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2018.05.07

漁師町らしさを感じられる伝統の祭り「唐島大祭」

藤田智彦
藤田智彦
移住相談員
氷見の沖合に浮かぶ丸くてかわいらしい島、唐島。
氷見らしい風景のシンボルとして写真などによく収められるこの島の名前を冠したお祭りがあります。
それが唐島大祭。
氷見3大祭礼のひとつに数えられ、毎年5月3日に行われています。氷見の中心市街地浦方3町(魚取社を持つ湊町、濱町、今町)と祭礼を取り仕切る光禅寺町内の中町により古くから行われています。
今回は豊漁と海上安全を願う漁業祭として市民に親しまれるこちらのお祭りの様子をお伝えします。
 
 


 

午前11時、光禅寺には各町の宿を出発した祭り連中が続々と集結します。
事前の予報では雨風が酷いとのことで開催も危ぶまれていたものの、雨は朝方には上がっていました。風が強く肌寒くはありますが無事に開催できそうです。
まずはこちらで読経があり、正午の鐘を聞いて巡行がはじまります。
 


 

唐島大祭の大きな流れは、光禅寺の弁才天像を納めた厨子の載る神輿と4町の太鼓台による市内巡行、漁業交流センター前での獅子舞共演、そして船で唐島に渡っての獅子舞奉納というものです。
各町内は合わせてそれぞの町内での獅子舞マワシもあるため、世帯数の多い町内では朝方からはじまり唐島大祭の巡行を挟んで夜中まで続くところもあります。
 


 

太鼓の音を響かせながらそれぞれの町内を縫うように練り歩き、漁港を目指します。
 


 

漁港施設を回って敷地内にある漁業交流センターへ。
こちらでは昨年獅子舞を休止した濱町を除く3町による獅子舞共演が見られるとあって多くのお客さんが集まっていました。
「イヤサー、イヤサー」という威勢のいい掛け声と、漁師町らしい荒々しくも洗練れされた舞に観客も沸き立ちます。
 


 

共演から各町の単独演舞があり、それが終わると年行司の町内は船に乗って唐島に向かい、唐島弁天堂に獅子舞を奉納することになっています。
しかし今回は強風が収まらず渡航は中止。
その画が見られなかったのは残念ではありますが、あくまで海上安全のお祭り、安全第一です。
 


 

と、ここで一段落。あとはそれぞれ自分の町内に戻り獅子舞を回します。
 
 
取材もここで終わりと思いきや、撮影のなかで湊町の知人から声を掛けられ晩に行われる「終演の集い」にお誘いいただきました。
光栄なことなのですが、少し恐れ多い気持ちになりました。
というのも湊町という町内にとってこの「終演の集い」は特別な意味を持っていたからです。
 
湊町の獅子舞は今年度をもって休止することが発表されていました。
原因はやはり人口減少。
地元を離れる若者が増え、現在獅子舞に参加する町内の高校生は1人だけ。獅子舞を担う「湊祭乃会」会員の年齢も上がり、多くは町外に暮らす地元の出身者となっているそうです。
明治時代にはじまり太平洋戦争での中断を越えて現在まで続いてきた伝統が、ここでひとつの区切りを迎えます。
余所者ながら感傷を覚えつつ、ご厚意に甘え参加させていただくことにしました。
 
夜10時、湊町の宿を訪ねるとすぐ近くで獅子舞を回しているから見てくるとよいとのこと。
まずはそちらの様子をみにいきます。
細い路地もすべて回って獅子舞を演じ、家主はそれを玄関先や座敷から見守ります。
これを一日中繰り返すのですから、獅子舞にかかるエネルギーというのは本当に大変なものであると実感しました。
 


 

しばらく町マワシの様子を鑑賞して宿に戻ります。
お誘いを受けて入った座敷にはお酒と料理、そして過去の祭りの映像がスクリーンに映し出されていました。多くの方は獅子舞の方を観に行っているのか座敷に座る方は少なかったですが、映像を観ながら思いで話に花を咲かせていました。
 


 

歓談していると太鼓の音が近づいてきました。
人も続々と集まりだし、いよいよ終演の舞がはじまります。
 


 

11時。演舞スタートです。
 


 

今日は日中にも獅子舞を観ていた訳ですが、同じ演目でも夜の獅子舞はまた雰囲気が違います。
灯りに照らされながら軽快に舞う天狗と豪快に猛る獅子。
 


 

代わる代わる演目が披露され、間には元青年団のおじさまたちが舞う姿も。
 


 


 

三方に礼をしてから、楽しそうに演じる姿が印象的でした。
 


 

日付も変わるころ、最後の演目「シシゴロシ」がはじまります。
道の両端で火を焚いてまずは天狗と獅子が一周。
そしてここから戦いがはじまります。
 


 


 


 

40分ほどの決闘を経て、最後には天狗が刀で獅子を退治。
天狗は獅子に跨って担がれたまま宿に入って祭りが終わりを告げます。
 


 

終演後はみなさん晴れやかに、どこか名残を惜しむように、談笑や記念撮影をされていました。
そんな風景をみながら私はここでお暇することに……
 
町内での獅子舞を終えた湊町。8月には伊勢神宮での奉納が行われることになっており、その奉納を持って休止となります。
しかしこの決断は「獅子舞の型が残っているうちに」というのが理由であり、「湊祭乃会」の保存会としての役割もあって、二度とみられないものではありません。
戦火によって中断された獅子舞が戦後復活して今日まで伝えられてきたように、この伝統文化を守っていくことでまたこの地で舞われるようになる日も来るのかもしれません。
 
最後は個人的な願望の話になりましたが、ともかく「湊祭乃会」のみなさま、そして唐島大祭に関わった町内のみなさま、朝から晩までの長い時間本当におつかれさまでした!

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