ魅力的な授業となっていることは間違いなさそうです。河原さんの取材中の語りや授業中の振る舞いからは忙しいながらもどこか充実感の漂っているようにも感じられました。

HIMI学の舞台のひとつである中央町商店街。氷見の魅力化、商店街の活性化に取り組む本気の大人から生徒たちは学んでいます。

今回の記事では教育魅力化コーディネーターである河原朱里さんの取材から、氷見高校で行われているHIMI学の取り組みについて簡単にご紹介してきました。氷見の町を舞台に、氷見で生活する人の協力のもと学んでいくHIMI学とても魅力的に感じました。

次回の記事では、HIMI学に参加されている地域の方のお話を聞いていきます。HIMI学の中で重要な存在ではありますが、そもそも地域の方が学校の授業に入っていること自体、普通ではないんですよね。普段は学校との関わりがない中でなぜ参加したのか、HIMI学を通じてどのような生徒に育ってほしいのかなど、その想いをお伝えしていければと考えています。ぜひお楽しみに!

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氷見市IJU応援センター・みらいエンジン
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