秘密にしたい、宝探しみたいなお店。お休み処くまなし「たんぽぽ」

こんにちは、みらいエンジンスタッフの岸本です。

東京から氷見市に移り住んでからというもの、食材の旬の季節に詳しくなった気がします。
スーパーの売り場にはいつでも同じ野菜や食材が揃っていて、旬なんてあまり気にした事が無かったのです。

例えば、6月頃には県内のローカルニュース番組で「鮎釣り解禁」のニュースが流れて、アユ料理の時期かと思ったり、
富山市の呉羽山に梨の直売所が立ち並ぶのを車の中から見ているうちに、夏になったら「梨の季節だな」と思ったり。
冬になれば御馴染、寒ブリの話題で市内が賑わったり。
土地と食生活が密接に繋がっている事を日々の中で感じます。
そんな風に、食材の豊かさや旬を感じる場所や物事のひとつとして、野菜の直売所があります。

今回は、熊無の直売所に行ってみました!

今回訪れたのは、お休み処くまなし「たんぽぽ」さん。

氷見市の中心市街地から車で約15分程度。
山道をぐんぐん進みます。

エスニック料理のまんがい家さんを過ぎて、トンネルをくぐると到着!

すぐ目の前に石川県との県境があります。

新鮮野菜、直売所、ののぼりに並んで「メダカ」の看板。

道路脇にもこの看板。

気になりつつ、店内へ。

平日の午前中にも関わらず、お客さんがひっきりなしにいらっしゃいます。
みなさんお目当てが最初から決まっているようで、何気なく立ち寄ってゆっくり物色というより、お目当てのものにまっすぐに向かい、お会計をしてお店を後にする方が多かったです。
県内側からも石川県側からもどんどん車が入ってきては目の前で商品が売れていくので、15時に閉店というのも頷けます。
筆者も急いで商品をカゴに入れていきます。

レンコンが連なった状態で売られているの、初めて見ました。

長い…!

実はここに来る前に、前情報で氷見の情報通&熟練主婦たちから「くまなしの直売所に行くならレンコンは絶対に買うべきよ」と聞いていたので、噂のアイテムを手に入れた無事に筆者、脳内で勝利のファンファーレが鳴り響きます。

こちらは氷見産の天草。
ところてんの原料ですね。
加工されたものしか見た事なかったのですが、この天草は夏が旬なのだとか。
氷見生まれ氷見育ちの筆者、「氷見産の天草」を見るのも存在を知るのも初めて。
直売所の方に「天草ももうそろそろ終わり」と聞いたので、こちらも一緒に籠へ入れました。

銀杏に似たこちらはなんと食用ほおずきの実。
未知との遭遇のオンパレードです。

地元 熊無産。ジャムにして食べる方が多いそうです。
気になる……食べてみたい。

青じその葉とクマザサの葉。

二つをブレンドしてお茶にして飲むと便秘に凄く効くとお店の方が教えてくれました。

富山県産と書かれていますが、氷見産の干シイタケ。こちらも有名なのだとか。

自家製の梅干し。

自家製のお餅。

ひっきりなしにお客さんが入ってくる様子を見ていれば、個数制限も頷けます。

迷いなくお餅を家族分籠へ入れながら、思いました。
ここはもしかしたら、「本当は自分だけの秘密にしておきたいんだけど、すごく良いから特別に教えてあげるね」と懐から取りだすとっておき情報のような場所なのではないでしょうか。

にんにくもとっても人気とおすすめされたので、おすすめされるがまま籠へ。

お会計して、マイバッグへと戦利品を詰め込みます。
食べるのが楽しみでワクワクしちゃいますね。
袋の重みが嬉しいです。

お店を出たところにワゴンがあったので覗いてみると、メダカがいました。

黒いメダカは初めて見ました。

可愛いですね。癒されます。
浮き草や、メダカが卵を産み付けるためのスポンジも売ってます。

ここにメダカが並ぶのを待つファンも多いのだとか。

直売所の裏手で山の景色の写真を撮っていたら、視線を感じて……
振り向いたらヤギが寝てました。

のどかだな~~~~~~

山の中に立っていると、緑の景色に目が癒されて、澄んだ空気に肺が綺麗になっていく感覚があって、数分だけの滞在で気分がリフレッシュしますね。

ちなみに、この県境の看板を過ぎてすぐの場所に、以前記事でお伝えした神子原の直売所があります。
直売所を梯子して、食材の食べ比べしてみても面白いかもしれませんね。

 

さて、山を離れて帰宅し、ゲットした天草でところてんを作ってみました。

作り方を調べている時に知ったのですが、俳句においては夏の季語のひとつでもあるらしいです。

これまで何気なく食べていたところてんですが、栄養について調べてみると、

食物繊維がとっても豊富で、水に溶ける性質の「水溶性食物繊維」と、水に溶けない性質の「不溶性食物繊維」の2つの食物繊維が含まれているそうです。
水溶性食物繊維は食後の血糖値の上昇を抑え、コレステロール値を低下させる働きがあるため、糖尿病や高血圧の予防・改善に役立ち、不溶性食物繊維は腸のぜん動運動を活発にさせる働きがあり、便秘の解消につながります。
また、ところてんには、むくみ改善に役立つカリウムや、骨を丈夫にし、神経の興奮を抑える働きがあるカルシウムも含まれています。

何気にすごい食材なんですね…
ちなみに、カロリーもとっても低く腹持ちが良い、という一文に非常に興味がありました。

さて、初めてのところてん作り。てんやわんやで細かく画像に残せなかったのですが、
大きめの鍋にテングサを入れ、水をテングサがつかる程度まで入れ、煮出してバットなどの容器で自然に放熱させて固めるとゲル状になります。
これを棒状に細く切って、「天突き」とよばれる専用の木製の器具で押し出します。

このところてんですが、関西の方では黒蜜で食べるらしいですね。
おやつ感覚なのでしょうか?
もしかしたら、関東や東北ではまた違った食べ方もあるのかもしれませんね。
北陸では酢醤油が定番です。

天草から作ったところてん。味が濃い目でしっかりとしている麺を、酢醤油とおろしショウガでさっぱり。喉ごしは最高に良いので、ちょっと食欲の無いときも食べれちゃいますね。

次はどんな旬の食材と出会えるのか楽しみです。

 

お休み処くまなし「たんぽぽ」

氷見市上余川5198-1
0766-76-1180
9:00~15:00

氷見の祭に惚れこんだ職人、信念の一杯。

ラーメンは好きですか?

みらいエンジンスタッフの岸本です。

もはや日本人のソウルフードと言っても過言ではないラーメン。
日本各地それぞれに味も特徴も具も全く違っていて、富山県ならブラックラーメンなど、今やご当地ラーメンも数えきれない程ありますよね。

市内をゆるりと流れる湊川沿いに、蔵を改装したラーメン屋さんがあります。
それがこちら、「氷見ラーメン」さん。

使用している材料は地産地消にこだわった氷見産のものが中心。
地元の食材を使った氷見生まれのラーメンだから、氷見ラーメン。……というわけではないんです。
シンプルかつ分かりやすいその屋号にも、実はとっっっっ……ても深い意味と熱い気持ち、そして氷見への愛、敬意までもが込められているのです。

筆者がこのお店に最初に入った日の事はもう忘れてしまいましたが、今では大好きでよく訪れるお店です。
店主の伊藤さんは、真面目で職人気質な方ですが、とても愛嬌があっていつもニコニコの笑顔で迎えてくれます。

そして伊藤さんはお隣り石川県から氷見に惚れこんで移住&開業をした移住者さん!
忙しいお仕事の合間に、お話を伺ってみました!

石川県の飲食店に勤めていた伊藤さんは、仕事で知り合った方からのご縁で、氷見で別の飲食店の手伝いをする事に。
初めは「3年くらい行ってみるか」という気持ちで氷見へ移住してこられました。
2年ほど勤め、さてそろそろ自分の店をと考え始めた頃には、氷見をすごく好きになっていたそうです。
「店をやるんだったら氷見でやりたい」
スタートの場所として氷見は面白いかもしれないと考えた背景にあったのは、たくさんの友人との出会いや、土地柄がとっても肌に合っていた事。
そして、なんといっても大きかったのが、氷見の祭りとの出会い。

初めて氷見の祇園祭を知った時の事を、伊藤さんは「カルチャーショック」だったと語っています。

伊藤さんの地元の石川県では、年々祭りへの参加人数が減っていて、三年に一度の開催になるほど規模縮小していたり、町内の盆踊り大会か、金沢市内で数日間かけて行われる加賀百万石まつりのような大きな祭りかのどちらかでしかなく、伊藤さんは祭りに対して好きという気持ちは無かったそうです。

そんな伊藤さんが氷見の祇園祭に参加する事になり、周りの人達に「ケガしないように気を付けて」と言われ、「祭りで気を付けるって、どういう意味?」と首を傾げながら参加。

激しくぶつかり合う太鼓台に「ケガしないよう気を付けて」の意味を理解しながら、同時に「すごく楽しい!」「こんな祭りもあるんだ!」と感じたそうです。


(画像は昨年の記事「氷見夏の大イベント『祇園大祭』」より)

近所の人達が集まって楽しんでいる姿や、進学や就職などで県外に出ている人たちが「祭りだから」と氷見に帰ってくる姿に、氷見の人達の地元愛、地元にかける想い、地域民のキズナの強さを「カルチャーショックだった」と表現するほど、大きな出来事だったようです。

好きじゃなかったものが大好きに転じる瞬間って、化学反応のように、想いと思いがぶつかり合った瞬間なのでしょうね。
伊藤さんに起こった氷見での化学反応、実はこの後にもまた起こることになります。

氷見での開業を決めた伊藤さんがまず直面したのは金銭問題。
しかし、またしてもご縁があり、氷見の方から出資のご縁がったそうです。
ただ、その方はとても熱い方で、「まずはどこかの店で修行を積んでから」と考えていた伊藤さんに「店やりながら修行すればいい」と言葉をくれたそうで、伊藤さんご自身が納得したこともあり、まずはお店を開くことに。
そしてラーメン作りが始まります。
家庭用のキッチンでは上手くいく試作品も、業務用の火力では上手くいかず、失敗続き。ラーメンの味が完成し無いままオープン初日を迎えます。

オープン初日は、広告を大々的に打っていたこともあり、長蛇の列。

しかし、並んだ挙句に味が完成していないラーメンに「不味い!」と怒って帰る方が多かったそうです。
オープンから一ヶ月が経ち、急激に客足が遠のき、クレームや罵倒がだけが増えていく中でも、決してくじけることだけはしなかった伊藤さん。
お客さんの意見を聞きながら、しょっぱいと言われたらしょっぱくないように改善するなど、味を変え続けた結果、「トンネルに迷い込んだように、毎日味の違うものを作って、自分の味が分からなくなった」と当時のつらい日々を振り返りながら語ります。

お店に来るお客さんからのクレームだけでなく、インターネットの掲示板で悪い言葉を書きこまれたり、所謂「アンチ」のような人達からの見えない攻撃もあったとか。
さらに、店名に「氷見」と掲げていることにも多方面から非難の声を受けるように。
「氷見の名前をそんなに簡単に使わないでほしい」
聞こえてくる苦言に、「氷見が好きという気持ちでやっていただけに、ショックも大きかった」そうです。
しかしこのままやめてしまったら、「あぁそんな奴もいたね」「やっぱりあいつはダメだった」というだけの存在になってしまう。
「絶対に諦めないでおこう」
氷見という地名を店名に入れるからには、もっともっと氷見のことを知らなくては、と図書館にこもって氷見の歴史や文化も勉強したとか。
悩んでは前を向き、立ち止まっては顔を上げ、ひたむきに歩み続ける伊藤さんの背中を押してくれたのは、やはり人の温かさでした。
「悩む必要ない。自分を信じてやれ」
「ラーメンはセオリーは無い、邪道が正道に、ルールが無いから自分が思うように作ればいい」
様々な業種の先輩方からそんな言葉をもらい「吹っ切れた」伊藤さんは、自分だけの味を信じ、ラーメンを作り続けます。

すると、ここで起こったんです。二度目の化学反応が。

吹っ切れてから1~2年が過ぎたころ、ちらほらと客足が増え始め、「北陸ラーメン博」(石川県開催、石川、富山、福井3県参加)というラーメンイベントへの出展の機会を手にします。
結果は、開催3日間で売上2位、富山エリアではなんと1位。
その直後から、バッシングしていた人達がなんと応援してくれるように。
「やっと結果を出したな!」
「市外に出ていく人も多い中で、県外から氷見へ来てくれて、氷見という名前を使って、地名を広めてくれている」
決して諦めずに進み続ける伊藤さんの姿に、周囲からの反応にも変化が訪れます。
さらにそこから東京ラーメンショーに出るなどイベントが続く中で、今度は、アンチだった人達がファンに変わり、罵声は応援に変わっていきます。

「氷見に恩を返したい」という信念の元、頑張り続けてきた伊藤さんの想いと、「中途半端なモノで氷見を名乗って欲しくない」という両者の熱い想いが出会った結果、化学反応が起こって新しい結果が生まれたのだと筆者は感じました。
そのどちらにもあるのは、地元愛の強さです。
「氷見にのれん分けしてもらっている気持ちでいるから、氷見という土地、ブランド、氷見という看板の名に恥じないようにまだまだもっと頑張って、地元の人達にも誇って貰えるようなお店になれるように頑張って、恩返ししていきたい」

(……ここで筆者の脳内にプロジェクトXの主題歌が流れ始めます)
伊藤さんの言葉に頷きながらお話を伺っているだけでも胸がいっぱいで、拍手喝采、スタンディングオベーションしたいほど胸を打たれました。
いつも食べていたラーメンにそんな熱いストーリーが込められていたとは。

ちなみに、筆者がいつも食べているメニューがこちら。「獅子舞ラーメン」です。

市内各地40連で行われている氷見の獅子舞を表現した一品。
こってりと濃いめの醤油味に黒いラー油が弧を描いていて、ガツンとくる風味に獅子舞の躍動感や豪快さを感じます。

他のラーメンにも全て氷見の祭りの名前が付けられていて、例えば、氷見の祇園まつりは、荒々しく激しく賑やかな祭りだから、激しさを辛さで表現し、辛いラーメンに仕立てられています。

無形有形関係なく、見たものに衝撃を受けインスピレーションが働いて、それを表現し、想いを込めて形にする。
そうして生まれたものはもう「作品」と呼ぶに等しいですよね。筆者はそう感じます。
作品と呼ばれるものには解釈が生まれてくると思うのですが、伊藤さんが味付けや具などで表現したラーメンと、元になった祭り、イメージがその通りでまさに解釈一致です。

感動の大フィナーレのような空気感でインタビューが終わりそうな雰囲気でしたが、筆者、ここで大切な事を思い出しました。

移住者として見る氷見は如何でしょうか?
初めて氷見へ来た時の第一印象を聞いてみました。


(氷見ラーメンの店舗がある湊川周辺)

「田舎だなと思った。でも街中はコンパクトになっていて暮らしやすい。何よりもポテンシャルのある町。まだまだ可能性をたくさん秘めている」
初めてここへ来た時の印象を思い出しつつ、やはりこの土地が持つ魅力に強く心が惹かれているご様子。氷見語りが止まりません。
「チャンスも多い町で、楽しさも、隠れた魅力もまだまだたくさんあって、出し尽くせていないのではと感じるほど。応援してもらえるし、一度受け入れてもらえたら、本当に心強い人達。それこそが氷見のパワー」

ひたむきな努力と信念を貫いて、たくさんのご縁に感謝をしながら、アンチもファンに変えてしまった伊藤さんの言葉だから、説得力しかありません。

伊藤さんにお話しを伺う前、氷見ラーメンには客として何度か来たことがありました。
どことなく居心地がいい、入りやすい、あまり多くは話さないけど、店主の人柄が良いと伝わってきて、食べ終わって店を出る時に「また来よう」という気持ちになるのです。
そして何よりも、味がしっかりと濃厚でこってり系のスープでありながら、食事の後に変な胃もたれや重さが全く無く、丁寧に作られたのが分かります。
化学調味料の類を一切使わずに素材にこだわるから、味だけではなくそういった食後感にまで結果が現われているのかなと勝手に推測していましたが、地元の食材にこだわり、「氷見の名に恥じないように」と丁寧に仕事をされていると知って、大納得でした。

ご本人のモットーは、『毎日コツコツ、一生懸命』。
お客さんからの「ごちそうさま」が何よりのご褒美だと、朗らかな笑顔で語って下さいました。

氷見愛の込められた一品、是非一度味わってみてはいかがでしょうか。

 

氷見ラーメン本店

【住所】〒 935-0017 富山県 氷見市 丸の内12-7
【TEL】0766-72-1813
【営業時間】
 ■火曜〜土曜
ランチ :11:30〜14:00(LO13:30)
ディナー:18:00〜26:00(LO25:30)
■日曜
スープなくなり次第終了
【定休日】月曜日

出会いから生まれる形、色。ー「FCTRY」でシルクスクリーン体験ー

まだまだ出口の見えない不穏な空気の流れる日々に、じっとりと毛穴を塞ぐような湿気に包まれ、息苦しさを感じてしまう梅雨の季節。
新しいニュースに心が躍りました。
みらいエンジンスタッフの岸本です。

弊社の事務所から徒歩30秒足らずの場所に「FCTRY」(ファクトリー)というシルクスクリーンの工房がオープンしたと聞いて、早速、お邪魔いたしました。
そして今回は、スタッフユニフォームも作らせて頂こうという事で、Tシャツづくりも実際に体験してきましたので、その模様もお届けします!

実はこのFCTRYさん。
以前にもこのブログの記事内に登場しています。
2020年3月、ふるさとワーホリスタッフがヒラクさんのイベントで体験したシルクスクリーンのワークショップ。

当時は店舗を持たずにイベント出展を中心に活動されていたお二人、田中さんと萩原さんが、工房兼お店を開かれたという事です。
そういえば、物件を探しているとき事務所に相談しにいらっしゃっていて、筆者もお会いしました。
あの時のお二方が、いよいよお店を……と感慨深くなりながら、お話を伺ってみました。

お二人は元保育士で、職場の先輩と後輩だったそう。
好きな音楽やファッション、考え方や価値観など、気が合う部分がたくさんあり、友人のような間柄になっていったとか。
そしてお二人とも、雑貨が好きで、将来はお店をやりたいという夢を持っていたそうです。

保育士を退職した後、セレクトショップという目標を抱きながら県内のアパレル店で働く中で、お二人にとって二つの出会いが訪れます。
まずは、インターネット販売が主流の世の中で、県内間でさえも通販の利用が多いと気付いた事。
それがなぜ「出会い」なの?とお思いでしょうか?
お二人がこの状況を知り、ネット販売が主流のアパレル業界だからこそ、モノづくりを体験したり楽しめる場所があればいいのでは、と展望が広がり、次の目標と出会ったからだと、筆者が感じたからです。

お二人の気付きから繋がった次の展開。それもまた「出会い」でした。
共通の趣味の音楽ライブのため福井県を訪れたお二人は、現地で開催されていたモノづくり系イベント内のワークショップに参加したそうです。
そこで出会ったのが、シルクスクリーン。

後にお二人の師匠となる方の元、シルクスクリーンを学ぶ中でお二人の中にどんどん工房に対する気持ちが熱を上げていきます。
「インターネットで市販品を手軽に入手できる時代だからこそ、モノづくりを経験してほしい」「子供達が遊んだり、モノづくりを体験できる場所を作りたい」という想い。
そして、「人生は一度きり。挑戦しよう」という想い。
「無理かもしれないと感じた事や不安はありませんでしたか?」と筆者が尋ねると、「不安もあったけれど、『失敗があるとすれば、やめる時が失敗。今しているのは失敗ではなく経験』という知人の言葉に、なるほどと思った」と語っていました。
あまりにも良い言葉すぎて、筆者、胸に100回くらい刻みたい、なんならその言葉をTシャツにプリントして帰りたいと思いましたが、今回はおとなしく用意してきたみらいエンジンのロゴでスタッフユニフォームを作ります。

今回のTシャツづくりの様子を動画にしましたので、そちらもご覧ください。→【動画URL】

今回用意したデザインはこちら。

みらいエンジンのロゴを用いて、図案を決めました。

版を作るため、原寸サイズで白黒の状態にして持ち込みます。

デザイン原画は紙に手書き等でも良いそうです!

原画を特殊な機械に入れ、版を作っていきます。

その間に色選び。
今回は、Tシャツとポロシャツ各1枚ずつをスタッフ3人分作ることに。
色もサイズも豊富にあります。

ランチバッグやサコッシュもありますね。
手持ちの服やバッグを持ちこむ事も可能だそうです。

生地が決まったら、インクの色を選びます。

インクも少しずつ色を足したり調合して貰えるので、原色でもパステルカラーでも蛍光色でもくすみカラーでも、無限に色を作れるそうです。
こだわりが強く、細かなディティールにまでこだわり抜きたい筆者、「そうなんですねぇ」と穏やかに返事しながら密かに大興奮していました。

そうしている内に版が完成!
作業台にシャツをセットして、柄を乗せる位置を決めます。

位置を決めたら、インクを乗せていきます。

(この辺で急にカメラの調子が悪くなり、ブレブレの見にくい画像となっております。躍動感のある作業の様子をお楽しみください)

完成したものがこちら!

デザインも、インクの色も、柄を入れる位置も、なにもかもが自由。
何もかもが自分次第。
ちょっとした歪みやインクのかすれも‟味‟となって、一工程終わるごとに愛着が増していきます。

生地の色やインクの色や仕上がりで、全く同じ絵柄でも作る人によって全く違う味を持った仕上がりになるので不思議ですし、
何よりも、

めちゃくちゃ楽しい……!!!

ネット通販が主流になっている世の中だからこそ、人の手で作る楽しみや喜びを体験してほしいというお二人の気持ち、ものすごく分かった気がします。

お二人の話を聞く中で浮かび上がったキーワードが「出会い」「ご縁」でした。
様々な出会いがあって、ご縁が繋がって、新しいモノや場所が生まれていく。
インタビューの途中、「お店を開くと決めた時に、『なぜ氷見で?』と言われる事が多かった」とお二人は話していました。

それでも、色んな人の助けや出会いやご縁があって開店の日を迎え、それまでに携わってくれた人達がたくさんお店を訪れてくれる、と嬉しそうに語っていらっしゃいました。
人情とご縁の溢れる氷見らしいエピソードをまた一つ、聞くことが出来て、改めて、氷見の持つ魅力やその温度に触れた気がしました。

缶バッジなら300円~、Tシャツの体験でも1500円~出来ますので、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか?
新たな趣味、新たなセンス開花の出会いがあるかもしれません。

FCTRY(ファクトリー)

住所
〒935-0011富山県氷見市中央町9-46

営業時間
平日 13:00~18:00
土日 10:00~19:00
定休日 火曜日

メールアドレス
fctry.info@gmail.com

インスタグラム

 

地元再発見、再感動。

少しずつ、世界がいつも通りの日常に戻り始める兆しを感じています。
みらいエンジンスタッフの岸本です。
緊急事態宣言発令中の時間を過ごしながら、今まで当たり前に感じていたこと、今日と同じ明日が当たり前に続くと思って過ごしていた時間や日常が、実は全く当たり前じゃないことに気付かされました。
日本国内の他県の様子だけでなく、世界中の様子を画面で見ながら、自分の今ある生活や、いつも見ている景色、いつもの日常の中にある小さな幸せを再確認しています。
それは、ちょっとした食材を見つめ直す機会にもなりました。

魚のまち氷見というだけあって、季節によって様々な種類の新鮮な魚が当たり前に家庭の食卓に登場します。
冬には寒ブリがやはり定番で有名ですが、「氷見イワシ」ってご存知でしょうか。
広辞苑に乗っているほど、有名だそうです。
なんでも、この氷見イワシを求めて鰤がやって来て氷見寒ブリになる、と。
言い換えれば、氷見寒ブリが美味しいのは、餌である氷見イワシが美味しいからという事です。
その氷見イワシがいま旬を迎えていると。
ここで釣りの趣味でもあれば、釣り竿や道具一式を持って海岸へ走るところです。
そうそう、氷見の海岸付近では、コンビニにも釣り具コーナーがあるんですよ。

もちろん、釣り専門店もたくさんありますが、ちょっとコンビニに立ち寄ったついでに気軽に釣り具を買い足せるのも氷見の海岸沿いならではですね。

のんびりと海面に糸を垂らして、今晩の食材をゲット、という休日の過ごし方も憧れます。
今は世界全体がちょっとした外出も控えているから、のんびり海岸沿いを散歩しながら、防波堤付近に並ぶ釣り人を見たら、「平和な日常が戻ったんだな」なんて感じるかもしれません。
そんな日が一日も早く来ることを願いつつ、人生で釣りの経験が無い筆者はスーパーへGo。
ありました!
朝とれで新鮮な氷見産真イワシが4匹でこのお値段。

安い。家計の味方。
塩焼きにして、おろしポン酢でいただきました。

身が引き締まっていて、大ぶりで、肉厚ながらあっさりとした味。
鰤がつい追いかけてくるのも分かります。

実は筆者、氷見生まれ氷見育ちながら氷見イワシのなんたるかを全く知らなかったので、我が家の母に「信じられない」という目で見られてしまいました。

そして後日、「さすがにこれなら知ってるでしょ」と母が買ってきたのがこちらです。

あっ、ハイ。これはさすがに知っている。
ノドグロ。確か高級魚だよね?めちゃくちゃ高いんだよね?
母、奮発したの?と思いながら値段を見てびっくり。

2匹で約400円!

しかも調理済みなので、パックから出して塩を振ってそのままグリルに乗せるだけ。

お魚捌けない、扱えないという筆者のような人間にとっても優しい仕様になっていて、感激しました。

焼き上がったのがこちら。

あまりはっきりと覚えていないんですけど、人生で初のノドグロかもしれません。
こんなに美味しいお魚食べた事ないって感動するくらいの美味しさでした。
信じられない。
スーパーで安く買って、パックから出して、軽く塩を振って焼いただけで驚きの超絶美味。
素材の良さの圧倒的勝利。
筆者、強く思いました。

氷見市民で良かった……!!!

これも、この状況下で漁に出ている漁師さん、魚屋さんをはじめ、全ての働く人たちに感謝です。
特別な事ではなくても、当たり前の日常の中にある感動や幸せをたくさん見つけていきたいですね。
筆者にとって氷見は生まれ育った地元の町ですが、まだまだ再発見できる良さがたくさんあるような気がしました。

新たな味、新たな楽しみ方との出会い

おうち時間、どう過ごしていますか?

みらいエンジンスタッフの岸本です。

先月始まったサービス、「ヒミイーツ」。
市内でじわじわと広がり、定着しつつあるのを感じます。
友人知人から、どこのお店のあのテイクアウトメニューを試したみたらとっても美味しかった、とか。逆に、美味しかったものをお勧めしてみたりだとか。そういった情報交換が増えてきました。
たくさんのお店が登録されているので、時々サイトを開いては、どのお店にどんなメニューがあるのか筆者も眺めています。
知っているお店があると、ここのお店のこれ美味しいんだよなぁーと美味しい記憶が蘇ったりするのですが、
意外と多いのが、
地元民ながら、まだ入った事の無いお店 です。
場所や名前は知っているけど、どんなメニューがあるのか、価格帯はどんな感じなのか分からなくて入ったことが無いお店。
居酒屋だから、一人で入っていいのかどうか分からないな~と躊躇していたお店。
自分のお休みとお店の定休日が重なっててなかなか行けずにいたお店、などなど。
意外とあるんですよね。
そういったお店の情報がこのヒミイーツに集約されているわけです。

そんなわけで、これを機に
お店の場所も知っていて、名前も聞いた事があるのに、入ったことが無かったお店の味をテイクアウトで試してみることにしました。

今回は、氷見市幸町にある「飛味蔵」さん。

普段はお昼にランチメニュー、夜はお食事もお酒も楽しめるお店として営業されています。

持ち帰りのメニューの中からから揚げ弁当を選びました。
お店の公式ホームページを見ていたら、揚げ物の欄に「オリーブオイルで揚げる」と書いてあったので、気になっていたのです。
お店に出向く前に、電話で注文をしてみました。
ドキドキしながら電話をすると、とっても明るい声の店員さんがご対応くださりました。
ヒミイーツのホームページを見た事を伝えます。
ヒミイーツには、ヒミデリという出前サービスもありますが、今回は私の帰宅ルート上にお店があり、帰りに立ち寄れるので、テイクアウトでお願いしました。

お店に入るのは初めてなのでドキドキします

外にもテイクアウトのメニュー表が置いてありました。

初めての店内に、こんな感じかぁ……とこっそりきょろきょろ。

清潔感があって、綺麗で落ち着いた雰囲気です。
カウンター席と、半個室とお座敷がいくつか。

一度でも足を踏み入れると、次回、お店に入りやすくなりますね。

お弁当を受け取って、帰宅しました。

こちらが、から揚げ弁当。
なんとなく予想していたものよりも、色んな種類のお惣菜が入っててびっくり!

初めて食べる飛味蔵さんの味。
揚げ物はオリーブオイルで揚げてあるので、あっさりとしていて食べやすく、お店のおすすめのひとつに揚げ物が並ぶのも頷けます。
煮物にもしっかり味が沁みていて、ご飯が進みます。
とっても美味しかったです。

さて、このヒミイーツですが、
以前から出前をやっていたよ!というお店でも、新たにテイクアウト専用のお弁当メニューを増やしたというお店が多いようです。

こちらは、氷見市十二町にあるイタリア料理店オリーブさんのお弁当。

紙製の容器と手書き風タッチの優しい雰囲気のリーフレットがとても可愛いです。

オリーブさんのお料理を出前でいただいた事は何度もありますが、お弁当は初めて。

中身はこのような感じ。
氷見産の食材を使った品々がご飯の上に敷き詰められていて、彩り豊か。
味ももちろん、安定の美味しさです。

ヒミイーツ、ヒミデリの開始から、色んなお店のテイクアウトやお弁当を試していますが、お家でひっそりと食べるのはもったいない気がしてきました。
色んなお店のお弁当を持って、見晴らしの良い場所で景色を眺めながら食べたい。
頭の中には早くも、色んな場所の候補が幾つも思い浮かびます。
氷見市は海と山が近いので、海を見下ろせる小高い丘の上の公園がたくさんあります。
朝日山公園もその一つ。

円形に設置された長いベンチは密を避け距離をとって座ってもまだ余裕がありそう。

こちらは、九殿浜という場所。

この画像は冬頃に撮ったものですが、春には野の花が咲き、可愛らしい黄色が視界を彩ってくれます。
座ってお弁当を広げられるベンチもあるし、画像内の坂道を登っていった先には、芝生広場と東屋があって、絶景と美味しいお弁当の両方を味わうピクニックが楽しめそう。

氷見の5月はまだちょっと肌寒い日も多いですが、この先の季節の楽しみ、そして氷見の景色やお店の味の楽しみ方に新たな選択肢が増えた喜びを感じています。

食卓の上にある季節

おうち時間、何をして過ごしていますか?

みらいエンジンスタッフ、そしてアニメオタクの岸本です。
筆者は元々お仕事の日以外は部屋から出ないので、おうち時間は通常運転です。
そんな引きこもりのプロ、筆者の楽しみは、ゆっくりと丁寧にお茶を淹れて美味しいおやつと共にティータイムを満喫すること。
先日公開されたデリバリーシステム『ヒミイーツ』では、お食事だけではなく、パンやお菓子のお店もあります。
たくさんの魅力的なお店の中から、今回気になったのはこちら!

お気付きでしょうか?
画像内の美味しそうなスイーツに添えられた、彩り豊かな花を。

これは撮影用の演出ではないのです。
こちらのお店「Cafe la liberte NAMI」さんの手掛けるスイーツは全てエディブルフラワー、つまり「食べられる花」が使われているんです。

こちらは、3月上旬に市内にあるナミさんのカフェを訪れた際の写真。

抹茶のケーキです。
見た目で華やか、味も美味しい。
そんなスイーツが自宅でも楽しめるんです。

テイクアウトをした場合も、ご覧の通り。

ケーキだけではなく、フルーツやお花が添えられていました。
せっかくのなので、お皿に盛りつけました。

盛りつけたと言っても、ケースから出しただけです。それでも、この映え。
お皿の上に春が来たみたい。
ちなみに、エディブルフラワーの味はというと、しっとりとしていて柔らかなお野菜に近い感覚です。
まだ食べた事ないという方は、ぜひこの機会に味わってみて下さい。

お花見にも行けないこの春、お皿の上でのお花見。
外出を控えなければならないこの時間の中で、季節を感じさせてくれるものはやはり風景や、花や木々の色の移り変わりだと思うのですが、食材もその一つであると思います。
新鮮な旬の食材って、味や色だけではなく、その季節の空気の匂いまで味わわせてくれる気がします。

そんなわけで、
『不要不急の外出は控えSTAY HOME』という大義名分を得て、引きこもりに磨きがかかった筆者。
この機会に、これまであまり積極的にやってこなかった料理にも挑戦してみようかとキッチンに立ってみることにしました!
使うのは、もちろん春が旬の食材。

富山湾の宝石、白エビです。
『待ちに待った富山の味』『白えび解禁』
全県民が待っていたといっても過言ではありません。

今では富山が誇る名産品のひとつに並び、北陸新幹線に乗って食べに来る人も増えましたが、
実は白エビは、昔は市民権が無くて、桜エビの代用品として扱われたり、出汁を取るためだけに使われたりしていたそうです。
それが今では『富山湾の宝石』と呼ばれるまでになるなんて。
筆者が氷見の観光のお仕事に就いていた時も、白エビに関するお問い合わせがとても多かったです。
氷見では白エビ漁を行っていないのですが、県内で水揚げされた朝とれの新鮮な白エビも、氷見市内のスーパーで手に入ります。

近隣の市の特産品も当たり前に生活の中で手に入るのは、ありがたいことですね。

白エビと言えばかき揚げです。
薄くスライスした玉ねぎと一緒にたっぷりの白エビを絡めて揚げます。

衣をつけたら油へ

油の跳ねる音と共に、美味しそうな匂いが立ち込めてきました。
ご飯の上に乗せて、タレをかけたら完成です。

旬の白エビは身が大きくて、ぷりぷりとふわふわの中間のような、何とも言えない柔らかさの中にある甘みと香ばしさとが同居していて、思わず富山湾に感謝したくなりました。
面倒な背ワタとりや殻外しが無いので、料理初心者の筆者にも簡単に調理が出来ました。

素揚げしてさっと塩を振るだけでも超絶美味なのでおすすめです。
揚げ物を目の前にするとビールを欲してしまうのは日本人のDNAに深く刻み込まれた食欲システムなのでしょうか。
抗えない……腹の虫がビールを寄越せと激しく鳴いている……!

お酒が進みすぎるので、注意が必要です。

そしてこの白エビを使った料理もヒミイーツ対応店にありますので、ぜひ色んなお店のメニューを開いて、チェックしてみて下さいね。

白エビが終わる頃には、夏野菜や夏の魚、そして鮎釣りの解禁と、食の楽しみがまだまだ続きます。
旬の食材を口にした時の、身体の中に季節の欠片を取り入れた感覚を楽しみながら、家庭の食卓から季節を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

休日、氷見人はどこへ ~山の幸編~

春です。もう春です。
朝夜はまだ肌寒くて暖房器具の欠かせない氷見市でも、日差しや草花の彩度はすっかり春色です。

みらいエンジンスタッフの岸本です。

先日、ふるさとワーキングホリデーに来ている学生さんと話していて、こんなことを聞かれました。

「氷見の方々は、お休みの日はどこにおでかけしているんですか?」

素朴な質問に筆者は「えーと……」と言ったきり、答えることが出来ませんでした。
なぜなら筆者は何度か記事の中でも書かせていただいているとおり、アニメとゲームをこよなく愛するオタクなので、休日は家に引きこもってアニメゲーム三昧という不健康極まりない生活を送っている生き物なのです。
氷見には海もあるし山もある。
しかし画面の中の世界に夢中になり、引きこもっているオタク、それが私です。

次にもしまたワーホリの学生さんに同じ事を聞かれた時の為、大正解100点満点の模範解答をいくつか用意しておこうと決意し、我が家のアクティブマン・母に「オタク以外の氷見人は休日何してるの?」と聞いてみたところ、
「今度の週末、山菜採りに行く」とのお言葉が!
流石、我が家のアクティブ代表。
そんなわけで!
そろそろタケノコが出てくる季節なので、と母の知人にお声がけいただきまして、市内のとある山へお邪魔しました。

春といえど山の中はまだまだ寒かったです。

竹林の中を進んでいくと…

ちょこんと顔を出したタケノコを発見!
地面の中の根っこ部分を断ち切るようにして鍬を入れ、掘り起こします。

掘り起こしたタケノコは、昆布と一緒に味噌煮にしました。

筆者にとってタケノコといえばこの味噌煮が定番中の定番ですが、これが富山県の郷土料理だということを県外に出て初めて知りました。
誰しも一度くらいは経験があるのではないでしょうか。
全国共通だと思っていた食や言葉やルールが、地元特有のものだと気付く瞬間。
思い出しますね……東京に出て間もない頃、おぼろ昆布のおにぎりが郷土料理だと知らなくて、都内のコンビニで探し回った時のことを……
離れてみて初めて気付く地元の良さや癖はたくさんありますが、これもそのひとつですね。

さて、タケノコをゲットした後は、山菜!
美味しそうなわらびを発見しました。

煮物にしてもいいし酢の物もいいし、とヨダレを垂らしながら悩んだ結果、昆布〆(こぶじめ)にしました。
富山県民はなんでも昆布〆にします。
お魚だけでなく、豆腐も、ローストビーフも、なんでも昆布〆。
わらびを昆布〆にすると、ほどよく昆布の香りと塩気がわらびにしみこんで、お酒がすすみまくるので大変危険な美味しさです。

うっかりしていたら見過ごしてしまいそうなこちらは山三つ葉。

おひたしにしました。
素材の味がしっかりしているので、さっと茹でて、鰹節と醤油を少しかけただけでじゅうぶん。
キュッキュと音が鳴りそうな歯ごたえと、三つ葉特有の爽やかな風味。
もう、口の中が一気に春です。春が広がります。

そういえば、東京に住んでいた頃は、春に山菜を買って食べるという事を全くしていなかった気がします。
食に対してあまり興味を持っていなかったから?それとも高価に感じていたから?
考えてみたら、意外な答えに辿りつきました。
我が家では、山菜は山で摘んで入手するものだったので、スーパーで買うって事を思いつきもしなかったんです。
春になると母が「○○さんの山で山菜採ってきた」と言って、袋にいっぱいの山菜を調理していました。
その記憶しかなかったんです。まさに「山の恵み」ですね。
それは今でも変わっていなくて、こうしてタケノコが地面から顔を出し始めると、タケノコ堀りのお誘いをいただいたり、御裾分けでご近所さんから貰ったり。
土が付いたまま新聞紙に包まれたタケノコや山菜を受け取るたびに、あぁそうだ氷見ってそういうところだった、我が地元って、そういう場所だったと気付かされます。
そうして調理されて食卓に並んだ時に、腹を満たしてくれるのは、食材の味や量だけではなく、おすそ分けしてくれた人の笑顔だったり、山で摘み取った時の土の匂いや風の涼しさといった思い出だったりします。
それは画面の中には無いものなので、オタク、時々は二次元世界をお休みして、三次元世界での休日の過ごし方を広げてみようと決めました。

信念と、改革と。町のお豆腐やさん

町の豆腐店と聞いて思い浮かべるのは、水の張られた容器から丁寧に豆腐を掬う職人の手と、蒸された大豆の湯気。
しかし最近のお豆腐屋さんはどうやら、サラダやデザートまであるらしい。

見習い相談員の岸本です。
氷見市の中心市街地に位置する商店街の中に、「さがのや」さんというお豆腐屋さんがあります。筆者宅からすぐ近くなので、ずっと気になってはいたのですが、聞けば、どうやら京都の料亭で修業した板前さんがお店を継ぎ、豆腐だけでなくお惣菜やデザートを手掛けているとか。
気になる……!
そんなわけで行ってきました。

かねてより、若いご夫婦が色々なメニューを展開していると聞いて、気になっていたのです。

氷見駅からは徒歩約8分程度。
朝9時半から開店し、商品が売り切れ次第終了との事だったので、早めの時間に行ってみました。

さがのやのご主人に写真撮影をお願いしたところ、照れて恥ずかしがっていらっしゃったので、手元だけ撮らせていただきました。
京都のご出身との事ですが、話していてあまり京都訛りは感じませんね。
氷見に来て10年。身も心も言葉もすっかり氷見人といったところでしょうか?
初めに氷見に来た時の印象を聞くと、「立山が綺麗で感動した」「ブリが美味しかった。塩焼きが本当に美味しい!」と、景色、そして食の豊かさがやはり印象に残ったようです。
他にも、「スーパーの半額シールのお刺身でも美味しい」、「焼き魚の骨付きのはちめ、イシダイが当たり前なことに驚いた」、「赤巻き蒲鉾が何にでも入っているのが不思議だった」、「氷見牛メンチカツが美味しい」など、やはり板前さんだけあって、ついついグルメチェックが捗ったようです。

それでは、氷見の人の印象はどうだったのでしょうか?
ここでご主人の口から飛び出したのは、「氷見の人の「分かったよ」という口癖が素敵だなと思った」という言葉。
筆者、氷見生まれ氷見育ちですが、「分かったよ」という口癖を特に意識したことは無かったので、この言葉にはとっても衝撃でした。
さらに「気さくな人、穏やかな人が多い」と話すご主人も穏やかな笑顔で、住み始めた当初の事を振り返りながら「近所付き合いで色んなことを教えてもらった。聞きやすい、教えてくれる、みんな親切でいじわるな人がいない」と話してくれました。

そんなご主人、料理人から豆腐屋への転身についてはどうでしたかと尋ねると、急に顔つきが職人のそれに変わります。
「豆腐作りは水とにがりのみ。非常に難しい。商売としては、食に関する職業の人だけでなく、色んな界隈の人たちとの繋がりや付き合いを広げて、多種多様なお仕事をいただいている」
穏やかな表情ながら職人の顔を見せるご主人。
言葉の端々に拘りの強さを感じて、豆腐を作る上でのポリシーを尋ねるとと、「自分の欲しいものより相手のニーズ 」というキーワードが出ました。
「自分がやりたいことよりも、相手のリクエストに応える、相手が求めているものを作るようにしている」、「相手が欲しいものに今までの経験を重ねたり、出店するイベントの空気感や雰囲気に合わせ、和食以外のものも作ったりする」という意外なお答え。
筆者としては、職人というものは絶対に己を曲げず、妥協もしない、といったイメージがあったのです。
ところが、次の言葉を聞いて、大納得しました。
「味に繋がらないことはしたくない」
「ヘルシーさだけを求めて味は二の次で終わるのではなく、美味しさの裏側に素材の良さ、成分の割合があるもの。味に繋がってこそ」
そう力説するご主人。奥さんと試行錯誤しながら作り出すさがのやさんの商品は、大豆の割合が上位、おからや豆乳をふんだんに使用した上で、味も大切にしているのだとか。

ここで「良かったら食べてみてください」と、冬季限定の柚子豆腐が登場。
筆者のテンション、今日イチで最高潮。
「いいんですか!?」と言い終わらない内にスプーンを掴み、いただきました。

ふわふわの見た目からは想像もつかない程、豆の味がしっかりとしているのでお醤油が不要です。
胃に優しそうな温かさで、朝ごはんやあまり食欲の無いときにとても良さそう。そう感じました。
ささやかに拡がる柚子の風味に隠れて、味覚の端で微かに主張する唐辛子の気配。
よーく見ると赤い粒が見えます。

もう一点、試食させて頂いたのは、豆腐の味噌漬け。

一口食べて、衝撃。
「豆腐の味噌漬け」というワードからは想像もつかないくらい、イタリアンなお味と食感。
「週末に、ワイン片手に映画を見ながらおつまみにするイメージで、クラッカーとか野菜に付けて食べてもらえたら」と笑顔のご主人。
分かります。すごくよく分かります。
これは白ごはんじゃない。
今すぐクラッカーにディップしたいです。
味の想像がつかない、という方。ぜひご賞味ください。
筆者の数少ないボキャブラリーを総動員しても「クリームチーズみたい」という事しか言えないのですが、クリームチーズよりもカロリーが低く、胃もたれもせず、まさに、「ヘルシーなだけでなく、味に繋がっている」んです!

大興奮のまま、あっという間に時間は過ぎ去ります。
少しの時間でしたが、豆腐に懸ける想いや商品開発を語ってくれたご主人。
お店を出ようと扉を開けると、目の前に広がった商店街の光景に、試食させて頂いた柚子豆腐の優しい香りの記憶が重なります。
先日、からあげ店を取材した時にも感じた事ですが、商店街とお惣菜の香りって、なぜこんなにも相性が良いんでしょうね。

帰り際に、こちらの商品を購入いたしました。

このボリュームが二つ入りで550円!
食卓に優しいお値段……しかも、外側のあげも中に詰められた具材も全て手作りと分かっているので、安心感があります。
生産者の顔が見えるって大切ですね。
さっそく、夕飯のおかずにしました。
真空状態で冷凍してあるので、袋のまま湯煎します。中火で、だいたい6分~10分程度。

袋を開けてお皿に盛るだけという手軽さにどことなく罪悪感。
こんなに楽でいいんだろうか。
そんな気持ちから逃れるため、見本の写真にならってネギを盛ってみました。

巾着の中には、キクラゲと氷見牛とお餅の3種の具材がぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、箸を差し入れた場所からほろりと零れそうになるキクラゲや氷見牛に、とろとろに溶けたお餅が良い具合に絡んで引き留めます。
あっさりとしているのに、しつこすぎない絶妙なしっかりとした味付け。
上品な口当たりの和風出汁と、罪悪感から添えたネギの歯ごたえがアクセントになって、完食するまでの間に「これが一つ275円だなんて信じられない」を何度言ったか分かりません。
美味しいものを食べ終わった後の、食事に対する満足度が凄かったです。
使う素材選びにも、組み合わせや味のバランスにも、お皿に盛りつけた時の見た目も、全ての工程にご主人のこだわりが息づいているのを感じて、「味に繋がらないことはしたくない」「全ての商品に思い入れがあり自信作」の言葉の意味が分かりました。
インタビューの最中にご主人は「自分は天才タイプじゃない」と仰っていましたが、この味、触感や見た目のバランスはご主人のひたむきな努力や想いの結晶の内のひとつであると確信しました。
そして、こんな風に商品ひとつひとつに想いや信念、こだわりを込めて商売をしている方が、この商店街にはまだまだいらっしゃるのかもしれない、とも。

「さがのや」さん、そして筆者宅のある氷見商店街は、筆者が幼い頃は活気にあふれていて、八百屋の店先には新鮮な野菜が並び、魚屋のショーケースには朝どれの魚や、透明感のある刺身や焼き魚が並び、精肉店からは揚げたてのコロッケの匂いが行き交う人の空腹をつついて誘うように漂っていました。
人の数、ではなく、笑顔や声や足音、そういった『人のぬくもり』がそこにありました。
その記憶も徐々に色あせつつあって、寂しくもあり、時代の流れと共にそれも仕方のない事だと思う気持ちもありましたが、こうして商店街を歩いてお店に入り、作り手から直接商品を受け取ると、人のぬくもりが確かにここに存在している事を感じました。

 

さがのや/(有)坂津豆富店

◇ 定 休 日: 日祝
◇ 営業時間:(月~金)9:30~17:30 (商品なくなり次第終了)
(土)  前日までのご注文のみ受取可

◇ 住  所: 富山県氷見市本町9-4
◇ 電話/FAX: 0766-72-0575
◇ Facebook: @saganoyatofu

山の中の癒し空間「Cafe 芽衣」

3月。別れの季節でもあり、これから始まる新しいあれこれへの期待に胸を躍らせる季節でもあります。
見習い相談員の岸本です。
市内にある筆者の好きなカフェも、しばらくお休みされていたのですが、この3月から営業を再開したと聞いて、行ってまいりました!

氷見駅付近にある筆者宅から山に向かって車で進む事、約10分。
山の緑に囲まれるようにして、可愛い外観が見えてきました。

車から降りると、肌に染み込む様な澄んだ山の空気に、思わず深呼吸。
これから訪れる春の陽気に、少しだけ冬の名残の冷たさが残っていて、それがなんとも気持ちいい。
筆者の家は海の近くなので、どうしても徒歩でふらっと行ける海岸沿いに行きがちですが、定期的に山の空気も吸いに来ようと決めました。
階段を上がると、お伽噺に出てきそうな可愛らしい雰囲気のドアを開けます。

柔らかな光に満たされた、優しい雰囲気の店内です。
穏やかな笑顔の店主が迎え入れてくれました。

紅茶とお菓子をお願いしました。

普段はケーキもありますが、本日のお菓子は氷見産そば粉のクッキー。
優しい甘みと軽い歯ごたえ、店内の柔らかい雰囲気も相まって、
なんていうか、こう、……

このままここで眠れそう……ここにお布団敷いてください……

そんな不思議な安心感に包まれます。

お茶を飲んでいるうちに空がすっかり雨模様。
しとしとと静かに響く雨の音も良いですが、晴天の日に窓から見える景色がこちら。


(撮影:5月)

の、

のどか……!!!!!!!!!

緑って、疲れ目に効くんですよ。
画面を見すぎなオタクの目に緑が沁みます…

店内に飾られた絵は、常連客の方の作品だとか。

柔らかな淡い色使いの中に隠されたメッセージ性を感じてしまい、思わずじいっと眺めてしまいます。
それにしても、癒し効果が凄い…
まさに山の中の隠れ家と呼ぶに相応しい空間です。
優しい店内の雰囲気に癒されて、美味しいお菓子とお茶が心に栄養を与えて、ゲームのやりすぎで疲れた目を緑で癒して、透き通った山の空気を肺いっぱいに吸いこんで……
色んなものがリセットされる感覚があります。
それはまさに、毎日の生活からふと抜け出して、田舎に帰ってきたときの感覚と似ています。
私はもう生活を実家に戻したので、「日常から離れて故郷に帰省する」ということが無いのですが、概念としてのそれを久々に味わった気がします。

時間が遅かったので、店内のお客さんは筆者卓だけ。
店主の方がお店を再開した経緯や、お客様とのご縁について話してくれました。

ケガや病気を乗り越えた時に、お店との向き合い方も変わって、誰かの為ではなく、自分が楽しみながら時間を過ごせるようなお店にしようと思ったのだとか。
「一人でふらりと来て、ゆっくりと1対1で静かに話したり、会話はしなくてもぼんやりとしたり。そんな場所にしてもらえたら」と思いを語ってくれました。
市内外だけでなく、県外にも様々なご友人やお知り合いが多い店主は、性別、人種、多岐にわたって「よそ者」という考え方が無くなって欲しいという想いがあり、氷見もそういったオープンな場所になって欲しい、とも。
穏やかな口調ながら、熱い気持ちを抱いていらっしゃるのが垣間見えて、打つ相槌も自然と強くなりました。

閉店の時間までたっぷりとお話をさせて頂いて、お店を出ると雨が上がっていました。

静かな場所でお茶を楽しみたい時、癒しの空気に包まれたい時、訪れてみては如何でしょうか。

「小さなカフェ 芽衣」
住 所:氷見市北八代483
電 話:0766 74 6532
ブログ:https://ameblo.jp/hatumemei/
(営業日、時間等は上記のブログでご確認ください)

海辺の町暮らしの良さを噛みしめる春

氷見は鮮魚のイメージが強いですが、春先にはとっても美味しい天然のワカメも獲れるって、ご存知でしたか?
氷見生まれ氷見育ちの筆者も実は知りませんでした(笑)
見習い相談員の岸本です。
そもそも、ワカメや昆布のような海藻類に味の違いを感じた事の無い人種だったのですが、「天然のワカメは風味が全然違うよ!」と聞いて、早速スーパーへ。

ありました。これが氷見産、天然生ワカメ。
ひとパックがこんなにもお安いのは地元価格なのだとか。
ケースの前にいたら鮮魚店のおじさんが食べ方や調理方法、保存方法を教えてくれました。
真水で洗ってから、さっと茹でてポン酢だけでもいいし、食べきれなければ冷凍するか、干して乾燥させておけばいいそうです。

そんなわけでさっそく買って帰って夕食にいただきました!
我が家の定番レシピ、きゅうりと和えた酢の物です。

食べてみると、確かに乾燥ワカメと全く違った美味しさ!
これまで食べてきたワカメはペラペラっとした薄いものでしたが、これは肉厚な歯ごたえがあって、磯の風味がしっかりと舌の上に広がります。

食べきれなかった分は、教えてもらった通り、干しました。じゃじゃん。

ワカメを抱えて、さてどうやって干そうかと悩んでいたら、母の手によってあっという間にこうなりました。
今年はありがたい事に晴天の日が多くて、しかしながら風はまだまだ冷たいので、日光と程よく乾燥した空気と寒風という、非常に良い条件で干されていきます。
我が家から海岸までは非常に近いので、時折、車が走り抜けていく音の隙間に波の音が聞こえて、春風に靡いてベランダでそよそよと泳いでいる緑色を眺めていると、海辺の町の中に自分の暮らしがあることを実感します。
干すと旨味がぎゅっと濃縮されてまた一味違った美味しさを楽しめるらしいので、楽しみですね。

そして、海辺の暮らしといえば、こちらも!
ワカメを買いに行ったときに立ち寄ったホームセンターで見かけた、ホタルイカ漁コーナー!

氷見の浜ではホタルイカは獲れませんが、ホタルイカで有名な魚津や滑川までは車で約1時間半。
ちょっと遠い…なんて思いますか?
なんと、氷見から車で約15分の雨晴海岸でもホタルイカを獲ることが出来ます!
そのため、漁の解禁時期になると、こうして氷見のホームセンターに専用道具コーナーが出現します。
筆者はホタルイカを獲りに行ったことはありませんが、このコーナーを見かけると、「そろそろホタルイカの季節か」と感じます。
手袋、保冷用の箱、頭に装着するライト(懐中電灯)、画像には映っていませんが長靴やバケツもあります。
そしてここにご注目。

ホタルイカは新月の日に現れるそうで、日程も書いてあるという親切設計。
「網とバケツ、懐中電灯を持って行ってみよう!」という言葉通り、揃っています、必要品。

アルミスライドネット 二段 ―丸型―

なんだか、アニメ好きの心にひどく刺さります。
効果音を付けながら叫びたくなる商品名。二段、というところに変形ロボットの系譜を感じます。
強そうです。たくさん獲れそうな気がしてきました。
富山県民でありながら人生の内でホタルイカをそこまで食べてこなかったのですが、我が家の母が「たこ焼き器を使ってアヒージョにしたらすっごく美味しいのよ!」と教えてくれました。
にんにくと鷹の爪で香りづけしたオリーブオイルにホタルイカ……想像しただけで、いや、想像しなくてもそんなの絶対美味しいに違いないです。
生唾を飲み下ろし、喉をごくりと鳴らしながら思いました。
絶対に食べたい。
今年の春には、頭にライトをつけ、アルミスライドネット二段丸形を装備した筆者が新月の夜の海岸に現れるかもしれません。

海辺の暮らし、体験して楽しい、食べて美味しいの二重丸だと、少し早く訪れそうな春先にワクワクしています。