オーガニックな里山づくり、土づくりから考える農業

 

氷見は、知る人ぞ知る、有機の里づくりのメッカなのです。

 

有機農法という捉え方には、色々と幅があります。お米や野菜をつくる方の考え方や技術レベルによっても違いますし、絶対的な基準もありません。
環境負荷が少なく、カラダにも優しい、自然循環に配慮した、オーガニックな思想のこと全般と捉えて良いのではないかと思います。
ただ、農産物や農産加工品として流通するときには「有機JAS」という規格により認定されています。

 

こちらは、自然栽培でサツマイモを育てている農家さんの畑です。昨年から今年にかけて、こういった現場で、風と土のことについての研修会を行いました。
自然栽培は、農薬を使わないのはもちろんのこと、肥料は、有機肥料さえも使わず、土の力だけで育てる農法です。ここの農家さんは、野菜などを育てるときに盛り土する「畝」というものを、普通よりも高くつくり、水はけと空気の通りをよくする工夫をしています。この考えかたについて、この日は、山梨から来た講師の矢野先生に理論と実践についてレクチャーしてもらいました。

 

 

ポイントは水はけ!とのこと。雨が降って、畑に水たまりができているようでは、健康な作物は育たない。だから、水が地表から逃げていくための縦穴や溝を掘る、というのが先生の基本的な発想です。水はけの違う場所では、作物の出来も違う、ということを比較している写真です。

 

「森は海の恋人」という言葉をご存知でしょうか?
これは、豊かな海を育むためには、海の栄養となる森が豊かでなければならないという考え方を表現した有名な言葉です。似たような発想を、この講習で教わりましたが、矢野先生は、海水と山の地表に伝う水は、毛細血管のような水脈でつながっているという話をされていました。そして、ちょうどストローに例えて、一方の口が詰まっていれば、どんなに水を流し込んでも先へは流れていかない、という話をしてくださいました。

 

そうです、畑に穴をあけて、水はけを良くするという発想は、そこからきているのですね。とても勉強になる講習会でした。

 

 

講習をしている最中、ふと、道路の向こうにある、こんもりとした山が目につきました。山は、人間の手を借りなくても、自然の力で草木を元気に茂らせている。これって、どういう理屈なの?という言葉が頭をよぎりました。山の桜、山の木の実、山のぶどう、どれも農薬や肥料を必要としていません。なぜ、人間は、必死になって、畑を耕し、肥料を撒いて、作物を育てないといけないのか・・・。皆さん、どう思われますか?

 

氷見では、こういった奥の深い、自然と農業の話をするコミュニティーが存在しています。ひっそりと、地に足をつけ、着実に有機の里をつくっていこうというグループが活動をしています。平野部ではなく、あえて、こうした里山で農業をやっている人たちがおります。興味のある方がいましたら、ご連絡ください。一緒に里山を回ってみましょう。そして、農家の方の哲学にふれてください。

投稿者: 明石博之

場づくり・まちづくりコーディネーター。広島県因島市(現尾道市)生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。大学を卒業後、株式会社地域交流センター企画に入社。東京を拠点に、全国各地のまちづくりプロジェクトのコーディネーションを行う。2009年に同社の代表取締役に就任。2010年に妻の故郷である富山県へ移住した以降は、まちづくりの主体者として、場づくりから、まちの価値を創造するプロジェクトを展開している。古民家のオーガニックカフェ、uchikawa六角堂のオーナー。

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