氷見に暮らす私たちと、
氷見に移住するあなたが、
一緒につくる、まちの未来。
2023.12.19

移り住んだら、主役級

北條 巧磨
北條 巧磨
写真家

2019年夏の終わりに、『 移り住むこと。』と題した記事を初めて投稿させていただいた時から、4年と5ヶ月の月日が経ちました。
 

 
こうして当時の文章を改めて読み返すのは気恥ずかしいですね・・・。けれども稚拙な作文を辿っていけば、氷見暮らしを始めた頃の初々しい高揚感と感動の記憶が色鮮やかに蘇ってきます。5回目の冬を氷見で迎えるまでに、様々な出会いや生活環境の変化、喜怒哀楽を経験しましたが、当時の感覚と今の感覚は変わっていないようで安堵しています。
 
さて、今回の『 移り住んだら、主役級 』は、当時の自分に対するメッセージかつ前作『 移り住むこと。 』のアンサー的意味合いを持つ記事となります。
 
短くも濃密だった地域生活の中で得られた新たな視点と思考の集大成となりますので、どうぞ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
 
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『 移り住んだら、主役級 』
 
こちらのタイトルの原案は、私が写真やコピーなどの制作全般を担当させていただいた下の作品です。
 

 
グラフィックデザインは妻の姫野はるかが担当し、モデルは実際に氷見へ移住された浅井さんご家族にお願いしました。撮影場所は九殿浜展望台。青々とした新緑が映える初夏の日曜に撮影は行われました。
 
当作品は、移住フェアなどで掲示するためのタペストリーとして制作され、今年の夏以降のイベントでは下写真のように使用していただきました。A0サイズの実物は、デジタルデータ以上の存在感を放っていますので、もし機会がありましたらぜひ氷見市ブースへ足を運んでくださいね。
 

 
本来であれば、ひとつの制作物を介して伝えたい想いを届けるのが、クリエイターやデザイナーの役割ではありますが、今回は特別に「移り住んだら、主役級」というコピーを紐解いく中で、氷見暮らしの魅力をまとめてみようと思います。
 
すでにピンと来た方もおられるかもしれませんが、「主役級」という言葉には複数の意味が込められています。
 
1つ目は、写真からも感じていただける通り、こどもがまちにとって主役級の存在であるということ。市の子育てに関する具体的な政策や取り組みについては他の方の記事や他ページに譲りますが、「こどもが主役のまちで暮らしてみませんか?」というメッセージを表現しています。
 
2つ目は、皆さんもご存知かもしれませんが、「(移住すれば)主役級の暮らしが待っている」という意味を込めています。風景、食、祭り、歴史・文化・伝統など、日常にたくさんの発見が見え隠れしているまちは、日本中を探してもなかなか見つからないのではないでしょうか。
 
3つ目は、近年、移住者の方たちが地域を盛り上げている様子からも分かるように、氷見は一人ひとりが輝ける土壌が整っています。創業みたいな大きな挑戦も、日々の小さな挑戦も、幅広い文脈で自己実現が叶えられる風土が氷見の魅力だと思います。
 

 
でも、忘れていけないのは「 移り住んだら、主役 」ではないところ。たとえ移り住んだからといって、「主役」という役が用意されているわけではないのが、移り住むことの奥深さです。
 
毎日を生きるひとり、ひとりが集まって「主役級」という無限に広がる円が形作られるのであり、はたまた「主役級」を単なる点と捉えるかで、暮らしの幸福度は変化すると私は思います。
 

 
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誰しもが人生という物語を描きながら生きている。
 
TomorrowWorks.での活動を通して“ストーリーテリング”や“ナラティブ”の重要性を学びました。
 
誰かの物語と誰かの物語が交わって、共感が生まれることもあれば、反感が生まれることもある。物語の主役を生きることは幸せに暮らすための不可欠な設定と感じる一方で、時には誰かの物語を生きてみたり、自身の伏線やスピンオフを愉しんでみたりする気持ちの余白を持っていれば、物語により深みが増すような気がしています。
 

 
2023年も年の瀬。今年もこの世界から戦争は無くなりませんでしたね。社会は簡単には変わらないと理解した上で、私はもう1回、灰青の空に等身大の円を描いてみようと思います。新しいコンパスを握って。
 
それが『 移り住むこと。 』だと氷見で学ばさせてもらったから。

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