伝統の技を見て味わう!柿太水産「こんか開き」にいってきた!

こんにちは、みらいエンジン藤田です。
今冬の氷見は本当に過ごしやすい!
暖冬の影響で未だに雪かき知らずで、青空が見える日も多く、毎年こうだったら楽だなーと感じます(笑)
太平洋側生まれの私としては、やはりできることなら冬でも青空がいいところ……

と、そんな話はさておき。
みなさん、「こんか漬け」ってご存知ですか?
北陸伝統の発酵食品で寒の時期に水揚げされた魚をぬか漬けにしたもの。「こんか」=「ぬか」というわけです。富山・石川では「こんか漬け」、福井では「へしこ」と呼ばれます。後者の方が全国的には聞き馴染みがあるかもしれません。
今回は氷見で水産加工を営む柿太水産さんでその漬け込みの様子が見られる「こんか開き」というイベントがあると、6代目政希子さんからお誘いを受けて参加させていただくことにしました!
氷見に来て以来、何度も口にしたことのあるこんか漬けですが、それがどうやってつくられているのかまでは知らなかったため興味津津……さらにはこんか漬けを使った美味しい料理がいただけると聞けば期待が高まります!

柿太水産さんがあるのは氷見市北大町。
まちのタマル場からは上庄川を渡ってすぐの距離です。
上庄川は現在の漁港が整備される前、漁港として水揚げを行っていた川で、両岸には漁業や水運に関わる会社や倉庫が今でも多く存在しています。
柿太さんは創業100年あまり、この土地で氷見浜の魚を加工してきた老舗です。

お店の前には煮干しをモチーフにしたオブジェが飾られ、看板もスタイリッシュ。格好いいです。
会場となる加工場にお邪魔すると既に多くの人で賑わっていました。
テーブルに並べられた色とりどりの豪華な食事を楽しみながら思い思いに歓談しています。
この日のメニューはこちら。
どのメニューにもこんか漬けが使用され、伝統的な食の新しい可能性を表現しています。

私もさっそくいただいてみます……
まずはウェルカムドリンクならぬウェルカムスープとしていただいた出汁スープ。
柿太水産の煮干しで出汁をとり、ほんの少し醤油を加えただけのシンプルなものなのですが、それだけに出汁本来の旨味を感じ取ることができます。

そして今度はメインとなるこんか漬けによるメニューの数々へ。
旨味が凝縮されたこんか漬けはほんの一欠片でも口いっぱいにその味わいが広がります。
塩っ気が強いといえばそうなのですが、それが嫌な塩辛さではなく、甘みにも近い旨味のおかげでまろやかな舌触りなのです。
そんなこんか漬けはお酒のつまみちまちまやるのが抜群なのですが、今回用意されたメニューは目にも楽しい鮮やかな品々。

アンチョビの代わりにこんか漬けを使ったバーニャカウダは野菜にもパンにも相性ばっちり!

個人的に一番のお気に入りは焼き豆腐でした。
発酵食品同士のコラボレーションでこれまたシンプルながら美味しい!
お家で試したくなるレシピです。

ある程度食事を楽しんだところで、本来の目的である漬け込み作業の見学へ!
と、その前に……こんか漬けの作業工程をお勉強しておきましょう。
工場見学を多数受け入れている柿太水産さんには、ちょうどいいことにこんなパネルが用意されていました。

この日見られる作業は下の段にある本漬けの工程とのこと。
さあこれらの情報を頭に入れて現場を見学しましょう。

黙々と作業するみなさま。
慣れた手付きで作業する空間は不思議な神聖さを感じます。
漬け込んでいる魚はイワシ、ですのでこちらは「こんかイワシ」となります。
使われるイワシはもちろん氷見で水揚げされたもの。
魚の目利きは5代目の柿谷正成さんが担当されており、長年の経験からその日もっとも質のよい魚を仕入れてきます。
そうして仕入れた魚を塩漬けし寝かせたものがこちら。

本漬けの作業はこの状態からスタート。
まずは米ぬかをまぶしますが、柿太さんではこちらのぬかにもこだわりが。
県内で無農薬栽培されたお米のぬかを使っているんです!
最近では無農薬や有機にこだわりを持つ方も多くいらっしゃいますが、よく聞くのはお米そのものへのこだわり。
ぬかまで無農薬にこだわっているところに、食に対する真摯な姿勢を感じることができます。
ぬかをまぶしたイワシは、代々引き継がれる漬け込み樽に並べられていきます。

樽の形にそって隙間なく並べられていく様子が美しい……
なかなか見ることのできない貴重な光景です。
一層並べ終えると塩、唐辛子をまぶしてまたぬかを敷き……というのを繰り返し樽いっぱいに漬け込んでいきます。

というような作業をみていたわけですがその場ではわからないこともあり、作業場を出てからまたパネルを見に戻ると、そこにはちょうど正成さんが。
先程の作業の話や、これからどのくらい漬け込むのかなど質問してみると「ちょっとついてこられ」と隣の部屋に案内されました。
そこにあったのはまさに漬け込みがされている樽の数々!

それも通常よりもに熟成が進んだものだそう。
ブロックや石がいくつも積まれているのは発酵が進むと押し返す力が強くなるからだとか。
あまりにパワーが強くて、朝起きると積んだ石が辺りに転がっている、なんてこともあるというエピソードをきいて発酵の力の偉大さを思い知りました……
蓋の上に浮いている脂はその時間の成した結晶ともいうべきもの。
そんな結晶を「ちょっとなめてみられ」といっていただいたので、お言葉に甘えてペロリ。
とんでもなく濃厚な脂……活きの良いイワシたちの姿が目に浮かびます。

さらにさらに、驚きは続きます。
料理が並んだスペースに戻り歓談を楽しんでいると、お皿を片手に正成さんが戻ってきました。
お皿に乗っているのは寒ブリのお刺身!
寒ブリシーズンは終わりに近い時期でしたが手に入ったので、とお刺身にして振る舞ってくださいました!

「醤油ないけ?」と探したところ出てきたのが一升瓶の醤油だったのですが、それを豪快にお皿に注ぎ、さあどうぞとのお声をいただきいざ実食。
お味はもちろん絶品です!

トドメに現れたのはイワシのお味噌汁。
見てくださいこれ。

水滴を弾くほどのプリプリのイワシ。
シンプルなお味噌汁は出汁の味を十分に堪能でき、自家製味噌の味付けも絶妙。
イワシは口に入れるとほろほろと柔らかく、脂が乗ってこれまた絶品。
こんか漬けのスペシャルメニューの数々に加えてブリやお味噌汁までいただけるとは……きてよかった……

なんだか食べてばかりだったような気もしますが、貴重な職人さんたちの作業シーンも見られ、大満足な一日でした。
お土産にいただいたこんかイワシはちょいちょいとつまんだり、イベントで出てきたメニューを参考にアレンジしてみたりと楽しみながらいただきます。

こだわりが詰まっている仕事だからこそ、その裏側を知ることで、より一層美味しくいただけるようになります。
この記事をご覧になって気になった方は、まずはぜひ食べてみてください。
そしてハマってしまった方は、次のこんか開きを楽しみに待ちましょう!

改めまして柿太水産さん、お誘いいただきありがとうございました!

投稿者: 藤田智彦

1987年、千葉県柏市生まれ。明治大学で経済学を専攻するも本と音楽に溺れ、生き方や幸福について考える日々を過ごす。卒業後通信機器営業の職を経て、まちづくりの道に進むことを決意し氷見市地域おこし協力隊として2015年にIターン。協力隊の任期中は移住施策や中心市街地活性に携わり、商店街でのマルシェイベントなどを企画。任期を終えた2018年春より、引き続き氷見の魅力的なまちづくりを生業にするべくみらいエンジンに入所。

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