こんにちは。岩田です。
連日この暑さの中、弊社の新パンフレット作るため、私たちが考える「氷見のカルチャー」を感じるスポットの取材をして回っています。よくあるお国自慢、活動している人をフィーチャーした紹介ページ、自然や食を前面に出したものではなく、「一緒にカルチャーをつくりましょう!」というメッセージを込め、作成に当たっています。入稿し完成したらこちらで紹介しますね。しばしお待ちを!
今回は比美町に根付く魚屋「魚芳」さんへ行ってきました。
現在、氷見市内には45店舗くらいの魚屋さんがあります。魚芳さんもその一軒で、氷見中心部で約80年続く魚屋さんです。現在は二代目店主 徳前芳之さんの奥様、惠智子さんが店の切り盛りをされています。
詳しいことは7月3日の北日本新聞の特集欄に記載されています。気になる方はチェックしてみてください。
スーパーで魚を買う場合、今日はどの魚にしようか?と考えながら、思い思いのものをカゴに入れます。これで買い物は終わってしまいます(というか済んでしまうのが現実です)。これが悪いと言っている訳ではありません。ただただ好きなものを買って帰る、せいぜい10分くらいです。う〜ん、なんか悲しいと思ってしまいます。
魚芳さんの場合はどうでしょうか。先づ、惠智子さんは快く迎えてくれます。毎日違う魚が並ぶショーケースを見ながらおしゃべり。氷見の魚のことはもちろんですが、地魚の呼称、さばき方、漁師さんについて何でも教えてくれます。旬な魚を紹介してくれるのは当たり前です。どういう料理にするかの相談をするのでもいいし、「アジフライを作りたいから10枚開いてください」というお願いも受け入れてくれます。開くだけではなく、揚げたアジフライも用意してくれたりもしますよ!
アジはアジでもスーパーで買うものと魚芳さんで買うものとでは地魚を通して、ローカルな情報やコミュニケーションが得られるんです。これはお金には変えられない、氷見のにある魚芳さんだからこそだと思います。まさにプレイスレスですよね。
そこにカルチャーを感じるからこそ、魅力的な魚屋さんであると紹介したいのです!
私は釣りをした経験もあるのでひとつご紹介!なんで氷見の魚は美味しいと言われているのか?一般的に釣りをしている人の中ではいわゆる神経締めが一番効果的で鮮度が保たれると言われています。氷見では小魚も大型の魚も氷締めだそうです。船上のいけすに入れられた氷で締めます。ここで大切なのが魚に対する氷の量です。氷をいっぱい入れたらいいというものではなく、適当な量で締めることが大切なのだとか。その量こそが難しく、氷見の漁師はこれがうまいんだそうです。やっぱり美味しいものには理由があるんですね!
ちょうどバイ貝の下処理をし、お惣菜を作っているとこでした!その他にもヒラメの昆布〆もありました。そんなの美味しいに決まってますよね。昼食後でお腹いっぱいだったことが救いです(笑)
舌平目は、氷見では(にじり口のようだから)ニジリと呼みます。地域によってはウシノシタやゲタなど様々な呼ばれ方をされます。舌平目といえば、フランス料理のムニエルが広く知られていますよね。性質上、水に浸すことで身と皮が剥がれやすくなるようです。それでもやはり技術が必須。私も明石も、捌き方に興味津々です。
作業が見たいあまり、思わず、「捌いてもらっていいですか」と聞いてしまいました。こんなにも手間がかかる魚だという事を知っている人は、ほとんどいないと思います。でも、こういったところを見れるのは、漁師町の魚屋さんならでは。
氷見の魚を食べるにしてもいろいろあります。スーパーで買う、魚屋で買う、お店で氷見産の魚を食べる、漁師さんから分けてもらう、自分で釣りに行く。食べるまでの過程にもこんなにもバリエーションがあるってすごいですよね。美味しい地魚を知るということの深みが全然違います。単純に「氷見って魚が美味しいよね」ではなく、もっと深い、氷見の真髄をたまには味わうこともいいのではないでしょうか。
最後に二代目店主 徳前芳之さんの言葉「飲んで 食べて 怒って 歌って 笑って 楽しい人生でした 皆様のおかげで」。
とても心に残りました。(岩田慧一)
【お店情報】
住所 / 富山県氷見市比美町9-3
TEL / 0766-72-0422(お惣菜の注文も可能!)
Open / 8:30 ~ 17:30
定休日 / 日曜、市場休業日