氷見への移住を検討した時に、ぱっと思い描く「氷見で暮らす家」ってどんなイメージでしょうか?
農作業も出来るくらい大きな庭のある山間部の一軒家も魅力的だし、町の機能がぎゅっと詰まった中心市街地の中の家も暮らしやすいと思います。
氷見の中心市街地に立ち並ぶ家は、所謂「うなぎの寝床」と呼ばれるような細長い造りになっていて、お隣さんと外壁を共有しながら隙間なく立ち並んでいる家が殆どです。そのため、冬になると屋根の雪を降ろす場所が無いので、雪を捨てるための小さな中庭があります。
筆者が幼い頃は、子供の背丈を超えるくらいの積雪がありましたが、近年は積雪30センチがピークといったところです。
筆者の家にも中庭がありますが、最近はもっぱら雪下ろしの為ではなく、家の中で四季を感じさせてくれる存在となっています。
春。新緑が鮮やかで、窓を開けっ放しにしていると、ふっくらと水気を含んだ苔の上を滑って吹きこんでくる風が、家の中を春の匂いで満たしてくれます。
時々、名前も分からない小鳥が枝にちょこんと停まって可愛い声を聞かせてくれたりもします。
こちらは夏のとある日の一枚です。
古い家なので冬は少し冷え込みますが、反面、夏は冷房いらずの何とも言えない涼しさがあります。
強い夏の日差しと、作り出される濃い影のコントラストを楽しみながら、縁側に腰を降ろして昼食をとりました。(完食後だったので食器のみの写真ですみません)
打って変わって、冬です。(この写真は昨年の1月に撮影したものです)
今年は暖冬で雪の気配もまだありませんが、毎年、雪化粧という表現がぴったりなくらいの積雪があります。
縁側で温かいお茶を飲みながら、湯呑から立ち上る湯気の向こうに雪景色を眺めて「冬だな」と感じると心がほっこりします(^^)
我が家では、この庭づくりが祖母の趣味のひとつです。
朝は雑草をとり、苔の手入れをして、水を撒きます。
窓からふわっと香ってくる苔の瑞々しい匂いと、ホースから飛び出す水しぶきがガラス戸を叩く音で目が覚めると、まだ朝の6時。二度寝をしても、そのまま潔く起床して早朝の空気を味わっても気持ちのいい時間です。
苔にも和風庭園にもさほど興味が無かった筆者ですが、季節ごとに様々な表情を見せてくれるこの中庭と共に過ごす内に、ふと、玄関から自室へ向かう足を止めて縁側に腰を降ろし、ぼうっと緑の風景を眺めるようになりました。
楓の木の葉が緑から赤に変わる頃には、お茶とお菓子を用意して縁側でプチ紅葉狩りを楽しんだこともあります。
空き家情報バンクに登録されている物件にも、小さな中庭付きの家がいくつかあります。
筆者の家の中庭よりも大きなものもあれば、コンパクトなものまで大きさは様々。
家の中の小さな庭を自分好みに作り込んで、移ろいゆく季節を間近で楽しんでみてはいかがでしょうか?