こんにちは!見習い相談員の西田です。
突然ですがみなさん、「ながらも」ってご存知ですか?今回は氷見の隠れた(?)名産、美味しい海藻のお話です。
「ながらも」とはザックリ言うと、氷見で多く獲れる長〜い海藻です。
氷見では昔から食べられてきた食材で、正式名称は「あかもく」。成長すると長さが7~10mほどにもなり、“成長したものが、横に流れるように見える”“富山湾特有の寄り回り波のときに、一夜のうちに流された”といった説から氷見では「ながらも」と呼ばれています。
ちなみに、秋田では「ぎばさ」、山形では「ぎんばそう」、新潟では「ながも」、島根では「はなたれ」など様々な名前で呼ばれているそうです。島根のネーミングセンスに脱帽です。
日本各地の沿岸に分布していますが、氷見には大きな藻場があることから名産となっています。この藻場、魚の産卵場所や稚魚の住処となっているため、取りすぎると漁獲量や資源保存に影響が出るのだとか。なので生育状況などによって漁の期間を定め、収穫量を制限しているんだそうです。
氷見では1月中旬〜2月に水揚げされることが多く、今年(2018年)は1月14日にながらも漁が解禁されました!この短い期間中にだけ、スーパーや魚屋さんで袋に入った生のながらもが手に入ります。見つけたら即買いですね!これ以降は、冷凍された状態で手に入れることが出来ます。
なにより、栄養素スペックが物凄く高いのが「ながらも」の特徴です。カルシウム・マグネシウム・鉄などのミネラル類、フコダイン、フコキサンチン、ポリフェノール、ビタミンKなどなど。体に良いとされているこれら栄養素の含有量が、ワカメや昆布よりも多いそう。すごいぞ、ながらも!
肝心のお味は、めかぶのようにシャキシャキで、刻むと山芋のようにネバネバとのこと。これは食べてみなければ!!ということで買いに行ってきました。
2月初旬、ひみ番屋街の中にある魚屋さんにお邪魔しました。今年は漁獲量が少なく漁も終了したとのことで、先日水揚げされて冷凍したながらもが販売されていました。今期のながらもは残り2袋、私が1袋買ったので残り1袋…。希少です。
買ったは良いものの、どうやって食べたら良いのか…。困ったので、魚屋のお母さんに聞いてみました。
「ながらもは湯がくんじゃなくて軽く湯通しするので十分。お湯にサッと通すと鮮やかな緑色になるから。」
このドス黒い緑色が鮮やかな緑になるの!?
「そのまま酢の物にできるし、お味噌汁に入れたり。包丁で叩いてトロロのような状態にしてご飯にかけて、玉子も乗せたらサラサラっと食べれるよ。刻んで天ぷら粉にくぐらせてかき揚げにしたり、変わったものだとチヂミとかお好み焼きとかに入れても美味しいから。」
韓流にも関西風にも美味しいなんて、ながらも万能!
この日購入したながらもは、1袋約570gで1500円。隣のお魚屋さんには約半量半額のながらもも売られていました。
帰って早速、レッツクッキングです。
ながらもの袋を開けると、磯の香りがブワッと広がりました。この香りだけでご飯が食べれそうなぐらいです。
とりあえず魚屋のお母さんに聞いた通り、軽く湯通しします。
正直、あまり美味しそうじゃないな…と思っていた黒い物体が、お湯に入れた瞬間に鮮やかな緑色に!
綺麗な色に変身したながらもを包丁で叩きます。ひたすら叩きます。
段々粘り気が出てきました。これは間違いなく美味しいネバネバです!今すぐ醤油かけて頬張りたい。
本日のメニューは、ながらも丼とながらもお好み焼き。関西出身の西田は粉物をおかずにご飯食べる派です。
ネバネバながらもを2分割にして、片方は卵白と合わせて、もう片方は小麦粉と出汁と合わせて…。
ちなみにお好み焼きにする場合は、ながらもが水分を持っているので小麦粉多めで作るのがオススメです。
余ったながらもは、湯がいてそのままの状態で豚汁の上に浮かべました。
氷見deながらも定食の完成です!
ながらも丼とながらもお好み焼きは磯の香りが良く立っていて、たっぷりの山葵がよく合います。さすが海の幸!
ながらも丼のネバネバ具合は山芋ぐらいでしょうか。ながらも本来のコリコリシャキシャキの食感がアクセントになって、ご飯がズルズルっと進みます。
叩かずに豚汁に浮かべたながらもは、ワカメや海苔の役割になって良い香りです。
とにかく、磯の香りとネバネバコリコリの食感が堪らなく美味しいんです。山葵をつけたら最強の美味しさです。
こんなに美味しいのに1年のうち2週間ほどしか獲れないなんて…。来年は沢山買って冷凍保存しよう。
ながらもを叩いてご飯の上に乗せたながらも丼は、氷見では「海とろめし」と名付けられており、市内旅館等や一部飲食店でいただくこともできます!
旅館等で昼食夕食だけでなく、朝食にも目を向けて氷見の魅力をもっとPRする「めざせ!日本一美味しい朝食プロジェクト」の一環で、市内旅館等の朝食や一部飲食店で提供される「海とろめし」。ネバネバのながらもをアツアツのご飯の上にのせたものを基本形として、卵白を入れてフワッとさせたり、刻んだナガイモと和えたり、漬物を入れたりと、お店それぞれの「海とろめし」を楽しむことができます。
実施店舗や提供時期、詳しい情報はこちらからご覧ください!
『健康と美容の海藻「ナガラモ」漁解禁!』
栄養素満点で、磯の香りと食感が美味しくて、氷見の魅力PRにも一役買っている「ながらも」。こんなにポテンシャルが高い食材、知らないと損ですね。
全国的に有名寒ブリや氷見牛以外にも、ながらものように地元の人だけが知る旬の食材が氷見にはたくさんあります。地元のスーパーやお魚屋さんに行くと、観光情報とは一味違う、生活に寄り添った氷見の美味しさに出会えるかもしれません。