氷見に移住されたみなさんにインタビューし、リアルな声をお伝えする【ひみ暮らしインタビュー】。
シリーズ4回目は、今年1月に氷見へ帰郷された松木佳太さんからお話を聞きました。
「氷見を面白い場所にしたい」という松木さん、その第一歩目として今年夏、海沿いに「観光客と地元の人と交流ができる旅館」をオープンされる予定です。
帰郷した際の思いやこれからの活動について、2回に分けてご紹介していきます。
1回目は松木さんのバックボーン、これまでの経緯や氷見への思いについてお聞きしました。
西田
松木さん、こんにちは!
早速ですが、氷見に帰郷されるまでの経緯を教えてもらえますか?
松木さん
僕は高校卒業まで氷見に住んでいて、大学入学を機に大阪へ引っ越しました。大学では経営学を専攻して、卒業後はそのまま大阪で、経営コンサルティングの会社に就職しました。今年1月に氷見へ帰ってきたので、大阪にはほぼ8年いましたね。
西田
だから時々関西弁が出ているんですね!
氷見へ帰ってきて、今はどちらにお住まいなんですか?
松木さん
氷見市内の実家に住んでいますよ。父は氷見で不動産業を営んでいて、兄と姉がいます。2人とも僕と同じく富山県外で暮らしていたんですが、兄がつい最近氷見に帰ってきました。父の不動産業を継ぐんじゃないですかね。姉夫婦も最近氷見に帰ってきて、5月から干物屋を始めるために、市街地の中央町商店街にある空き店舗を改装しているところです。兄弟同士ではとくに連絡を取っていなかったのですが、なぜか兄弟全員、同じ時期に氷見へ帰ってました。偶然ですね(笑)。僕は今、氷見で旅館をつくろうと思っているので、完成したら姉夫婦の干物屋と連携していきたいです。宿泊者に干物作りを体験してもらって、翌朝の朝食で食べていただくとか。
西田
ご兄弟そろって氷見を盛り上げてくれそうですね!
松木さんがつくろうとしている旅館についても詳しく伺いたいのですが、それは後ほど…。まずは氷見に帰ろうと思ったキッカケを教えてください。
松木さん
一番大きなキッカケは「2040年消滅可能性都市」に氷見がランクインしていると知ったことですね。18年間生活していた氷見がこういう危機になっているのは面白くないなと思って。それを止めようと思って帰ってきました。と言っても、社会的な使命感に駆られて、という感覚ではないんですけど。
大阪に住んでいた時は遊ぶ所もたくさんあって楽しかったんですが、10年後に自分がどうなりたいのかっていうのを考えて生きれていなかったと思うんです。これからの人生を面白くするためにどうしたらいいかを考えたとき、夢見た世界を全力で掴みに行っている時が一番楽しいやろうな、と思って。で、夢を設定するときに、周りの人に共感してもらえるものにしようと考えました。応援して、一緒に活動してくれる人がいる方が面白い活動ができると思ったんです。あとはやっぱり良い暮らしをしたいので、社会性と収益性を併せ持った夢を探していました。そんな時に「2040年消滅可能性都市」について知ったんです。そこで思いついたのが「氷見市を行列のできるまちにする」という夢です。氷見に来たい人が増えすぎて順番待ちができる場所になるよう活動していくと、これからの僕の人生を面白くできそうやな、と思ったんです。
西田
8年ぶりに氷見で生活してみて、いかがですか?
松木さん
「やっぱり氷見っていいな」と思いました。まず、人と土地面積の割合が丁度良いですね。まちを歩いても2、3人としかすれ違わない、でもイベントをやるよと声をかければ人は集まってくれるし。都会の人混みも楽しいけど、腰を据えるなら氷見の人口密度がちょうどいいな、と感じます。あと、いまの時代はネット注文で欲しいものは揃うので、「田舎だから不便」というのはあまり感じません。強いていうなら僕の部屋にネズミが出るくらい(笑)。
西田
確かにお祭りの時とかって、びっくりするくらい人が集まりますよね。「氷見の何処にこんなに人が居たんだ!」って思うくらい。
松木さん自身、この前氷見でイベントを開催されてましたよね?
松木さん
「20・30代の集まり」っていうイベントを開催しましたよ。まぁ、有り体に言えば合コンなんですけど(笑)。最初に知り合い10人くらいに直接声をかけ、その人たちにそれぞれ2〜3人連れて来てとお願いして、結果的には40名ほどが集まりました。面白いことをやろうと思えば賛同してくれる人が結構おるんやな、と実感できたイベントでした。氷見は田舎だって言うけど、面白い企画を考えてきちんと宣伝すればビジネスも成り立つ、という手応えも感じました。
「20・30代の集まり」の様子。松木さんが現在計画している、「観光客と地元の人と交流ができる旅館」へとリノベーションされる予定の元民宿で行われました。
西田
田舎だからこそ、面白いイベントやビジネスが入り込む余地がまだまだありますよね。
先ほど、「氷見市を行列のできるまちにする」という夢があるとおっしゃっていましたが、詳しく教えてください。
松木さん
氷見を全国の人に知ってもらって、来たいと思われる場所にしたいと考えています。都会に住んでいる人って今の生活に何らかの違和感を感じていると思うんですよ、僕もそうだったんですけど。でも、その違和感から実際の行動、つまり移住っていう行動に移せる人って全体の1%もいないくらいなんですよね。「田舎には知り合いもいなくて不安だ」という理由で。そういう何かちょっと行動を起こそうとしている人にキッカケを与えられるような場所をつくりたいです。
次回は、“何か行動を起こそうとしている人にキッカケを与えられるような場所”となる「観光客と地元の人と交流ができる旅館」について、そして松木さんのこれからの天望について詳しくお聞きします。お楽しみに!