里山でも何処でも、遊びの最たるは、自分でやってみること

居間・板張り完成

氷見の里山、久目地区(触坂)より、こんにちは。

谷あいの集落での暮らしぶりを、ということで、前回は、拙宅居間の「板間への更新作業・下地づくり」をお届けしましたが、今回は、その仕上げとなる「床板張り」について。

上の写真は、居間の整備が完成した図です。セイタカアワダチソウが吊るしてありますが、気にしないでください。湯にでも入れようと思って乾かしていました(笑)。

床板材を準備

さて、根太(床板を支えるための横木のこと)を通し、その間に断熱用の籾殻くん炭を敷き詰め終わったので、いよいよ、次は床板を張っていく作業に入ります。

さね加工が施され、厚さもぴしっと整えられた床板は高価なので、今回は、久目地区の先輩移住者・サントスさんに材を分けてもらいました。それだけでなく、作業全般にわたって、様々、サポートしてもらいました。色んなことを教わりました。こうした先輩が居てくれるというのは、何より心強いことです。サントスさん、多謝。

作業場は庭先

庭先が作業所です。

サントスさんとウーファーさん

サントスさんの元に来ていたウーファーさん(農やオーガニックライフを体験して回る旅人さん)にも手伝ってもらいました。

丸ノコ

まず、材の端を、サイズに合わせて切っていきます。

板を並べる

材のサイズ切りがある程度できたら、今度は居間に移動し、試みに板を並べてみます。

板材20mm

材の厚さは、大体20mm。でも、ちょっと誤差あり。歪みもあり。サイズ切りをしても、ぴしっとははまりません。

鉋がけ

ということで、板を一枚一枚、整えていきます。長さもそうですが、表面も。鉋(かんな)をざっとかけ、板表のケバを削いでいきます。そのあとは、電動サンダーでさらに滑らかに。

ヤスリ済みの材

やすると、ぐっと綺麗になります。

材の端を微調整

さらに、微調整。

誤差は叩く

わずかな誤差は、叩けば収まる。そんなことも学びました。

板材整列

で、なんとなく収まりました。

ビス打ち

こんな具合に、できるだけ、がたぴしを無くすよう努めました。さね加工が施された床板ではないので、上からぎゅんとビス打ち。

インパクトなど

そして、一部、床板の下が見える窓を作ろう、と。というのも、せっかく床下に断熱用くん炭を敷き詰めたものですから、遊びに来てくれた朋らに見てもらえたらな、なんて。

インパクトで床材に穴を開け、その穴から挽廻し鋸を差し込んで、アクリル板を入れるフレームで切り取り、細かいところはノミを使って加工するといった寸法です。

板に窓枠加工1

こんな感じで、フレームをくり抜いて。

板に窓枠加工2

ノミで地道にコンコンと削っていき、アクリル板を載せる加工も完了。

アクリル板

そして、いざアクリル板を入れようという段になって、こはいかに。夏場、外にアクリル板を放置していたら、熱で曲がっちゃいました。やむなし。もう一枚、購入です。曲がったアクリル板の活用方法も考えなくっちゃ。

アクリル板破損1

実は、それ以外にも、アクリル板まわりで失敗しておりました。窓のサイズに加工しようと思って、卓上丸ノコで裁断を試みたら、ばぎゃぎゃぎゃという破裂音と共に、切断面が一部破砕。あいや。そりゃそうか。

アクリル板破損2

写真のカッターでもうまく切れず、やはり、アクリルカッターでないと、うまく裁断できないことがわかりました。この世に、なぜアクリルカッターというものが存在するのか─。小生、この歳にして、そのことの意味が、漸く腑に落ちました。

窓枠間完了

さあ、いよいよ、アクリル板をはめて、ビス打ち。そんな段になっても、もうひとつ些細なミステイク。普通のコーススレッドで打ったら、めきゃっとヒビが入っちゃったんです(右上に若干の亀裂あり)。かなし。やっぱり、スリムビスでないと割れが入るんですね。やること為すこと、初体験。愉快です。

蜜蝋ワックス1

さて、板も張り終わった。窓も付け遂せた。ということで、次はミツロウワックスを塗っていきます。

蜜蝋ワックス2

塗って、乾拭きして、の繰り返し。木目が強調されて、良い具合です。

蜜蝋ワックス3

全部塗ってみると、こんなに木目があったかしらんと驚きます。

戸袋ベンガラ

居間の戸袋。その天辺のベンガラが剥がれていたので、これにも手を加えることにしました。

戸袋蜜蝋ワックス

サンダーでベンガラを剥がし、その後、一つ覚えのミツロウワックス。綺麗になりました。

絨毯や家具

絨毯も調達して、電子ピアノ、譜面台なども置いてみました。まあ、何となくです。

床の間

床の間もそれっぽく。掛け軸も花瓶も、頂き物です。

これにて、拙宅の居間も、ようよう、人が息を吸える空間になってきました。この居間を皮切りに、1階の各部屋、2階へと整備の触手を伸ばしていきたいと思っています。

その手始めに、どういった心の動きからか、障子をカラフルにしてみようと思い立ち、最近、坊主部屋の破れた障子の張り替えをしてみました。

坊主部屋と云うのは、法事などで家に招いた坊さまに、ゆるりと待機してもらうため”だけ”に設えられた小さな一室のことで、富山のむかし造りの家でよく見られます(他の県でもあるのかしらん?)。

違い棚なんかもあったりして、そこは、なかなかに凝った造作であることが多いようです。そんな瀟洒な空間に、カラー障子。狙いすぎの感が否めませんが、まあ良いのです。

障子リメイク1

障子紙のカットは、チキチキと刃が出るカッターよりも、丸刃カッターの方が断然にやりやすかったです。

障子リメイク2

新しく貼った白い障子紙の、一部フレームを切り抜いていきます。

障子リメイク3

で、五箇山のカラフル和紙を用いて、こんな感じに悪戯を施してみたというわけです。地域の先輩からは、「モン ドリ アーン(エイドリアン的な発声にて)」という評をいただきました。抽象画家のピエト・モンドリアンっぽいということで。

小生のイメージは、「乱歩の小説に出てきそうな古い木造の下宿屋二階、その廊下先にある色硝子」だったのですが。まあ、似たようなものですかね。

障子リメイク4

外から見ると、必要以上にファンシーな印象で、些かくすぐったさを覚えます。これも、やむなし。

さて、こちょこちょと家の整備を進めてはいるのですが、里山暮らしもなかなかに忙しいもので(なにせ、生活それ自体が、仕事であり、遊びであるのだから)、正直、行き届かないところも多いです。

それでも、徒らに心を急かすことなく、着実に自らの手足を動かして前に進んでいこうと、そんな心算でおります。自分でやってみることこそ、最高の遊び、最高の贅沢です。

そして、拙宅の環境整備がひと段落した暁には(ひと段落する前でも良いのだけれど)、

─愛すべき朋だちを招待し、一緒に鍋など突きたい。

─そして、文学やら音楽やら、なんだったら、政治や哲学のような込み入った話やらも、面白おかしく交わしたい。管を巻きたい。夢を見たい。

─1階スペースをこれから頑張って片付けるので、訪ねて来て呉れた朋だちに泊まって貰いたい。帰ると云っても、強引に引き止めて一宿二宿させたい。

─そこから、継続的で楽しい何らかを企てたい。

民泊なんぞもやるかも知れません。でも、現状、力も知恵も足りません。皆さん、様々、アドバイスやアイデアなど、頂戴。会いたい朋らが、たくさんおります。

自分でやってみるのも最高だけれど、みんなでやってみるのは、きっともっとおもしろかろ。

 

よたろ、拝。

おお朋だちよ─、今こそ氷見の里山で、農民に、百姓になろう

富山県の氷見市と云うと、魚食文化の街といった印象が強かろうと思いますが、市の面積の大半は山林地です。低い山の谷あいに集落が形成されていて、その中のひとつに久目地区・触坂があります。

触坂地区は、さらに「側(がわ)」と呼ばれる小単位に分けられていて、小生が移住したのは清水側。普通に「しみずがわ」と云っても通じますが、在郷の人らは「しょいで」と発音することもあり、県外出身者の小生の耳を、小気味よくざわつかせてくれます。

2018年の夏。そのような集落に、里山暮らしの先輩方が居ることを恃みとして、妻とふたりでぽんと移り住んできた小生ではありますが…、引っ越し先の家が、なんとも大きいのです(氷見の人の感覚で云うと、特段、大きな家には当たらないのかもしれませんが)。

いざ、この大きな家を前にしてみると、さてまあ、何から手を付けたらよいのやらと、しばし途方に暮れました。

都市部に仮寓していたころは狭いアパート暮らしが長かったもので、氷見の山間部にある家々(街中にある家もだけれど)は、小生にとっては如何にも巨大に映ります。物理的にボリュームがあるということは何と云ってもひとつの価値なのだ、むべなるかな、と、ひとり得心してしまうほどに。

触坂の夜空

ちなみに、晴れの日の夜には、こんな具合で満天の星空を愉しむことができます。こういった空の広さにも、物理的なボリュームの価値を感じます。いやあ、巨きいなあ、と。

夏野菜の畝

庭もあります。そこには、簡単な菜園スペースを設けました。

夏野菜の収穫

ガレガレの土で、環境を整えるに少しく苦労しましたが、何とか収穫まで漕ぎ着けました。いずれその話をする機会もありましょうか。ともあれ、今回は家の中のお話を。

居間の畳剥がし

移住1年目の夏の終わり、ふと、居間でも改めてみんと思い立ちました。畳を板間にし、砂壁を白漆喰の壁にしようという企てです。

白漆喰

元の壁は砂壁で、暗い黄土色をしていました。触るとほろほろと砂つぶが落剥する、アレです。その壁を、白漆喰で塗り直そうと云うわけです。

下地が滲んで失敗

ところが、小生の人生の中で、壁塗りに時間を割くなんてのは、初めてのこと。というか、いわゆるDIY的なことなんて、殆ど経験がありませんでした。経験のなさは、時として、頓珍漢な蛮行を誘発するものなのですね。

無分別にも、下地の砂を落とさずに塗り始めてしまったのです(今思えば、無分別、無思慮にも程がある。我ながら、呵々と大笑するばかりです)。結果、白漆喰が固まった後から、じんわりと下地の黄色が出てきてしまいました。

これは、しっかりと、下地の砂を落とさなければいけん。ということで、スクレーパー(ヘラのようなもんです)で、敢然、砂剥がしにかかります。霧吹きで砂壁に水分を含ませてやると、ぺりりっと簡単に剥がせます。快感。

はじめから、この作業をしておくべきでした。阿呆だなあ、小生。とはいえ、自嘲はよくない。そんなとき、自身を優しく慰める言葉は…、

日む無し

日む無し。あ、間違えた。

田む無し

田む無し。あ、また間違えた。

已む無し

そうそう、已む無し(やむなし)。

失敗しても、「已む無し」と呟けば、大概のことはどうでもよくなります。人類がみな、窮屈な拘泥をポイできますように、なんて。

下地剥がし

遊んだあとは、もちろん、ちゃんとお片づけをいたします。

助っ人の漆喰塗り

仲間たちも遊びにきてくれました。びしゃんびしゃん、ジャッジャッと、勢い良いコテさばきが、大変に潔い。

床の間の漆喰塗り

この床の間の壁も、助っ人の方に塗ってもらったものです。実に丁寧に塗ってもらいました。平らの壁面が光をよく跳ね返し、部屋が明るくなった心地がします。

根太

そんなこんなで、何とか壁の漆喰塗りを終え、次は板張り作業です。まずは、下板の上に新聞紙を敷き(下板と下板の隙間を物理的に埋めるため)、その上に根太(床板を支えるための横木のこと)を通していきます。

そして、冬場の寒さ対策として、根太の間に断熱材を忍ばせておきたいな、しかし、金はかけたくないな。ということで、籾殻くん炭を自作することにしました。

くん炭づくり1

まず、「籾殻」をロハで確保。あとは、「ステンレス くん炭器」と、密閉できる「ドラム缶」を用意して、準備完了です。

くん炭づくり2

くん炭器の中で火を焚いて、周りに籾殻を重ねていきます。

くん炭づくり3

じわじわと、籾殻に熱が回ってきて、黒く炭化していきます。籾殻の一粒一粒が熱をリレーしていくようで、眺めていて実におもしろい。夏場にやると、熱くてかないませんけれど。

くん炭づくり4

灰にならないように気をつけながら、適宜かき混ぜていき、全体が黒くなったら完成です。

くん炭づくり5

そして、出来上がったくん炭を冷ますため、R2-D2みたいなドラム缶へ投入。蓋をして、密閉します。空気を遮断して、燃焼をストップさせるためですね。畑に撒くためのくん炭であれば、ばーっと水をかけて消火すればよいのですが、今回のくん炭は断熱材用だったので、水をかけるわけにもいかなかったという次第です。

出来上がったくん炭

その後、2、3日ほど冷まして、オープン。少しばかり生なものが混ざっていますが、概ね佳しとしました。

実は、くん炭器がない状態で(段ボールで代替しようとしていました)、挑戦しては灰にして、を繰り返していたもので…、兎に角も、無事に出来たので、ほっと肩をなで下ろしました。

根太の間にくん炭1

そうして、自作したくん炭を、根太と根太の間に敷き詰めていきます。

根太の間にくん炭2

こんな感じで、びしーっと、隙間なく。作業していると、もうもうと炭が舞うので、鼻の中が黒ずみます。

根太の間にくん炭3

さて、これにて、板間への更新作業も、いよいよ終盤。この後、床板を張っていくことになります。その話は、また次回にでも。

ご覧の通り、歩みは遅々たり。それでも、氷見の里山にて、手探りや手違いを笑い飛ばしながら、「姓(かばね=仕事=出来ること)」を、一つひとつ増やしていきたいなと思っています。

そうして、賢治の云う「農民」に、生きることのあらゆる仕事ができる「百姓」に、いつかなりたい。

そんな風に、思います。それでは、朋だちのみなさん(まだ見ぬ方々も含めて)、氷見の里山にて、いつかお会いしましょう。

 

ようたろ、頓首。

ひみくらしトークvol.6「鵜飼 ひろ子さん / 伊東 翼さん」

2017年12月20日(火)19時から、「氷見市まちづくりバンク(※)」さん主催の「ひみくらしトーク」が行なわれます。

 

氷見市にUIターンした方をゲストスピーカーとして迎え、氷見での暮らしの様子や、その楽しさ・ワクワク感などを、みんなでわいわい共有する座談会「ひみくらしトーク」も、今回でもう6回目です。

 

氷見市にUIターン者から見た氷見の暮らしについて興味がある、ゲストスピーカーさんたちとお話ししてみたい、などという方は、ぜひ当日、「氷見市まちづくりバンク(※)」へ足をお運びください!

 

イベントへのご参加は、Facebookイベントページ「ひみくらしトークvol.6」よりお申込みできます。

 

※「氷見市まちづくりバンク」とは、氷見の商店街にある空き店舗がリノベーションによって再生された、まちづくりの活動の場。ガラス張りのオープンな空間なので、気軽に訪ねてみたくなるスポットです。

 

【以下、元ページ記載のイベント説明文です】

 

氷見市の何気ない日常の暮らしを氷見市のみなさんや氷見に住んで間もないみなさん、氷見に興味のあるみなさんと一緒に楽しく発信するつながりの場です。

 

今回、「ひみくらしトーク」第6回目は氷見市のUターン、Iターンの御二人をゲストに移住前での活動や現在の活動を語っていただくのはもちろんのこと、お住まいの地域「地蔵町・論田」のとっておきの写真を10枚撮っていただき、ゲストお二人の独自の観点からお話頂きます。1人目はヨガインストラクターの「鵜飼 ひろ子」さん、2人目は氷見市役所職員の「伊東 翼」さんです。
お気軽に御参加下さい。

 

ゲストスピーカー:

■鵜飼 ひろ子さん ー 富山県氷見市出身。
京都造形芸術大学卒業。
2007年に関西で呼吸法のコースに出会う。
仕事のストレスで口が開かなくなった旦那さんに呼吸法のコース勧め受講したところ、とてもよい変化が。
2009年3月、氷見にUターン。
富山県で呼吸法を広めたい。呼吸法・ヨガ・瞑想で心身のストレスを取り除き健康に、そしてたくさんの人たちの笑顔が見たいという思いでインドに本部を置く国際NGOアートオブリビングのインターナショナル認定講師として子育てをしながら活動中。

 

■伊東 翼さん ー 東京都出身。
大学卒業後、東京の会社に就職し、大阪への転勤を経てから氷見に来てもうすぐ5年。今年の夏に氷見の山奥で古い家を購入し、移住者仲間や地元の人達に助けてもらいながらリフォームを進めている。

 

日時:12月20日(火)19:00〜
場所:氷見市まちづくりバンク
定員:20名 程度
参加費:無料