人のご縁が無尽に繋がる場所-ハナマチ・ロマンティスク後編-

みらいエンジンスタッフの岸本です。

今回は7月4日(日)に市内で開催されたハナマチ・ロマンティスクの様子をお届けします!

こちらは、氷見の遊郭跡をリノベーションした建物「無尽蔵」で開かれた和がテーマのイベント。
三味線体験や花魁撮影会、和装で来場なら入場料無料。

前編では、氷見のまちを盛り上げたい!という主催者さんの想いや、無尽蔵という言葉の通り、人と人の縁が繋がっていく場所になって欲しいという社長の想いを聞かせていただきました。
(前編はこちら→『人と人が繋がってイベントを作り上げる!-ハナマチ・ロマンティスク前編-』)

どんなイベントに仕上がって、そしてどんな風に人の繋がりや縁が広がっていくのか、とても楽しみです!

当日は朝から雨模様。
降ったりやんだりの小雨の中、会場に到着すると、

たくさんの人で賑わっていました。

和装の方もたくさん。

七夕飾りと浴衣。合いますね。
一気に夏が実感として押し寄せてきました。

検温と消毒をして中へ入ると、会場の中も賑やか。

浴衣レンタルのブース。

和装に合わせた小物やアクセサリーも販売もあって、和装した時にいつもとは違うアクセサリーも楽しみたくなる気持ちをつついてきますね……!

2階へ上がると、氷見の大火の貴重な動画を上映していました。

氷見生まれ氷見育ち筆者、これを見るのは初めてで仕事を忘れて見入ってしまいます。

特にこの一枚。

筆者の家には大きな蔵があって、母や祖母から「氷見の大火の時、この蔵は残ったんだよ」と聞いていました。
この写真の右側に映っているのもおそらくどこかの家の蔵だと思います。
実際の映像を見ると胸にこみ上げるものがありました。
町に歴史あり。大切に守っていかなければ、と静かに思いました。

2階奥の広間へ進むと、明治、大正、昭和時代の着物が展示されていました。

長い年月が経っても色あせや型崩れすることもなく、昔の針仕事の丁寧さが伺い知れますね。

さらにその奥では三味線体験が行われていました。

講師の先生がすごく優しく分かりやすく弾き方を説明しているのが印象的でした。
難しそうと先入観を持っていましたが、実際に見てみて反省しました。
三味線なんて教えてもらえる機会も触れる機会も滅多にないので、挑戦してみればよかったなと。

さて、そうこうしている内に、花魁撮影会の時間になりました。

閉めきられたこの扉。

開けると、豪華絢爛な花魁の姿が!

他の参加者さんの邪魔にならないように後ろの方でシャッターを押していたら、どうぞ前へと。みなさん優しい……!
お言葉に甘えて、最前列で撮らせていただきました。

今回、花魁を務めたこちらの美女は氷見市出身のモデル、島絵理菜さん。
そして、小道具や撮影機材は富山市の撮影スタジオ「スタジオ音妓 」さんが協力。

立ち姿、座り姿に合わせて着物を微調整したり、小物や小道具を用意したり、花魁ぽく見えるポーズや仕草を演出していて素晴らしいスタッフさん達、そしてそれに応えてすぐに花魁を演じる素晴らしいモデルさんだと感じました。

取材の為に特別参加させていただいた身でありながら、撮影会が楽しすぎて途中から完全に仕事を忘れていましたね……

撮影の合間に、他の参加者の方々と少し話しました。
みなさん、島さんのファンで新潟から撮影会の為に駆け付けたそうです。
この撮影会で島さんとファンの方々の絆や思い出がまた一つ増えたのではないでしょうか。
筆者もアイドルオタクをしているので良く分かりますが、こんな風に、推しと自分に共通の思い出が増えていく事がすごく嬉しいんですよね。
前編のインタビューで社長が言っていたように、この場所が人と人の縁が尽きる事なく繋がっていく場所になっていると感じました。

撮影会を終えて、花魁が二階の窓に姿を現すと、嬉しいサプライズに会場は大盛り上がり。

イベントのキャッチフレーズ通り、まさに氷見の遊郭にタイムスリップしたような。
そんな気持ちに浸れました。

イベントも終了時間に近づいてお客さんも少なくなってきたころ、主催の菊地さんと少しお話しさせていただきました。

「楽しんで貰えたなら何よりです」と菊地さんも笑顔。
えぇ、仕事で来たのを忘れるくらいには大いに楽しませていただきました。

帰り道、筆者の前をすぐ歩いていた浴衣姿の女の子たちが「楽しかったね!」と笑顔で話しているのが聞こえてきました。
職業的に県境を跨いだ移動が難しく、今年は夏のイベントや遊びに出かけるのを諦めていたそうで、思いがけず地元で夏のイベントを楽しめただけでなく、「誘ってくれてありがとう」「一緒に行けて良かった」と言葉をかけあっていて、ここでも人の縁そして絆が深さを増しているのだなと感じました。
思わず、無尽蔵の社長が「この場所を作って良かった!」と話していた時の笑顔を思い出しちゃいましたよ。

氷見には、地元民や移住者問わず、この町を盛り上げたい、良くしたい、色んな人と繋がっていきたいという方々がまだまだたくさんいます。
色んな方々の想いが連鎖反応のように広がって、ご縁は尽きる事なく溢れていくと確信しました。

またこういったイベントが決まった際にはこちらでお知らせしていきます。
機会があれば、ぜひ氷見の温かくさと優しさのある熱意に触れに来てみてはいかがでしょうか。

人と人が繋がってイベントを作り上げる!-ハナマチ・ロマンティスク前編-

みらいエンジンスタッフの岸本です。

長引くコロナ禍で地域のお祭りやイベントは開催の判断に踏み切れない状態が続いていますが、そんな中、「氷見のまちを元気にしたい!」と立ち上がったイベントがあります。
それがこちら。「ハナマチ・ロマンティスク」。

氷見の遊郭にタイムスリップ、和体験……
普段聞きなれないワードにワクワクしますね。

氷見に遊郭があった時代に妓楼(遊女屋)だった屋敷をリニューアルしたのが、今回メイン会場となる「無尽蔵」(むじんぞう)。
さらに周辺のお店と協力し合い、氷見の町なかを様々な和体験をしながら歩き回って貰おうというイベントです。

今回、このイベント「ハナマチ・ロマンティスク」を取材させていただくにあたり、準備段階から当日の様子までを前編・後編に分けてお伝えしていきます!
地元の方たちの熱や、氷見を楽しく盛り上げたいという気持ちを知って貰えたらと思います!

こちらがメイン会場となるイベントスペース「無尽蔵」。

一歩中に入ると、外観からの期待を裏切らない和の空間が広がっています。

どこで撮っても全方位映えそうな空間です。

準備会の打ち合わせがあると聞いて駆け付けたこの日。
他のスタッフの方々より一足先に到着して、今回のイベントの主催者、菊地さんにインタビューさせていただきました。

―今回のイベントの開催に至った経緯を教えてください

「氷見市では毎年5月5日に中央町の潮風ギャラリーを中心とした藤子不二雄Aまんが祭りが行われていて、僕は毎回スタッフをしていたんです。でも感染症拡大の影響でイベントができなくなったばかりでなく、今まで一緒にやっていたスタッフ仲間達とも疎遠になっていったんです。なにかイベントないかなって思いながら何の動きも無いまま一年が経過して……自分でやらないと!と決心して立ち上がりました。この無尽蔵のオーナーとは昔からお世話になっている仲で、ここで何か面白いベントが出来ないかと相談して、使わせてもらうことになりました。早速、一緒にイベントを作ってくれる仲間と無尽蔵に集まりました。何も決まっていない白紙の状態からワークショップみたいに、ここでどんなイベントをしたらいいか意見を出し合って、グループごとに発表して。それを纏めて僕がいったん持ち帰り、候補の中から考えました。せっかくの元遊郭という建物なので、和の体験というところを軸に、日本舞踊、三味線、琴の体験などの企画書を作ってみんなに見てもらって。他にも生け花、お茶、琴……やりたいことがたくさん出てきて、この無尽蔵だけでは収まりきらなくなったので、近くの茶道館を使わせてもらう事にしたり、利き酒体験の企画では、自分たちで日本酒を仕入れたり揃えたりするよりも、すぐ近くにある日本酒バーの池森さんに協力し合う方がいいんじゃないかという案が出て、おかみさんに声をかけさせてもらいました」

―近隣にそれだけのお店や場所が揃っていたのも凄いです

「やりたい事とそれを叶えられる場所が揃っていた上に、声をかけたらみなさん喜んで協力してくれたんです。これでもまだボツになったアイディアがたくさんあるんです」

まさに、みんなで作り上げていくお祭りですね。
菊地さんのこれまでのご縁や人脈があったからこそ、二つ返事で色んな方の協力を得られたのだと思います。
菊地さんにお話を伺っている内に、準備会の方々が揃って打ち合わせ開始となりました。

この日は6月下旬でイベント開催当日まであと1週間のタイミング。
進捗報告と、前日や当日の細かい動きなどを話し合い調整していきます。
体温計や通行禁止の立て札の手配から屋台で出すものの値段まで、「いくつ用意する?」「どこかから借りられるか?」の話が出るとすぐに「○○さんのところにあるから借りられるよ」「以前使った時はこうだった」「味の良い仕入れ先を知っている」と、経験を元にした声がどんどん飛び交います。

準備会の方々はみなさんこれまで氷見の商店街、祭り、イベントを支えてきた方たち。
長くこの地域でお祭りなどに関わってきた人達だからこその経験と頼りがいがあり、こういう時はこうした方がいい、こうした方がお客さんとのやりとりがスムーズになる、などの声もどんどん出てきます。

縁日やお祭りが目の前で出来上がっていくのを見ている感覚で、菊地さんが「案がたくさん出てここだけでは収まりきらなくなった」「ボツにした案もたくさんある」と言った意味が分かりました。
みなさんそれだけ、地域を盛り上げたい、楽しい祭りを作りたいという想いがあるのですね。

打ち合わせが終わった後、無尽蔵のオーナーの山田社長に館内を案内していただきました。

山田さんは氷見市で観光バス、タクシー業を営む平和交通の社長です。
昭和36年に元遊郭だったこの屋敷を平和交通が買収して、平成12年(2000年)に本社を柳田に移すまで使用し、令和2年1月から一年間かけてリニューアルしたそうです。

今回のイベント開催にあたり、社長はどのように感じたのか尋ねてみると、「作った甲斐があったよ」と即答。
「書道家の父が「無尽蔵」と書いた衝立がこの場所から出てきて、その言葉のようにここが縁の尽きない場所になり、色んなご縁や人と人が無限に繋がっていく場所になればいいと思って名付けました。コロナ禍でうちのような業種は打撃を受けているけど、この場所を作ってから、今まで出会った事のなかった人達と出会えたんです」。
笑顔で語る社長も、「いずれここに人力車も入れたい」、「人力車があるなら、籠があってもおもしろいかも」と、案が出てきます。
もしかしたらここは、遊び心が刺激されてどんどんアイディアが浮かんでくる場所なのでしょうか。

それもそのはず。この場所自体、社長が「大工さんと一緒にこうしたら面白いかもって楽しみながら遊び心で作っていって、大工さんも『こんなのあったからここに置いてみたら』って面白い飾りを持ってきてくれたりして」とニッコニコ。

「こっち行くとこの部屋に繋がります」とか「ここからあっち側覗けるようになってるんですよ」と、まるで秘密基地を案内して貰っているようで、楽しんで作ったというのも頷けますし、実際、めちゃくちゃ楽しかったです……!!!

館内に飾られているものも殆どこの建物内にあったそうで、いろんなものが出てくる玉手箱ですね、と話していると「あ、でもこの電飾はニトリ」とお茶目な社長。
思わず、「お値段以上ですね…!」と唸ってしまいました

途中、2階で出会ったこの書。
こちらも山田社長のお父様の書で、小林一茶の有名な句「痩せ蛙負けるな一茶これにあり」を書いたものだそうです。

「しんどいときこそ気張っていけという、今の自分の会社の状況にぴったりだった」と語る社長。

ミーティングの様子を見ていたら、まさに社長の想いの通りに人と人のご縁が無限に繋がっていて、まだまだ先が不安な状況が続くなかでも、イベント当日はこの場所や氷見の町中が笑顔で溢れるだろうなと確信しました。
後編ではイベント当日の様子をお伝えします。

タイミングの合う方は、ぜひ、当日のご参加お待ちしております!

 

ハナマチ・ロマンティスク
~氷見・遊郭・和体験〜
2021.7.4[Sun] 10:00-15:00
無尽蔵 (むじんぞう)
富山県氷見市丸の内1-13
当日入館料500円
和装の方は入館無料
花魁モデル撮影会
和装でまち歩き
浴衣レンタル&着付け
パーソナルカラー診断
日本舞踊&三味線体験 他
詳しくはこちら→公式ホームページ

あいやまガーデンで視界も心も潤う一日。

こんにちは、みらいエンジンスタッフの岸本です。

梅雨入り前の蒸し暑さと寒さが交互にやってくる日々が続き、体調も気分も崩れがちなこの時期。
綺麗な花や草木を見て癒されませんか?
今回は氷見市稲積にあるあいやまガーデンさんをご紹介します!

氷見市街地からは車で15~20分ほど。
薔薇の時期が一番お客さんが多いそうで、筆者が訪れた日も、平日の午前中ながら駐車場に車がたくさん。

エントランスに入ると、園内への入り口手前にチケットカウンターがあります。

大人料金800円を支払って早速中に入ってみると、

うわ~~~~~~!!!!!!

思わず叫んでしまいます

約200品種2,500本のバラが植えられているそうです。

右を見ても左を見ても、前も後ろも、薔薇、薔薇、薔薇。

癒される…
視界が四方八方最高なのはもちろんですが、むせかえるような、というのはこの事かと頷くほどの花の香りがなんとも言えません。

海が近いので、日差しは強くても海からの涼しい風が吹き上がってきます。

園内はとっても広くて敷地が44,000㎡。
視界にお客さんの姿があるのに誰ともすれ違わないのはこの広さのおかげでしょうか。意図せずソーシャルディスが生じております。

多種多様なお花を楽しみながら歩き回り、ちょっと疲れたら噴水の近くで休憩。
涼しい風が吹いていますが、水の近くだとより一層涼しさが増しますね。

氷見の町は全体的に淡い色彩の、パステルカラーのようなイメージですが、ここはカラフルでコントラストが強めの視界で、別世界に来た気分になります。

小川のせせらぎに癒されながら歩きます。
視界にはずっと花や緑の彩り。
涼しい風に吹かれながら、小鳥と虫の合唱を聞きながらのんびり散策。
歩いても歩いても、ずっと視界には花があるので本当に別世界みたいです。

園内は本当に広いので、ゆっくり見て回るとあっという間に時間が経ちます。
気付けばお昼をとうに過ぎていたので、併設するカフェに入りました。

きのこのピザと、薔薇の形のアイスがとても可愛いパフェ。
大変失礼な事を言いますが、正直、こういった場所でのレストランの味を舐めていました……
すっごく美味しい…!!!
どちらも、とても美味です。

入園料金外でカフェのみの利用も可能で、窓から園内を眺めながらのんびり食事やお茶を楽しめます。

さて、カフェから園内を眺めていたら、カラフルな衣装に身を包んだグループを見かけました。
あいやまガーデンさんでは、コスプレでの入場や撮影もできるそうですよ。

園長さんによると、コスプレ撮影は非常に好評で利用客はすごく増えているのだとか。
他のスタッフの方々も、コスプレの事について少し尋ねると、非常に慣れた感じで色々と教えてくれました。
控室があり、そちらを2000円/日で借りて更衣室として使う事が出来ます。
こちらは予約制で、特に土日はすぐに予約で埋まってしまう程の人気ぶり。
(控室の予約が取れない場合でも、入園料のみでコスプレでの園内利用が可能です)
公式ホームページに詳しく掲載されているので、撮影してみたい!コスプレで散策してみたい!という方は、一度お問い合わせしてみてください。

園内で出会ったコスプレイヤーさんに、作品名を出さない事、お顔を伏せる事を絶対条件に写真を撮らせていただきました。(掲載許可もいただきました)

この作品は私も知っています。
氷見市内からいらっしゃったというコスプレイヤーさん達。
他のお客さんの迷惑にはならないようにと、平日の空いている時間帯を狙って来たそうです。県境を跨いだ移動が難しい今、こういった撮影場所が氷見にあるのは嬉しいと話していました。

(※園内でコスプレイヤーさんを見かけた際には無断で勝手に写真を撮らず、声をかけて撮影許可をもらってくださいね)

カラフルな衣装が園内の雰囲気にぴったりで映えますね。
アニメ・ゲームオタク筆者もまさか地元でこういった光景に出会えるとは思いませんでした。
氷見も時代に合わせて少しずつ変わってきているのですね。

綺麗な花や噴水も満喫して、カフェでお腹いっぱいになって、最後にドライフラワー専門店に入りました。

生花とはまた違う、良い香りに包まれます。

ドライフラワーを使ったかわいい商品もたくさん。

オシャレインテリア好きさんに、ドライフラワーがいますごく流行ってるらしいです。

当サイト内にもこちらのドライフラワー店についての過去の記事(ドライフラワーのある暮らし「専門店ぶらぶら」)がありますが、その頃に比べると、店内が格段にパワーアップしている……!
年々充実していくあいやまガーデンさん。
一度来たからもう満足というわけにはいかなさそうですね。
5~6月の薔薇の時期が終わると、次は百合、紫陽花と続きます。
こちらは一昨年の8月に私が同園内で撮った写真。

花の開花状況はあいやまガーデンさんの公式ホームページTwitterで確認できます。
細かく更新されているので、ぜひチェックしてみてください。
冬季(1~3月)の花閑散期は、入場料無料で入れます。

たっぷり満喫して外に出ると時刻はもう16時前!
10時前に入園したので、たっぷり一日過ごしたことになります。
遭遇したコスプレイヤーさん達も言っていましたが、県境を跨ぐことがまだ難しい状況で、こんなに楽しめる場所が氷見にあるのは本当に有り難いです。
感心しながら帰宅してから園内マップを見て愕然。
なんと、まだ行っていないエリアが残っていたんです。
あんなに歩き回ったのに?!と驚きました。

花の開花カレンダーを見ながら、次はいつ行こうかとか、その頃にはまたパワーアップしているんだろうと考えると楽しみが増えました。

日々にふと疲れたら、あいやまガーデンへ癒されに行ってみてはいかがでしょうか?

氷見あいやまガーデン

住  所:富山県氷見市稲積字大谷内112-1
営業時間:9:00~17:00(最終入園16:30)
電  話:0766-72-4187
入  園  料:高校生以上 800円、65歳以上 700円、小中学生 400円
※カフェ、ドライフラワー専門店へは入園料なしで入店できます。

クリエイターが作る、こだわりのパン -ベーカリー ごパン-

こんにちは!みらいエンジンスタッフの岸本です。

今回は、氷見の駅前、伊勢大町の『ベーカリー ごパン』さんにインタビューさせていただきました。

店主の牛房さんは、氷見市出身。県外の広告代理店で働いていましたが、味にほれ込んだ『あさひ屋ベーカリー』でパンづくりの修業をして、氷見にUターンし、パン屋を開業しました。
小麦は北海道を中心とした国産がメインで、ほとんどのパンにレーズンで起こした天然酵母を使うというこだわりぶり。
サラリーマンからパン屋への転身、地元での開業に至るまでのお話と、氷見での暮らしについてたっぷり聞いてみました!

―会社員からパン屋さんに転職したきっかけはなんだったんですか

「神奈川県にある大学を卒業して、石川県金沢市の広告代理店に就職しました。仕事は好きだったけど、本当にすごく忙しくて子供と過ごす時間も全く無かったんですよ。
24時に仕事が終わって帰宅して、朝7時には家を出るような生活がずっと続いてました。
仕事のしすぎで帯状発疹が出来て、医者に行ったらしばらく休まないとだめだよって。それでも仕事は休めない、お客さんを待たせるわけにはいかないからって仕事してたんです。
妻がひとりでずっと保育園の送り迎えをしていたので、保育士さんに片親だと思われていたくらい。これはわりと悩みでした。
まわりの上司を見ても家庭を犠牲にして仕事をしている人が多くて、僕自身、仕事はすごく好きだったけど、家族との過ごし方とか見直したときに後悔したくないなと思ったんです。家族の為にも、自分のためにも。それが一番のきっかけですね。ふと今後の将来のこと考えた時に、仕事で成功するより家族を大切にしたいと思うようになって、前職の仕事は好きだったけど、価値ある仕事をまた見つければいいかなって」

―所謂脱サラは人生の大きな決断というか、一大決心だったのではないですか?

「妻は驚いていたけど、とにかく挑戦させてくれと頼みました。でも将来的に、二人で一緒にお店をやっていけたらいいという気持ちも大きかった。
元々、モノづくりが好きだったし、無から何か生み出すことをしたくて。
たまたまそれがパンだった。すごく好きなパン屋さんとの出会いがあって、
そこに飛び込みで、「修行させてくれ!」って頼みに行ったんですよ」

―面識もなく、いきなりですか?!

「そう、面識もなく(笑)まぁ、広告代理店にずっといたから、飛び込み営業みたいなもんです。給料いらないから働かせてくれって。お店側は「給料なしには出来ないから」という事で、返事は少し待ってほしいと言われて。
前の職場も、「辞めるのはいいけど仕事しながら就活はNG」という事で、ひたすら返事を待ちました。そしたら、退職日の前日くらいに修行受け入れますという返事が来たんですよ」

―すごい強運。元々料理とかお好きだったんですか。パン屋での修行を始めた後に向いてないなと感じることなどは無かったんでしょうか?

「料理は、会社を退職して時間が出来てから初めて家でもやるようになったくらいです。パンづくりは合ってる合ってないはあるけど……そう考える余裕も無かったですね。もう後戻りできないという気持ちの方が大きかったですし。……でも、パン屋での修業期間に、前職の取引先からいくつかお声がかかったんです。ウチで働かないかって」

―それだけ牛房さんが良い仕事をしてきたって事ですね

「提示された給与の額面は大きくて魅力はありました。前の仕事は好きだったし。でも、サラリーマンを辞めたくて退職したのに戻ったら意味ない。妻を説得して仕事を辞めさせてもらったのに……って。開業という夢があったから、パン屋の仕事や修業期間もハードだったけど楽しかったです。
でも、パン作りにおいてひとつ僕の欠点があるんですけど、僕は手が遅いんですよ。これ、パン職人とっては致命傷なんです。手が遅いと商品を多く作れない。せっかくお客さんが来ても棚に商品が無いなんて事になっちゃいますから。修業していた店の店長やオーナーや先輩にもいつもそこは注意されていました。「お前は一秒を甘く見ている」って。全工程通して見たら無駄な一瞬がお前にはたくさんある、と。たかが一瞬と侮っていても、その一瞬を集めたら一日の中に時間がたくさん出来るって言われました。僕としては、ずっと必死に手を動かしているつもりなんですけどね。一生懸命やった!と思ったらあまり数が出来上がって無くて「あれ?」というような」

ーこだわりが強くて、ひとつひとつの仕事が細部まで丁寧な、クリエイター気質なのでは

「そうかも(笑)成形し終わったものを、ちょっと違うな、ここ気になるなってもういちど手直ししたりとか。でも僕はたくさん儲けたいとかいっぱい稼ぎたいっていうところが目標ではないので、今は自分の店で自分のペースで作っています」

(店内にはハード系のパンから蒸しパンまで数種類並んでいます。パン作りって、料理上手だったりパン作りに向いている人にしか出来ないものだと思っていましたが、こうして裏側を聞いてみると、試行錯誤しながらも楽しんで、真摯に、自分の欠点とも向き合いつつお仕事されているのですね。牛房さんの仕事への姿勢が伺い見えて、前職の取引先からお声がかかったエピソードにも頷けます)

―修業期間が終わり、いよいよ独立。都会ではなく、地元の氷見で開業するにあたって、不安などは無かったですか?

「石川県内や金沢市内での出店も考えたんですよ。でもまず、遅かれ早かれいつかは地元である氷見に戻るというのは考えていて。
それに、自分の根っこにあるのは決して儲けたいとかたくさん稼ぎたいという気持ちではなく、そんなにがつがつしないで自分のペースで商売をやっていけたらという事なので、人(お客さん)がたくさん集まる場所だとか、人が多い場所じゃなくてもいいかなって。それで、どうせなら地元でということで」

―地元である氷見市に戻ってきて開業してみて、実際どうですか?

「一番最初(今の店舗の前)に、氷見の島尾という場所でお店をオープンさせました。たまたま元パン屋だった物件を使わないかとお話をいただいたんですけど、氷見は自分の出身市でありながら島尾では自分の事を知っている人が誰もいないんです。「南大町(牛房さんのご実家がある町)の牛房です」と言っても誰も知らない。お店のオープンを大々的にやったから、開店してすぐはけっこう人が来てくれました。でもパンっていつでも売れ続けるという保証が無くて、なかなかしんどい時期もありました。
そういう時に、昔の友達が来てくれたんですよ。小中学校の時の同級生で、子供の頃は全然話したことない奴でも、お互い大人になってからお客さんとして来てくれたことをきっかけに話すようになったりして。それがまた嬉しいんですよね。
新しいご縁ももちろん嬉しいけど、氷見でやらなければそういう、昔不仲だった同級生と大人になってから仲良くなれるというご縁もなかった。生まれ育った氷見で、高校卒業までの18年間の知人たちに今すごく助けられている。その内、その同級生のお父さんやお母さんも来てくれたり、ウチの子のお友達の親御さんとか、店のご近所さんも最初は僕の事を知らなかったけど気にかけてくれて来てくれるようになって。今のお店の場所も実は元々パン屋さんで、2軒続いて元パン屋さんの物件に恵まれました。今の場所に移転してからも島尾でのお客さんが来てくれたりするので本当にたくさんの人のご縁に支えられてます。そういった意味でも、氷見を選んで良かったと思います。元々、海が見える場所でパンを食べられる店が作りたかったんです。それは今後の夢かな」


(現在は氷見駅近くの町中にあるごパンさん。筆者宅から近くて徒歩で行けるのでとても助かっていますが、海沿いのパン屋さんと聞いて楽しみが増えました)

―パン屋を開業して、またさらに今後の夢があるわけですね。

「そのためには、物件の条件とか、越えなければならないハードルはたくさんあるけどね。いずれそういう場所が見つかればと考えています」

牛房さんの仕事ぶりや誠実さ、芯のブレなさや、人から愛され、運を引き寄せてきたエピソードを聞いていたら、海沿いのパン屋さんという夢はそう遠くなく叶う気がしました。

いかがだったでしょうか。
牛房さんをはじめ、これまでに様々な方にインタビューしてきましたが、みなさん口を揃えて、「氷見の人のご縁に助けられている」と仰います。
どこでどんな商売を始めようと、その人自身が真摯に仕事に取り組んでいて、周りに日々感謝をしているからこそ、周りに人が集まってくるのだと感じていましたが、氷見はそれがより一層、色濃く表れるところなのかもしれませんね。

ベーカリー ごパン

【住所】
〒935-0015 富山県氷見市伊勢大町2丁目6−6
【営業時間】
7:00~17:00
【定休日】
日・月曜
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アニメ好きから見る、『聖地』としての氷見市

こんにちは、みらいエンジンスタッフの岸本です。

数年前の出来事ですが、京都まで車で行った帰り道、滋賀県のガソリンスタンドで、車の富山ナンバーを見た店員さんが「富山からいらしたんですね、僕、氷見に良く行きますよ」と。
まさに氷見から来た事を告げると、彼はどうやら藤子不二雄作品の大ファンで、聖地巡礼的に氷見市に来るのだそうです。

筆者もアニメオタクですので、他県だろうとどこだろうとそこに好きなアニメの舞台となった聖地があれば足を運びますし、鳥取県の岩美町や熊本の唐津市など、大人気アニメ作品の舞台で、若い女性ファンが聖地巡礼に訪れ、移住に繋がったケースも多いと聞きます。
筆者の友人にも、『進撃の巨人』が好きすぎてドイツに移住した猛者がいました。
そんなわけで、アニメオタク筆者から見た聖地としての氷見を巡ってみようと思います!

まずは何といっても、氷見市と言えば藤子不二雄A先生!
A先生といえば、潮風ギャラリー。

写真を撮っていたこの日も、潮風ギャラリーを目指す女性の姿が。

アニメファンの言う『聖地』には2種類あります。
一つは作者の生まれ故郷で、こういった記念館だったり作者が生み出したキャラクターたちのモニュメントがある場所。まさに氷見もそうです。

平成29年8月に氷見市潮風ギャラリー(藤子不二雄Aアートコレクション)は、一般社団法人アニメツーリズム協会の『訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2018年版)』に選定されました。

(画像をクリックするとアニメツーリズム教会公式サイトへリンクします)

当時、市の職員をしていて該当施設に関わっていた筆者、運が良いことに幕張メッセで行われた記念式典に市代表として参加しました。
会場で全国各地から集まったPR担当者を目の当たりにしたのですが、どの担当者も熱量が凄くて、今こそ我がまちをPRしようと前へ前へ出てくる勢いに圧倒され、驚いたのをよく覚えています。
それほど『聖地巡礼』が地域へもたらす効果に多くの期待が寄せられているのですね。

さて、A先生の作品といえば、何を思い浮かべますか?
まずは忍者ハットリくん。
町中にモニュメントがあったり、おおきな人形があったり、カラクリ時計もあります。
注目すべきはこちら。

海にちなんだ浮き球や錨に乗るハットリくん達。
原作にそういったシーンはないので、これは海のまち氷見を象徴するモチーフとハットリくんのコラボ、つまり氷見でしか見る事の出来ないご当地ハットリくんの姿なのですよ。
忍者ハットリくん、過去には香取慎吾さん主演で実写映画化もされています。
2次元アニメファンもアイドルファンも楽しめますね。

次に、A先生のブラックユーモアの代表格、『笑ゥせぇるすまん』。

笑ゥせぇるすまんのキメポーズとも言えるこの指さしですが、アイドルオタク筆者からしたら、推しからの指さしは何としてでも欲しいものなので、自ら指さしファンサをしてくれる像はありがたいですよね。

そしてなんと、笑ゥせぇるすまん喪黒福造の隣に座れるベンチもあります。

日陰にちょこんとお行儀よく座っている姿がもうなんていうか、”らしい”じゃないですか。
しかもよく見たら、足が地面に着いてないんですよ!!!カワイイ!!!

細かなディティールまでしっかり再現されています。
へぇ、福造のカバンってこんな模様になってるんだ、スーツの襟の部分だけグレーでベストが紺なんだ。オシャレだな、福造。
ここに来てじっくり見てこそ分かる、新たな発見があります。
もしかしたらファンの方なら、「これはアニメ〇話の時に着ていたスーツ!」とか分かるんですかね。
福造推しの方はぜひ、いかがですか。
福造の隣、空いてますよ。

上目遣いの可愛いかんじに撮ってみました。
ちょっとまだ気軽に遠出は出来ないという福造推しの方の為に、隣に座った気分になれる画像をご用意しました。

いつか隣に座りに来て下さいね。福造もここで待っております。
笑ゥせぇるすまんは2020年に大人気舞台俳優佐藤竜司さん主演で舞台化もしました。

(C)藤子スタジオ/笑るすまんNEW製作委員会
(画像クリックで公式サイトにリンクします)

2.5次元舞台ファンの皆さまも、いつかお待ちしております。

そしてやはり何と言っても怪物くんですよ!

氷見駅前の通りには、怪物くんのモニュメントがずらりと並んでいます。
国民的アイドルグループ嵐の大野君主演で実写ドラマ化&映画化しているのはかなり強いのではないでしょうか。
しかも映画化の際にはPR番組の撮影の為、A先生と共に大野君が氷見市を訪れています。

こちらは大野君が訪れたお店。

ダイニングバーですが、裏メニューで出していた煮干しラーメンが大人気となり、土日には行列が長く出来るほど。
マスターは気さくな人で、大野君が座った席をこっそりと教えてくれたりします。
元々釣りが大好きな大野君。
撮影の合間に氷見で釣りを楽しんで帰ったそうです。
ジャニーズファンの筆者、当時、大野君のファンの方々がたくさん聖地巡礼にいらっしゃったとファンコミュニティを通じて聞きました。

さらに、同じグループの松本潤くんも、映画「ナラタージュ」の撮影で富山県に来ています。
氷見のお隣、高岡市には撮影で松潤が来た喫茶店があって、やはりファンが多数訪れ「松潤が座った椅子」や珈琲が人気だとか。

推しと同じものを味わいたい。それがファンというものです。

氷見で大野君の、高岡市で松潤の座った椅子をハシゴできちゃいますね。

さてさて、アニメファンの言う『聖地』には2種類あると前述しましたが、2種類の内のもう一つは、作者の生まれ故郷などは関係なく、作品に登場する場所のモデルになった土地。

筆者が注目しているのはこちら、
『送球ボーイズ』です

『裏サンデー』(小学館が配信するウェブコミック配信サイト)で2012年から連載開始した漫画です。

ハンドボール部の少年たちの姿を描いた作品で、氷見市が舞台となっています。主人公たちが通う火鼠高校は市内の県立高校「氷見高校」がモデルで、作中にはキャラクターたちが氷見のお祭りに参加する様子なども描かれているので、こんなご時世でなければ、ファンの方々がキャラクターたちが楽しんだシーンをなぞって、氷見のお祭りに遊びに来ていたり、推しキャラ(好きなキャラクター)が生活している地域を見に来たり、していたかもしれませんね。
毎年春に氷見市で行われている春中ハンドのメイン会場では目玉イベントのひとつとしてこの送球ボーイズの作者のサイン会が行われていました。
(現在は行われていません)
SNSには、サイン会の為に県外から氷見に行きますというファンの方々の投稿がたくさんありました。
今後アニメ化などの展開があればさらに人気に火が点きそうな気がします。

氷見市立図書館には、作画担当サカズキ九さんによるイラストも飾られています。

そのほか、藤子不二雄先生コーナーもこの通り。

有名なタイトルから、マニアックなものまで揃っています。

氷見市出身の漫画家、今市子さんコーナーも充実しています。

こちらはちょっとイレギュラー。
北陸三県の特徴を女の子に擬人化した漫画『北陸とらいあんぐる』

ご当地あるあるが盛り込まれた作品です。

富山代表、黒部りつちゃん推しの方で富山への移住を検討されている方。候補地に氷見もいかがでしょうか。

他にも様々なジャンルの漫画が幅広く取りそろえられていて、さすが『まんがのまち』を名乗るだけあるなと呻ってしまいました。

いかがだったでしょうか。
氷見市にもますますたくさんのアニメファンが訪れて、それがきっかけとなって移住に繋がっていけば……氷見はさらに面白い街になっていくかもしれませんね。

昭和に学び、昭和と語らう店「裏日本遊戯研究所」

こんにちは、みらいエンジンスタッフの岸本です。

かねてより、氷見の町中にはレトロが生きていると感じ、当サイトの記事(「生きた昭和でレトロを満喫。『喫茶モリカワ』」、「レトロな町と、海辺のランチ」)でも伝えてきた筆者ですが、
生きた昭和レトロが味わえるお店がまた一つオープンしたと聞いて、弊社スタッフ藤田と共に早速お邪魔いたしました。

こちらがそのお店。「裏日本遊戯研究所」さんです。

何とも言えないこの外壁の色、扉や街灯。
ナントカ荘とか書いてありそうな、昭和の雰囲気が漂っております。

一歩中に入ると、期待を裏切らない完璧な昭和感。

入店1秒で「懐かしい」という感覚に全身を包まれます。

しかもここにあるもの全て、展示品じゃないんです。
全て現役。このレトロなポットからお茶を注いで頂いた時、謎の感動がありました。
一気に「友達の家にゲームしに来た感」が高まります。

ボードゲームやドンジャラ、頭脳ゲーム、野球盤など。計100種類以上のアナログゲームで実際に遊ぶ事が出来ます。

おやつや飲み物は持込み自由。
店内には駄菓子販売もあるので、ふらっと遊びに来て、ちょっとおなかすいたなって時にはその場で買って駄菓子を味わうことも出来ます。

さすがにこちらは展示品……と思ったら、なんとこれも商品!
買う事が出来ます。

こちらのバッグも、買えちゃいます。

こちらが店主の坪倉さん。

神奈川から去年の10月に氷見に来られた、移住者さんです。

こちらはお店兼住宅で、古い物件に自ら手を入れ修理して住まわれているそう。
中庭を見せてもらいました。

大きな物干し台と家庭菜園が出来る庭があるなんて、すごく良いですね。
素晴らしいです。
筆者、実は洗濯物を干す場所がなくて、家の中に狭々と小さな物干し台を広げているので羨ましいです(笑)
やっぱり庭に干せるっていいなぁ。

こちらは2階。

2階に上がってすぐ、真新しいイグサの香りが出迎えてくれました。
ここは天井の板が落ちていたほどボロボロだったのを自力で修理したそうで、畳も新しいものに入れ替えたのだとか。

懐かしい雰囲気にタイムスリップしたような気分を味わいながら、お話を伺ってみました。

―移住されたきっかけは何だったんですか?

「去年(2020年)の9月頃だったかな。鎌倉に住んでいたんだけど、都会での暮らしに疲れてきたり、違和感を感じるようになってきて。田舎での暮らしに想いを馳せつつ、いつまでも首都圏や都会で暮らしている自分がなんだかダサく思えて来て、全国各地の空き家バンク巡りの旅をしようと決めて動き出したんです。緊急事態宣言が発令された後で外出する人も少なかったし、Go To トラベルが始まって、安くホテルに泊まれたりする良い時期だったんですよ。それで、全国各地の空き家バンクを検索して、良さそうだなと思ったところに青春18きっぷを使って電車で行く、ということをひたすら毎日繰り返してました」

―全国!すごいですね

「北は新潟から。西の方へ進んで、九州は佐賀あたりまで行って、四国も巡りました。色々見て、最初は賃貸ではなく中古の物件を買うつもりでした。氷見に来た時に一つめの物件を見に行って、ちょっと気に入ったんだけど、予算には少し見合わなくて。でも氷見は良い場所で気に入ったから、賃貸で探すことに切り替えて、今の家に出会いました」

―凄く良いご縁があったわけですね。新潟から九州まで全国規模で見た上で富山県、そして氷見市に決めたのはなぜですか?

「最初は暖かいところで海が近い場所を探していました。車を持っていないので山奥すぎる場所だと生活が難しいし、かと言って、都会に近くなると騒がしくなる。
都会と田舎の中間ってなかなか無くて。
さらに、こういった昭和時代のものが好きなので、エリア的に、都会と田舎の中間で、かつ、昔の雰囲気が残っている場所がいいなと探していました。
あと僕は住む家にはとてもこだわりたい性分で、絶対に古い家が良い!と思って探してました」

―古き良きものを求めていたんですね

「そうですね、かといって昭和よりももっと古い時代の名残があるような古民家でもないんです。それはそれで良いけど、自分が住むなら昭和の風合いが良い。
そうやって探していて氷見に来た時に、土地も、物件も、街の空気感も何も違和感が無くて、肌で「自分に合う!」と感じました」

―非常に運命的な出会いを果たされたのですね

「そこから北陸や富山の長所を調べた時に、地震や台風が少ないというのが非常に魅力的だったんです。
今後、日本全体で大きな災害の影響を考えた時、住む場所としてそういった天災の影響が少ないというのは大事ですよね。そういった面でも氷見や富山には大きな可能性を感じているんです」

―立山連峰のおかげですよね。その恩恵はとても大きいと思います

「それと、何と言っても藤子不二雄A先生の出身地だという事が大きかったんです。
A先生の妄想や想像から生まれたキャラクター達が、こうして現実をより愉快してくれていて、それは本当に凄いことだし、これから藤子不二雄先生方のような妄想人がもっと出て来たら日本はさらに面白くなっていくんじゃないかな。
町中にキャラクターのモニュメントもたくさんあるし、全国的に氷見のような場所が増えていけば面白いなと思っています」

―昭和を代表する巨匠の一人ですもんね。では、氷見に住み始めてからの実生活はどうですか?

「何も困らないですね。やっぱりここにきて良かった、って毎日思っていて、何の不満も無いです。
ご近所さんもゆったりしていて穏やかな人が多い。家のすぐ近くに神社があって、年末年始にみんなで集まって掃除とかするんですけど、そういう事って関東の方ではあまり無いんです。町内会とか、みんなで何かをするとか、町内会費を集めに来るとかそういった事って大事ですよ。人間関係やどういう共同体を作り上げるかを考えた時に、やっぱりこういう場所は必要だと思います」

―引っ越して最初の冬に記録的な大雪でしたが、どうでしたか?

「雪かきも楽しんでいるし、車を持たずに生活していますが、近くにお店もたくさんあるので、雪で買い物に行けないという事も無くて全く問題が無かったです」

―凄い……たくましさを感じます

「あと、町中に商店街が残っているというのも氷見を魅力に感じた部分のひとつでした。現状はシャッターが目立つけど、距離が長くて、昭和時代の看板とかあの時代のものがそのまま残っていて、自転車で走ってても面白いです」

―レトロ感が生き残っていますよね

「なかなか無いんですよ。全国の空き家バンクを巡って商店街も見たけれど、完全に取り壊されていたり、手が入って現代風に新しくアレンジされていたり、昭和感が残ったまま現存している商店街ってなかなか無いんですけど、氷見にはそのまま残っている」

―氷見の町おこしや活性化というところにも興味があるんですか?

「氷見の町おこしや活性化というより、僕は関東圏に住んでいる人に、もっと地方や田舎の良さを知って、関東以外に散らばって欲しいと考えてます。
日本全体を考えた時に、そうなった方がいいんじゃないかなって。
コロナウィルスの事がある今、まさに変わるタイミングですよ。みんな今移住すればいいのに、もっと広いところに出ればいいのに、と思います。
富山は地震も台風も殆ど無くて完璧だし、氷見は公共財が多く、一人当たりが享受できる豊かさが都会に比べたらすごく多いんです。そういった田舎暮らしの良さや、氷見や富山は広くてゆったり豊かに過ごせるよって知ってもらうためにSNSに投稿したり、行動しています」

―熱い信念をお持ちなのですね。では、お店について聞かせてください。

「この場所は大人の遊び場になって欲しいな。僕はこういった昭和の時代のものが好きで、この時代のものは日本の近代史でピークだと思っているんです。昭和ってちょうど良い時代だったと思う。その時代のモノには、これからの時代に僕たちが生きていくうえで活用出来るヒントがあると思っています。
小さな子供は自分で遊びを考えられる天才だから問題ないんですけど 段々と成長するに従って遊ばなくなって来て、しかもそれを大人が誘導するような事があってはいけないと思うんですよね。人生は楽しんで、遊んでこそ。だから人生を本気で遊ばなくなった人や、遊び方を忘れた人にこそ来て貰って、この時代のモノに触れて、考えるきっかけになればいいなと。
遊びや妄想から面白い日本を作っていき、そして世の中がもっと健全な形になればいいなと思ってるんです」

―健全というのは、具体的にはどうなれば健全なんですか?

「それは分からない。分からないからこそ過去に学んで、僕らの祖父母の世代はどうだったんだろうと想像するしかない。
例えば、町内会ひとつにしても、こういった集まりをすることで、人間関係にどういったメリットや利点があるのかとか、その共同でやることによって人間の意識がどう変わっていくか、国家や世界レベルにどう作用していくか、僕らがイチから考えなきゃいけないんです」

―健全な世の中の形を模索しつつ、現代社会の基盤となっているものを見直して変えていきたいという事でしょうか?

「幸福の在り方を考えてみた時に、ただ一か所にしか住んだことない、ここでの暮らししか知らないというところから新しい考え方は生まれないと思うんですよ。
だからみんなに、「今住んでいる場所を離れて、田舎でゆっくり考えてみたら?」と提案したいと思っていて、まず自分が実践してるというところかな」

坪倉さんの話がとても熱くて筆者のレベルの及ばないところへどんどん進んでいきます。なるほど、と頷くことしかできません。

まさに「ここではない、どこかへ」ですね。某ロックバンドの有名な曲です。
己の中に芽生えた違和感や不足感を埋めるため、答えを求めて「ここではないどこか」に想いを馳せる。
「ここ」というのは、今立っている場所であり、時代であり。
その終着点は意外と自分の原点かもしれないし、まったく新しい未知の場所かもしれない。
ここではないそこへ行けば、ここには無い何かがあって、新しい価値観や考え方や生き方を教えてくれる、または得る事が出来るのだなと、そんな風に感じました。

筆者にとって移住とは、住所が変わるという程度の解釈でしたが、そこに求めるものは暮らしの質や在り方であったり、価値観やものの見方の新しい切り口であり、見いだせるものは無限大なのですね。

移住というものへの新しい捉え方を坪倉さんの姿勢に教わった気がします。


(坪倉さん夫妻)

お話を聞き終わってから、店内の商品を改めて眺めてみました。
パッケージの一つ一つを眺めても、テンプレ通りのものをコピー&ペーストしたような無機質さは無く、作り手の「こういうおもちゃを作ったら楽しいのではないか」とワクワクする心が伺えるものばかり。
まさに昭和が語り掛けてくる空間です。

最後に坪倉さんはこう語りました。
「結局、僕が好きな事をやっているだけなんだけどね」

昨今、手軽さや使い捨てのものが大量生産された時代を経て、ハンドメイドブームが到来したのは、「手作りのぬくもり」や「作り手の技量に価値を支払う」という価値観、そして作り手の「好き」が色濃く込められているモノが人の心を動かすからだと私は思います。
そう考えると、生活の中に作り手や人の心が見えやすい田舎暮らしも、今後もっとフィーチャーされていくのかもしれません。

 

『裏日本遊戯研究所』

〒935-0021
富山県氷見市幸町20-24
【営業】
土日祝 11時~日没
平日 予約のみ
【ご利用料金】
1時間迄 500円
2時間迄 800円
2時間以上 1000円

お問い合わせは各種SNSより。
Twitterインスタグラム

 

 

テンマ船の一部をいただきました

みらいエンジンスタッフの岸本です。

我が家のリビングで、なにやら不思議な木の板を発見!

すべすべとしていて手触りが良く、年輪が何とも言えない流線美を描いていて、とっても綺麗……
この不思議な形もなんだかとても良い。
持ち上げてみると、軽くて程よい質感。
ずっと触っていたくなるほど、とにかく手触りが最高です。

どうやらこれ、氷見のテンマ船を作る際に出た端切れを分けていただいたものだそう。

当サイトの記事でも度々登場している、氷見のテンマ船。みなさんご存知でしょうか?

氷見生まれ氷見育ちながら、筆者、お恥ずかしい事に最近その存在を知りました。
今はFRP(繊維強化プラスチック)でつくられた漁船が主流となりましたが、昔の漁船はもちろん木製。
木造漁船の材料となる木も、氷見の山で採れるものを利用していました。

■伝馬船について詳しく触れているかこの記事はこちら
・「ドブネ」「テント」「テンマ」、氷見の木造和船の話
・「【氷見のひみつのひと①】日本に数名だけ!?木造和船の継承者

■北条たくまさんによる動画

氷見に古くから伝わる木造和船、テンマ船。
イベントで乗船体験をやっていたりと、最近特によく見かけるようになりました。

そのテンマ船の一部が、我が家に、そして手元に。
なんだかとても不思議な気分です。
ようこそ我が家へ。

DIYが好きな筆者、家に木材をある程度ストックしているのですが、これほど色が綺麗で手触り抜群な木の端材に出会ったのは初めてです。
買ったらものすごく高そう……
それもそのはず。
和船(木造船)の構造や使われる木の種類・特性が地域によって異なるので、目利きの職人さんによって、木目を読んで選ばれたもの、ということなのですね。
そんな船大工さんも和船の衰退と共に少なくなり、現在現役の船大工さんは、富山県内では氷見にいらっしゃる方ただ1人ではないかと言われています。

つまり、我が家にやってきたこの木の板も、どこででも簡単に手に入るものではないということです。
氷見にいてこそ手に入った、まさに「ご縁のひと品」ですね。

何に使う?どうやって使う?と家族みんなでワクワク。
花瓶の下に敷く台にしたり、壁に立てかけて飾りにしたりと案が飛び交う中、
お皿として使ってみようと決まりました。

じゃじゃん。どうでしょうか?
なかなか雰囲気がある気がします。
いつもの朝食をこんな風にするだけでテンション上がりますね。

船になるはずだったこの木もまさかサンドイッチを乗せる事になるとは思いもしなかったでしょうね。

氷見に住んでいると、こんな風に人とのご縁で手に入る品がたくさんあり、これまでにも畑から直接野菜を抜かせてもらったり、山で山菜を採らせてもらったり、天然の地元産ワカメをいただいたり……と食の幸に恵まれてきましたが、まさかこんな上等な端材との出会いがあるとは思いませんでした。
食材や物だけでなく、ここでの人との出会いそれこそが宝だなと感じました。

春の使者を探しに山へ

こんにちは、スタッフの岸本です。

東北や北海道ほどの豪雪地帯はない氷見ですが、曲がりなりにも北陸、雪国。
春の訪れが待ち遠しく、気温が少しずつ上がり、日が長くなるにつれ、よろこびを募らせています。
しかし例年、4月5月に行われるはずのイベントもまだまだ自粛の色が薄まらず、「ごんごん祭り」や「まるまげ祭り」のような伝統的な祭りから、村や部落で開かれる小さなイベントまで、まだまだ封印されたままです。
桜の開花もまだ遠い。
あまりにも寂しいので、こちらから春を探しに行く事にしました!

春の味覚、と言えば真っ先に何を思い浮かべますか?
私はタケノコを思い浮かべました。
しかし、冬眠から目覚めたクマはまず最初にふきのとうを探して食べるそうです。
自然の中では、冬が空けて最初に食べる春と言えばふきのとう、なのですね。
雪の下から最初に顔を出すので、春の使者とも呼ばれているそうです。

そんなわけで、ふきのとうを摘みに、山に来ました。

まずは軽く腹ごしらえ。
氷見と石川県羽咋市の県境を越えてすぐの場所にあるそば処「茗荷庵」さんにお邪魔しました。
山の中にポツンと一軒家みたいな場所にありがなら、お昼時はいつも富山ナンバーと石川ナンバーの車がたくさん停まっています。

店内は古民家風で、懐かしさが溢れています。

囲炉裏を眺めながら、気分はすっかり山に住む者のそれです。

海育ちの筆者、実は密かに山の中での暮らしに憧れています。

3月中旬。暖かくなってきたとはいえ、山の中は少し肌寒いのであたたかいお蕎麦をいただきました。

住所は石川県のお店ですが、市内の感覚で行ける場所で、おすすめです。

さて、腹も満たしたところで県境をまた越えて氷見に戻り、本日の狩りの場に移動です。

中心市街地からは車で約10分ほど。
知人の山なので詳しい場所は伏せますが、「好きな時に来て、採っていっていいよ」との寛大なお言葉。
「今日晴れてる!行こう!」と思い立ってすぐに山に来れてしまうのも、氷見ならではですね。

車を停めて土手を探してみると…ありました。

彩度低めの冬の山の中で、春の色彩を彷彿とさせるような鮮やかな薄緑色が光っています。

ちなみに、冬眠から目覚めたクマが最初にふきのとうを食べる理由ですが、
冬の間に身体の中に溜まった毒素を出す効果が、フキノトウの苦み成分の中に含まれているらしいですよ。
つまり、クマはフキノトウを食べてデトックスしてるんですね。
体の新陳代謝を活性化して目覚めさせてくれるふきのとう。
まさに春の使者ですね。

採取できました。

さっそく天ぷらにしていただきます。

味は言わずもがな。
美味しくないわけがない。
サクッと軽い歯ごたえと新芽特有の爽やかさ。
ほんのりとした苦みを味わっていると、クマのデトックスを思い出し、身体の内側が冬から春へと書き換えられていく気がします。
自分の手で土をはらって山から摘んで食べると感動もまたひとしおです。

山の所有者に無断で山菜を採ることはできませんが、氷見に住んでいれば、「春になったから山に山菜採りに行こう」という素敵イベントがよく発生します。
市内にたくさんある直売所でも、摘んだばかりのみずみずしい山菜が、袋にたくさん入ってとてもリーズナブルな価格で買えてしまいます。

こうして旬のものを食べていると、この土地と共に生きているなと実感します。
海からも山からもその実感と恵みを貰えるのは、なんだか贅沢に思えてきました。

旬の食材、季節を感じながら自然の恵みと共に生きる喜び。氷見で体験してみてはいかがでしょうか。

 

白鳥と共に春を待つ

みらいエンジンスタッフの岸本です。

寒さが続き、春が待ち遠しい2月上旬。
十二町潟水郷公園に白鳥がたくさん飛来しているとの噂を聞きつけて、行ってまいりました!

氷見駅からは車でおよそ5分ほど。

国道160号線から山側に入ってすぐの十二町潟水郷公園は、春はツツジ、夏はオニバスやスイレンの花が楽しめる場所でもあります。

(こちらは夏ごろの様子)


(画像:氷見市観光ポータルサイト「きときとひみどっとこむ【写真素材】」より)

筆者も何度か暖かい季節に行ったことはありますが、冬に行くのは初めて。
しかし、白鳥がなぜこんな寒い氷見に?
首を傾げながら公園に到着。

池の前に車を停めて降りてみると……

白鳥が……

いない……!!!

代わりに、見渡す限りの鴨、鴨、カモ。

この鴨たちも越冬の御一行様です。

君たち、白鳥知らない?
聞いても答えてくれるわけがなく……

どうしたものか……

餌やりに来たおじさん。

鴨に囲まれています。

以前は、ハクチョウの保護・観察を行う愛好会「氷見白鳥の会」があったそうですが、会員の高齢化などで一昨年に解散し、今では元会員の方やご近所の方々が有志で餌やりに来たり、水鳥達を見守っているそうです。

白鳥を待っている間、母の地元民ネットワークで「白鳥は少し離れた水田に行っているのかも」と情報を得ました。

教えてもらった通り、車で数分の場所へ行ってみると……

い、いた……!!!!!

水田にたくさんの白鳥がいました!

白鳥の湖ならぬ、白鳥の水田。

動物園でしか見た事が無い白鳥を、湖ではなくまさか氷見の水田で見る日が来るとは思いませんでしたよ。

田舎の田園風景と白鳥。
なんだか不思議で、面白いです。

考えてみたら、白鳥が優雅に広い水面をすいすい泳いでいる姿も見た事が無いです。
足こぎの白鳥ボートとか、動物園の檻の中にいる白鳥とか、思い出すのはそういうものばかり。

氷見市は白鳥が越冬するための南限の地で、毎年12月頃から翌3月頃まで、シベリアから飛来して、この十二町潟水郷公園で過ごすそうです。
今年は100羽を超える白鳥が来ているのだとか。

黒い毛が混ざっているのが幼鳥です。
このひな鳥が長距離を飛び続けられるほど成長したころ、氷見を離れていく。
それが3月頃。
雪解け、そして旅立ちの季節とはまさにこの事ですね。

この白鳥たちが夕方ごろに一斉に公園に戻るらしく、この場所を教えてくれた方にも「白鳥が飛び立つ姿が綺麗だから是非見て」との事だったのでしばらく待っていましたが、氷見の冬の天気は変わりやすく……

突然の雪。

雪景色の中の白鳥もなかなか見れるものではないぞと風情を感じつつ、必死にシャッターを切って白鳥が飛び立つ瞬間を撮ってみました!
……が、筆者のカメラにも我々の防寒装備にも限界があり、結果はブレブレの暗い写真ばかり。
そんなわけで、氷見市で白鳥の姿を撮り続けて数年の知人に、白鳥が飛び立つ瞬間の綺麗な写真をお借りしました。

白い羽根を広げ、水面を蹴って飛び立つ姿が本当に綺麗です。

今まで全く意識したことなかったですが、こうして見てみると白鳥ってすごく綺麗ですね。
水面に浮かんでいる姿も、真っ白な羽根も。
普段のお目にかかる事の出来ない白鳥を、地元に居ながら見る事ができるってなかなかレアですよね。
こんな機会滅多にないから、この冬の内にまた見に来たい。

すっかり白鳥の美しさに心を奪われた筆者、別の日にまた行ってきました!

前回は水面から飛び立つ瞬間を見たので、今回は水面に降りる姿を見ようと、十二町潟水郷公園に車を停めました。

先客に並んで、筆者も白鳥を待ちます。

しばらく待っていると、鳥の鳴き声が空に響いて、みなさん「来た来た」と空を見上げます。

これまでの人生の中で、夕暮れの空を飛んでいくカラスやすずめを見上げた事は何度もありますが、夕暮れ空に頭上を飛んでいく白鳥の群れを見上げたのは初めてです。

氷見の空に舞う白鳥。

白鳥の飛んでいる姿って見た事ありますか?
筆者はこれが初めてです。

白鳥の群れは筆者たちの頭上や池の上を何度も旋回して徐々に高度を落としていき、優雅に着水します。

隣にいた方曰く、「親鳥はひな鳥に飛び立ち方、降り方や着水の仕方を教えてあげてるんだよ」と。
そして、「白鳥たちが春に一斉に飛び立って帰っていく姿は圧巻だよ。飛び立てない子が一羽でもいたらずっと待っているし、全員揃ってから行くから、本当に感動するから見た方がいいよ」と教えてもらいました。
白鳥を見に来てまだ二度目の筆者ですが、幼鳥が成長し、群れで空を飛んで旅立っていく後ろ姿を想像しただけでもう寂しい気持ちになってしまいます。
そんな寂しさを埋めるようにして、土手にはフキノトウが芽を出し、川沿いや山には桜の花が咲く氷見の春の景色を思い出しました。

アニメ、ゲーム、アイドルオタクと三拍子揃っていていつも画面の中の世界に浸りがちな筆者ですが、自然の中で生きている事を実感しました。

時々ここへ来て、幼鳥の成長を見届けながら春を待とうと思います。

冬の上日寺散歩

みらいエンジンスタッフの岸本です。

冬のある日の朝。
珍しく早朝に目が覚めてカーテンを開けると、なんとも神秘的な朝焼け。


(拡大して撮ったので画像が粗くなっています、すみません)

妙に厳かな気持ちになり、天気も良さそうなので出かけることにしました。
何せ、雪の季節になってからというもの、引きこもりに磨きがかかっている筆者。
たまに外出すると、ハッとさせられる事があります。
日光を浴びると、自分が人間であったことを思い出すというか。

綺麗な朝焼けを見て厳かな気持ちになったので、散歩コースはお寺を目指すことにしました。

あんな鬼のように降り積もっていた雪も、晴天が続いてご覧の通り。

自転車もスイスイ走っていきます。

出発したのはお昼少し前。
前回、海辺でのランチを計画した時と同様、散歩して昼食をとって帰宅のプランです。
でも今回はお店は決めていません。
あと、獣に昼食を奪われた心の傷がまだ癒えていないので、屋外で食べるのはやめておきます。(寒いし)

氷見市民会館の交差点を朝日山公園方面へ曲がり、上日寺への道を進むと、昨年秋にアペロが行われた湊川へと出ます。

ここでまたアペロしたい。
雪解けの季節が待ち遠しいですね。

川沿いの緑が冬の彩度低めな景色に映えていて、視界を鮮やかにしてくれます。

あちこちよそ見しながら、上日寺までの道をひたすら真っ直ぐに進みます。

上日寺は、氷見で4月17、18日に行われるごんごん祭りの会場。
この道は参道となり、出店が並んで参拝客が賑やかに行き交います。

商店街から上日寺までは歩いて10分かからないくらい。
静かな住宅街の最奥までたどり着くと、山寺の雰囲気に包まれます。

ちなみに、ここが朝日山の入り口でもあります。

出発前に、家族に「なぜこの時期に上日寺に行くの?」と聞かれました。
新緑や紅葉の季節にすればいいのにと。

でも、冬の寒い空気の中だったり雪の中の寺社仏閣って、荘厳な雰囲気が際立っているように感じませんか。

入ってすぐの場所に、イチョウの木があります。
樹齢1000年以上で長い間霊木として尊崇されてきたそうです。
氷見の観光パンフレットに必ず掲載されている有名な大イチョウの木。
時々、観光バスも来たりします。

でも、このイチョウだけ見て帰るのは非常にもったいない…!

上日寺の良さはまだまだこの先にあるんですよ。

奥へ進むと、本堂があります。

ひっそりと、山の麓に佇む古寺。
まさにこの空気感を浴びに来たんです。
寺社仏閣の類は好きで良く行きますが、敷地内には居ると空気が澄んでいて、独特の雰囲気がありますよね。
自然に、背筋がピンと伸びます。

上日寺の観音菩薩霊水。

2017年に改修工事が行われたみたいで、とっても綺麗になってました。
古くより、無病長寿に効く霊水といわれているそうですよ。
霊水と聞いただけで、なんだか痛いところが治りそうな……
ファンタジーRPGゲームだったらHP回復しそうです。

え……水ってこんなきれいだっけ……?

思わず呟いてしまいました。
流水音も無く、透明度を限界値まで極めたような水がとろりとろりとそこに沸き続けているんです。
見ているだけで癒されて、頭の中が空っぽになるというか、邪念が流されていく気がします。

飲料の際は蛇口からどうぞ、だそうです。

背後には龍神池。

こちらは龍の石像でしょうか。

さて、ここからまだまだ奥があります。

長く続く階段。
山寺ならではですよね。

階段を上がると、左脇に鐘つき堂があります。

言い伝えでは、江戸時代初期に起こった大日照りのための雨ごい行法が成就したことで、農民たちは狂喜乱舞。上日寺の鐘を打ち鳴らして喜び祝ったのが、ごんごん祭りの由来だそうです。

階段を登った正面に大きな御堂があります。
雪の重さで折れたのでしょうか、倒木があちこちに。

幼い頃から何度も来た事がありますが、改めて見上げてみると、非常に立派で、歴史を物凄く感じますね。
なんでも、前田藩の修業の場だったとか。

なんて書いてあるのか分かりませんが、そこがまたいいですね。
ここにも龍神様が飾られています。

沖縄でよく見る、シーサーのような飾り。
(飾りと言っていいのか…?)
やはり、雨乞い成就の由来があるだけに、水の属性なのでしょうか。
ファンタジー好きオタク魂がぐいぐい刺激されます。

お参りをして、ぼうっと景色を眺めてみます。
そうだ、○○行こうのCMに負けず劣らず……とまではいきませんが、なかなか良い景色じゃないですか?
町の喧騒も無く、鳥の声と、風の音だけが在って、頭の中がスッキリ。心が整っていく感じがします。

筆者がうろうろしている間に、地元の方が何人かお参りにいらっしゃいました。
私もここを散歩コースにして、定期的にお参りしに来よう。
なんだか、そう思わせられる姿です。

ここで気付きました。
何か絵がある。

合戦絵図のような。

描かれているのは前田藩の方々なのかな。
古ぼけていて良く見えませんが、なんだかもの凄い重要文化財に触れている気がします。

そして、御堂の傍らにあるんですよ……
幼い頃とっても怖くて、怖いのに近づいてしまって、怖くて退散を繰り返していた、閻魔堂が…

この格子の隙間から覗くと、薄暗さの中に木彫りの閻魔像がいらっしゃるんですよ。
なんとも言えないこの怖さ。

人気のない静かな山奥だから尚更そう感じてしまうのでしょうか。
そもそもこの仄暗さが一段と閻魔堂の雰囲気を醸し出していて、いっそLEDで煌々と照らしてあれば恐怖感も薄らぐのに……などと自分本位で罰当たりな事を考えてしまいます。

大人になった今でも少し怖い……というか、背筋がピンどころではなく、ビシッと伸びます。
悪いことは出来ない……正直に誠実に生きよう……
LED付けてくれなんて今後絶対に考えたりしないと誓います。

御堂の周りにも、小さな祠や仏像があちこちに祀られています。
まだまだ雪が厚く残っていたので、入っていく事は出来ませんでした。
なにせ、道路の雪はもうすっかり溶けていると思っていたので、スニーカーで来てしまったんです。
家からすぐの場所にこんなに雪が残っているとは思わなかった。

でも、雪の中のお地蔵様を撮りたい、と果敢に(無謀に)雪の中をスニーカーで突き進んだ筆者。
足を踏み入れた場所に段差があったようで、予想以上に足が深く沈んで、雪の中に静かに転倒。雪まみれになって無言で撤退。

やはり筆者、まだまだ氷見レベル1です。

下山してきました。
上着も靴の中も雪まみれで全身冷え冷えで、昼食をとるお店を足早に探します。
たしか寿司屋があったはず……と思って歩いていたら、見慣れないお店を発見!!

こんな店あったっけ?
看板が比較的新しい……という事は新しく出来たお店か。
名探偵の顔になりながら近づくと、なんとも良い香り。
手作り餃子専門店の字面に、正直にもお腹が鳴ったので、お店に入りました。

綺麗で明るい内装。
昨年12月にオープンしたばかりらしいです。
お店の中はとっても暖かくて、数分前に雪の中に沈んだ記憶が秒で消えていきます。

餃子中心のメニュー。
焼き餃子をお願いしました。

こちらが店主の田中さん。
海外のご出身で、結婚して氷見にいらしたそうです。
朗らかで、穏やかで、気さくな田中さんと話していたら、雪に埋もれて全身びしょびしょになっていたはずなのに、なんだかあたたかい気持ちになります。
以前は持ち帰り用の冷凍餃子のお店を別の場所でしていて、やっぱり出来立てをお客さんに食べて欲しい!という気持ちで、このお店をオープンしたのだとか。

焼きたての餃子。
ひとつひとつが大きくて、厚めの皮はモチモチ。中の餡もしっかり味が付いていて、タレ無しでも美味しいです。
家の近くにこんなに美味しい餃子屋さんが出来て、筆者の食事情がまたひとつ満たされていくのを感じました。

お店を出ると、靴の中はやっぱり濡れていて冷たくて、雪の中に沈んだ記憶が蘇ってしまったのですが、見上げたら桜の木につぼみの片鱗が見えました。

雪解けを待ちながら、これからも氷見レベルを少しずつ上げていこうと思います。