驚きの連続! 自然農の田植え体験レポート

こんにちは、スタッフの藤田です。
自然豊かな氷見市では春がくるなり田植えのシーズン!
彩りの寂しかった田んぼに水が満ちて可愛らしい稲苗が植えられていく様子を見るとなんだか楽しい気持ちになってきます。
 
さて、今回はそんな田植えのお話。
といっても普通に想像する田植えとはちょっと違います。今回ご紹介するのは「自然農」の田植えなんです。
みなさん、「自然農」ってご存知ですか?
なんとなく「農薬を使わないやつ?」「自然にやさしい農業?」というイメージは浮かぶものの、「自然栽培」や「有機農法」などとの違いは?と尋ねられると多くの方は即答できないのではないかなと思います。
私もそうでした。
漁業だけでなく農業も盛んな氷見の暮らしを紹介する身としてはこれは知っておかねば!ということで、自然農の田植えを体験させていただくことにしました!
それでは、田植えの現場を覗いてみましょう!
 


 

やってきたのは氷見市の上田という地区。
氷見インターから少し車を走らせた緑豊かな里山地域です。
「熊出没注意」の看板を横目に田んぼのある場所に到着です。
車を降りるなり声をかけてくださったのが今回の田植えの主催者でこちらの田んぼを管理されている泉誠さんです。
 


 

泉さんは本業として福祉の仕事をなさっているのですが、休みや空いた時間を利用してこちらの田んぼで自然農を実践していらっしゃいます。
売るほどの収穫はないけれど家族で食べる分くらいは安全で美味しいものを、という想いから休日や空いた時間を利用して畑の管理をしているそうです。
また、自然農を通じた安心安全な農業への関心、食物の大切さを感じてもらうために「むすびの会」という団体を立ち上げ、普及活動をなさっています。
今回の田植えもその一環。
参加者さんには小さなお子さん連れのご家族がいらしており、小さなころから自然のなかで食について触れる機会があるのも氷見の魅力のひとつだなと実感しました。
 


 

さて、それでは田植えを始めましょう!と自然農の田んぼをみてみると……あれ、水がない? それに雑草だらけ…
「雑草というのは人間の価値判断で、本当はひとつひとつの草に名前がある。雑草と虫を敵としないのが自然農」と泉さん。
なるほど、では水がないのも理由があるんですね!
 


その言葉通り、オタマジャクシや珍しい色のトンボなど、たくさんの生き物にも出会えました。
 

自然農では慣行農法のように水をひたひたに入れないのが特徴。とはいえ、今年は水不足でちょっと少なすぎなんやけどね」
自然のままだからこそ、天候に大きく左右されてしまうんですね…
「ただ水がある場合でも、夏時期には一度あえて水を干上がらせてやると根が水を欲しがって強く張るようになる。それで力を引き出してやることで風で倒れない強い稲に育つ」
なるほど……甘やかしてばかりでなくときには厳しくも大切なんですね!
 


 

また、植える苗を同じ圃場の一角で育てるのも特徴。
人間でも引っ越しすると環境に馴染むまでにストレスが発生するのと同じで、稲の苗にも移植は大きなストレスになるそう。だからできる限り同じ環境で育ててやることで負荷を少なくしてあげるんだそうです。
 
そんなお話をきいて、いざ田植えスタート!
自然農の田植えはまずは植える部分の草刈りから。
杭を両側に打って、その杭に渡したロープで均等に植えられるように目印とします。これは慣行農法では「転枠(ころがしわく)」でやっているのと同じことですね。
雑草を敵としないといえど、さすがに植える部分の草は刈ってあげないと、植えたばかりの弱い苗が育ちにくいとのこと。
 


 

雑草さんごめんなさいという気持ちを込めつつ草を刈ります。
このとき、土をえぐるように刈っていくと周りの溝から水が流れ込んできて一石二鳥。水が少ないからこそ工夫でカバーです。
断腸の思いで刈った雑草たちは植えた周りに積んでおきます。こうすることで日差しから田んぼ守れてこれまた一石二鳥。彼らの犠牲も無駄にはなりません。
 


 

草を刈り終えたらロープの目印通りに木の棒で植える箇所に穴を開け、苗を植えていきます。
ここでようやくキッズたちの出番!
草刈りは鎌が危ないということで見ているだけだったお子さんたちですが、みんな楽しそうに田植えをしていました。
 


 

ええ、楽しそうに作業していました。
最初のうちは……
 


 

しばらくすると、彼女たちは飽きてしまいテントに戻ってお絵かきをはじめました。
ここから先は大人の仕事。
私と参加していたパパさん・ママさんとで黙々と作業を続けます……
 
単調な作業は嫌いではありませんが、さすがに黙々と作業を続けるにも限界があり、自然とお隣さんとおしゃべりしながらの作業となります。
すると、参加していたパパさんが私の出身地・柏にしばらく住んでいたということが判明。しかも私の実家から徒歩10分の距離に住んでいたとか! なんという偶然。一気に親しみが湧き会話も盛り上がります。
そして高岡からきたというママさんは「私陶芸をやっていて今度氷見のマルシェに出店するんですよ」とのこと。このマルシェは私の住んでいる商店街で開催されるものですので、またお会いできそうです。これまた会話に花が咲きます。
作業を通じて交流が生まれる……なんとも素敵な時間でした。
 
そうこうしているうちに、あっという間にお昼の時間。
みなさんお弁当持参でランチタイムとなりますが、私は都合によりここでお暇することに……
午前中日焼けしながら必死に作業した成果がこちら!
 


 

どうでしょう…どうなんでしょう? この量?
泉さんに聞いてみました。これって収穫したらどのくらいの量になるんですか?
「そうやね。だいたいこれが育って5キロほどかな」
お、意外とたくさん!
「慣れた人が一日やると一区画植えてそれが20キロ分。5日作業したら家族が1年食べていけるくらいの計算やね」
なるほど、そう考えると自休自足も夢じゃないと思えてきますね。
昔の人はみんな自分たちが食べる米を自分たちでつくっていたわけですし。
 
全国的に高齢化が進み、耕作放棄地が増加の一途をたどっているのは氷見でも例外ではありません。
実際泉さんの田んぼも使われなくなったところを使わせてもらっているものだとか。
自休自足の目的以外にも、そうした土地を再生利用していくことは地域課題の解決にもつながる意義ある取り組みです。
いきなり「農業をはじめよう」「農地を取得しよう」と考えるとそう簡単ではありませんが、泉さんのような実践者から学び、アドバイスをいただくことで1からはじめてみるのありかもしれませんね。
 
それにしても、植えたお米が無事収穫されるのが楽しみです!
たいしたお手伝いもできませんでしたが収穫された暁には是非いただいてみたい……!
稲刈り体験のイベント開催に今から期待です!!

投稿者: 藤田智彦

1987年、千葉県柏市生まれ。明治大学で経済学を専攻するも本と音楽に溺れ、生き方や幸福について考える日々を過ごす。卒業後通信機器営業の職を経て、まちづくりの道に進むことを決意し氷見市地域おこし協力隊として2015年にIターン。協力隊の任期中は移住施策や中心市街地活性に携わり、商店街でのマルシェイベントなどを企画。任期を終えた2018年春より、引き続き氷見の魅力的なまちづくりを生業にするべくみらいエンジンに入所。

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