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2022.04.05

氷見暮らし体験記

fws.staff
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ふるさとワーホリスタッフ

「立山に 降り置ける雪を 常夏に 見れども飽かず 神からならし」 大伴家持 立山に降り積もった雪を夏中見ていても飽きない。神山の名に背かないことよ 

こんにちは!ワーホリ生の木下祐里(きのした ゆり)です。 
初めに紹介したのは、かつて越中国の国守として、5年間富山に滞在した大伴家持が万葉
集に残した歌です。奈良時代から現在まで約1200年の年月を経て、今もこうして歌が残 っていること、同じ景色を感じることができることがなんだか不思議な気分です。 私も10日間滞在している中で、うっすら立山を見ることができました! 目を凝らして見ていただければ分かるはず、実際に見るともっともっときれいです。 
そんな氷見での暮らしももう終わり。あっという間だったのに沢山学ぶことができた充実 した 10 日間になりました。今は埼玉に帰ってきてこの記事を作成しているのですが、友達に富山で学んだことを沢山共有してしまうし、街中にある富山関連のものに敏感に反応 するようになりました。すっかり富山に染まってしまったみたい。 
そんな氷見との暮らしをまとめていこうということで、「自然」「人」「食」の三つに分け て紹介していこうと思います。 
まず気候や風景、自然について! 
冬の埼玉はほとんどカラッカラの晴れです。しかし、富山は日本海側ということで10日間のうち晴れの日は半分あったかないかという感じです。湿度は十分で乾燥に悩んだりは しませんでした。だけど巻いた前髪は朝 30分でもとに戻ってしまいます。富山のJKはどうしているのか聞いてみたい。 
晴れの日に思う存分、景色を楽しみました。 

初日に行った大境洞窟は縄文時代と弥生時代の新旧が分かったほか、中世までの6層の文化相が発掘された洞窟です。 

その裏にある九殿浜遊歩道。急な坂道を頑張って登った先にはこの景色! 

天気が悪い日はというと、私は宿泊先も勤務先(みらいエンジン)も商店街にあったため 雨に濡れることはあまりなかったです。なぜなら…

天才すぎるこの商店街の屋根のおかげ!!!この屋根かなり長く続いていて、みらいエン ジンから氷見駅まで歩くとしても約半分は、この屋根とキャラクターたちが私を雨から守ってくれました。 
続いて、私がこんなにおいしいものをたくさん食べたことはないくらいに充実していた「食」について。 
様々な方々とお話しながらおいしいご飯を食べる時間がものすごく幸せでした。

今の季節の魚は寒ブリの時期が終わり、「ホタルイカ」「白エビ」「イワシ」によく巡り合 いました。白エビは富山湾で獲れるお魚なので初めて食べましたが、ほんっっっとに美味 しい!エビとは思えないほどの濃厚さと、とろける食感。なのに、後味はすっきりする魔法のエビです!

氷見うどんから、ミシュランガイド北陸 2021のビブグルマンの評価を受けたラーメン屋 「貪瞋痴」まで種類豊富な氷見グルメ!氷見うどん海津屋のお土産が買えるお店が併設さ れており、柚子麺や昆布麺と生地に味があるうどんや、ばち麺と呼ばれる長さの短いうどんの切れ端を集めたものがお得に販売されており、マカロニの代用やお味噌汁に入れると美味しいそうです。

私は野菜で苦手なものが多いのですが、そんな野菜嫌いを克服できそうなくらいおいしい「イタリアンキッチン オリーブ」。氷見で獲れたオーガニック野菜をふんだんに使った料理が楽しめます。

「考えるパン KOPPE」は水曜日と土曜日が営業日なのですが、営業日は必ず訪れてしまうほど大好きでした。お気に入りは写真の「カヌレドボルドー」。「干し柿とチョコのカンパーニュ」といった普段あまり見かけないような種類のパンもあるので、全部食べてみたくなっちゃいます。 
これらの食べ物はすべて氷見市内にあり、氷見のプロ、みらいエンジンの藤田さんによる と、「1か月毎日外で食べても違うお店を案内できる」と氷見市の美味しい飲食店の多さを伺わせる発言も。頼もしい。 
さらに、量が多いのに値段は安い、そしてとても美味しい!!!コスパの良いお店が多いのでとてもおすすめです。 
最後に「人」です。

これは、自転車でフラワーアレンジメント教室に行ったら持って帰れないことが発覚し、 お休みの日なのに来てくださったみらいエンジンの藤田さん。 
みらいエンジンでお世話になった方々のほかにも、普段生活していたら出会うことのできないような様々な経験をしてこられた方々と交流することができました。豊富な経験を積んだ方々のお話は、今まで自分になかった考え方や価値観を新たに発見できました。 
ワーホリの終盤に氷見市海浜植物園で行われた「学んで、話して、楽しむ。氷見ではじめるラーニングツアー2日間」というイベントの中の、「ソーシャルビジネスについての講演 &座談会」に参加しました。イベントに参加する全国から集まった皆さんとグループワークをして、代表1名が話したことを全体に発表することになり、自分よりも年上の方々が 沢山いる場で発表なんてそんなそんな…と消極的になっていると「何事も経験だよ。失敗したって大丈夫~!」と背中を押してくれるグループの方の一声に、なんだか吹っ切れてマイクを手に取ることができました。小さな事かもしれないけど、今までそのような場面をなるべく避けてきた私がその場面に向き合えたのは、地域のために、新しいことに果敢 にチャレンジする氷見の方々の背中から、経験が成長につながることや前向きに生きる大切さを学ばせて頂いたからだと思います。

ハンドボールと町おこし、主体性の大切さについて教えていただいた徳前紀和さん。徳前先生は男子が三冠を達成した氷見高校ハンドボール部の総監督であると同時に、氷見高校の教頭であり、ハンドボールで地域を盛り上げる理念を掲げた富山ドリームスの専務理事でもあります。 
富山ドリームスについてはこちらのURL御覧ください。 
一般社団法人 富山ドリームス

「ハンドボールを核とした町おこし」が氷見市のスポーツ推進計画になるほど氷見市とハ ンドボールは根強い繋がりがあります。春の全国中学生ハンドボール選手権大会、通称 「春中ハンド」が代表例として挙げられるほか、世界ゆるスポーツ協会とのコラボで「ハンぎょボール」が生まれるなどの様々な取り組みが行われています。つい先日、富山ドリ ームスが社会人のクラブチームを発足することが発表され、これから世界に富山のハンド ボールチームが羽ばたいていきます。私がハンドボールで氷見を知ったように、ハンドボールが広がることで氷見の存在を多くの人に知ってもらう機会になるため、ハンドボールは街を活性化するにあたって重要な役目を果たしていると考えます。

また、徳前先生は「主体性」を大切にされており、生徒自身で考えて主体的に動けるように、自分から指示することはあまりないそうです。 
そして、高校での「総合的な探求の時間」を通して、受動的な学習スタイルから、自分で地域の課題を見つけて解決する、主体性を育む学習も取り入れています。氷見高校は農業 科学科やビジネス科など 5つの学科構成があることを生かし、地元の特産品を用いたゼリーを開発、商品化、JTBと連携して「氷見市るるぶ」という旅行ガイドを作成するなど実践的な活動も行われています。 
氷見市内に一つしかない高校ですが、先進的に新しい教育スタイルを取り入れる先生がいらっしゃるのも氷見の魅力の1つではないでしょうか。

その他にも様々な方と関わる中で様々なことを教わりました。 
都内で就職する選択肢以外にも働き方があるということ、林業は他の仕事に比べて事故での死亡率が12倍と危険な仕事であること、みんなで協力したら空地の一角を数時間で畑にできてしまうということから、ポジティブに考えようと心がけるだけでも人生がより楽 しくなるということ、行動することが大事で、失敗しても経験という成長の糧になるとい うこと。落ちるとこまで落ちたら上がるしかないから、辛いことがあったらとことん落ち込むこと、緊張した時は 30 分前にスクワット 50 回(心拍数をあげるとあとは下がるだけだからドキドキしない)と自分は出来るぞー!とガッツポーズしてから臨むことといった メンタル系まで。 
あれもこれも人との出会いで学ぶことができ、それは私が氷見に来るという行動をしたか らこそであって。今まで行動することを躊躇って挑戦できずにいた私に言ってあげたい! でも、ポジティブに考えれば今気づけて良かった!もしビビってしまうのなら行動する前 に緊張をほぐすスクワットをすればいいじゃない!成功すれば最高だけど、失敗しちゃっ たならとことん落ち込めばいいじゃない!この考えが講演での発表の話にも繋がってくる のだと思います。 
後二年で卒業だけどやりたいこともよくわからない、だけど将来のこと考えなきゃいけな い、焦りと不安でもがいていた私にとって、富山での出会いはかけがえのないものになりました。
最後にも 1 つ家持の歌を紹介して終わりたいと思います。 
「布勢の海の 沖つ白波 あり通ひ いや年のはに 見つつしのはむ」 大伴家持 布勢の海の沖に立つ白波のように、ずっと通い続けて、毎年毎年この眺めを見て愛でよう 
万葉時代に「布勢の水海」という大きな湖が広がっていて、家持は度々訪れていたそうで す。その名残が氷見市にある十二町潟水郷公園にあり、約 1200 年前に詠まれた歌と同じ 地を感じることができます。 
家持がこの歌を詠んだ時、すでに上京することが決まっていたようで、この地を離れても 毎年見に来ようという思いが込められています。 
私も家持と同じ気持ちです。5月になったら田植えしに来たいし、夏のお祭りも花火も参 加してみたい。秋になったら収穫された野菜を食べたいし、真冬の寒ブリも食べたい。鮮 明に立山が見てみたい。毎年どころか季節ごとに訪れたい。埼玉にいるときは、春夏秋冬を植物やレジャーで感じることが多く、食べ物も有名な旬のものがあるけどその季節にスーパーに並ぶだけ。春はホタルイカが獲れる時期なんて氷見に来てから知りました。海と 山の距離が近いからこそ、新鮮な食べ物たちに囲まれて過ごすことができる。もう私は春夏秋冬で魅せる顔が違う氷見のトリコです。 
令和の家持目指して一句。 
「四つの顔 もちろん見たいが それよりも みんなの顔を 見にまた来るね~!」 木下祐里 
ここで学んだことを生かして、成長した姿でまた氷見に訪れて恩返ししたいです。 10 日間本当にありがとうございました! 
【参考文献】 
中西進,2018,「歌人大伴家持 現代と響き合う詩心」

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