氷見に暮らす私たちと、
氷見に移住するあなたが、
一緒につくる、まちの未来。
2023.09.09

移住4年目と氷見での子育て

桑原 佳衣
桑原 佳衣
移住相談員

初めまして!新たにみらいエンジン移住相談員に加わりました、桑原佳衣と申します。

私が氷見に移住してきたのは今から約3年前。自ら望んでではなく、主人の実家がたまたま氷見だったというご縁で、仕方なくくっ付いてきたという現実でした。

でも、私の長所でもあり短所?にもなるのが、面白そうと思ったら行く!という行動力。下調べも何もせず「すごい田舎なんだろうなぁ。」程度のふんわ~りした、何にも先入感がない状態で氷見に移住したので、新居に向かう道中に「ファッションセンターしまむら」があっただけで「氷見って都会!!」と感激したほど。

私の故郷の愛知県から氷見まで車を走らせ4時間半。その道中で主人から氷見の事前情報として聞いていたのが、

その①「スーパーに置いてある魚の色が違う!」

「えっ?色が違うって、魚の本来の色は変らないよね?」「見れば分かる!」

「ふーん。」

写真に映るのは、夏が旬のさば、茶ばちめ、あおりいか、真あじ、真鯛など。一匹丸ごと売っているので私のような県外からの移住者は、家で魚をさばくのにハードルが高かったのですが、売り場担当の方に声を掛けると皆さんプロの早業で、快くさばいてくれます。

パッケージの左上には「富山県産 氷見港 朝どれ」のシールが!魚自体が発光体のようにキラキラ輝いています!

しかもびっくり価格の真あじが1匹184円也!

これ漁港で見る風景ではありません!

発砲スチロールの中に氷を入れて朝、氷見漁港で採れた新鮮な魚が置いてあるなんて、氷見だったら普通にスーパーで見れる光景です

これは「シイラ」というお魚で、とにかく大きい!(全長80㎝程。)

日本とハワイでは「マヒマヒ」という名称で高級魚として知られているそう。

どういう調理法で食べるのがいいのかも謎??だったので、売り場の方に伺ったところ、フライかムニエルにするのがおすすめと教えて頂きました。

今ではこんな料理も作れるように!

全長25㎝程度の「コヅクラ」という魚を酒と醤油、みりんで味付け。後からなすとみょうがを入れて煮たら、氷見のおばあちゃん達が作る料理の出来上がり!

コヅクラという魚はブリの稚魚のことで「コヅクラ」「フクラギ」「ガンド」「ブリ」の順番に成長し、富山県民には親しまれている魚です。

移住4年目に突入した今でも、季節ごとに採れる魚の種類が豊富で、毎年食べつくせない程!

実際に移住して初めて食べた真あじとフクラギのお刺身の味が、美味しすぎて衝撃的に忘れられず、「あぁ、氷見に来てよかった!毎日こんな美味しい魚達が食べられる!」と完全に今でも毎日、氷見の魚たちに舌と心をつかまれて続けている私です。

スーパーに並ぶ魚で四季を感じ、旬の贅沢を毎日存分に味わえる。これ以上新鮮な魚が、安価な価格で他にどこで食べられる?と考えると、残念なことに氷見に移住してから県外旅行に行かなくなってしまいました。

 

さらに、氷見の事前情報 その② 「今はどうか分からんけど、小学校では毎朝ブリの歌を歌う!」

「えっ?なにその歌?ブリって魚のブリだよね?」

「そう!」

「氷見は冬に捕れるブリが美味しくて有名って前に言ってたよね?どんな歌なの?」

「ブ・ブ・ブ・ブ・ブリ~ブリ~って歌。」←(生歌をお伝えできないのが残念なのですが、小学生の子供たちがみんな楽しそうに毎朝歌っている光景が想像できる、リズミカルで軽やかな歌です!)

こちらは氷見の漁港のほぼ隣にある「氷見漁港内緑地公園」です。

いつ通っても子供たちの遊び声が聞こえる人気の公園なのですが、なんと遊具まで「ブリ」をモチーフに作られているんです!

同じ公園内にある「ぶり小僧」の銅像です。

氷見では知らない人はいない程の有名人なんだとか!?

子供たちが普段遊ぶ公園まで「ぶりづくし」なのが氷見ならではの特色です。

 

この記事を書きながら改めて思ったのが、30年以上前に歌っていた歌を今でも覚えているなんてすごいなぁということ。

どうしても都会に出たかったのに、氷見に戻ってきた主人を含めて、氷見のUターン率40%(2023年2月4日時点)を支えているのは、幼い頃に歌で育まれる郷土愛も関係あるのかもしれません。

 

こうして氷見に移住してきた私がおすすめしたいのは、何と言っても世界中の人に知って欲しいこの景色!

もうこの景色に心をわしづかみされて、完全に氷見にノックアウト。

人生で一番美味しい魚を食べたのも、人生で一番美しい景色を見たのも、40年弱生きてきて氷見が初めてでした。

氷見の海岸から、海越しに臨める冬の立山連邦。ものすごい冷え性の私が、冬にダウンジャケットを着てこの景色を見るために毎日通い詰めたほど。

氷見の特色として挙げられるのが、海も山も両方あるコンパクトな地形です。今住んでいる山間部から車を15分程走らせればこの絶景に出会えます!

 

今では生まれ育った故郷より、氷見が大好き!今1歳3か月になる子供の出生地を氷見にしたくて、里帰り出産しなかった程、「氷見愛」大爆発な私ですが、移住した当時は田舎移住の現実に悲鳴をあげたくなる日々でした。

 

そう、ここからは田舎移住のリアルを正直にお伝えしたいなと思います。

私が住んでいる場所は氷見の市街地から車で15分程。周りを山々に囲まれた八代(やしろ)地区という、石川県との県境に近い場所です。

主人の亡くなった祖母が住んでいた家が空き家になっていたので、必然的にそこに住むことに。

緑に囲まれて景色最高じゃない?ぐらいの、今思えば能天気すぎる頭の中だったので、氷見に移住して初めての出会いは人ではなく、夜中に出た巨大ムカデという現実に衝撃の涙!

氷見移住のリアル(山移住の場合)

その①【虫退治】

今では毎年4月になると、そろそろムカデの時期が来ると昔ながらの蚊帳を準備し、家の周囲にムカデが家の中に侵入してこないための白い粉を撒き始め、ムカデを瞬間凍殺するためのスプレーも購入。すぐに手が届くように家の中に3か所設置して、いつでもかかってこい!!と戦闘モードに入ります。

この時期のドラッグストアは虫対策グッズでいっぱい!

移住してすぐは、ムカデが出るたびに「ぎゃあぎゃあ」叫んでいた私ですが、今は冷静に一発でしとめれるまでに大成長!(氷見の山に移住希望の方には虫対策グッズをもれなく伝授させて頂きます。)

今では、両親にも「あんたは氷見でたくましく暮らしていくのが合ってるわ。」と言われるまでに。

家の前の大自然。この景色を毎日独り占め!

庭に自生する桑の木。植物療法士の資格を持っている私としては、庭に桑の木があること自体びっくり!

都会では乾燥した葉っぱをお茶として飲むために、お金を出して買うものだからです!血糖値抑制効果があり日本古来の世界に誇れる植物です。

正直、今でもムカデや季節ごとに出る虫にはまったく慣れません!!

でも、毎日まばゆいばかりの緑に360度囲まれ、夜の月明かりがまとう光はとても綺麗で言葉を失う程。夏のうだるような暑さの中でも、不思議と風の通り道があり、主人と今では「ここは別荘地だね。」なんて言える程に。煩わしさがない大自然の摂理にどうしても心を奪われてしまうから、今も住み続けているのです。

 

続けて 移住のリアル(山移住の場合)

その②【草刈り】

草をちょっとでも刈らないとすぐこの状態に。

週末になれば、地区の草刈日でどこからともなく聞こえてくるあの「ウィ―ン」という草刈機の音。

「えっ、まだ朝の6時半だよね?しかも週1回の頻度で?」

地区で協力しての草刈りに、義父と義母の存在がなければ、とっくに故郷に逃げ帰っていたであろう私ですが、今では娘を抱っこして散歩しているとご近所さんに採れたてのきゅうりとりんごジュースを頂くまでに。

娘を見ながら「こんな大きい子見たことないわ!またいつでも寄って!遊びにこられ。」

程よい距離感でそんな言葉をもらえると、ほんのり心が温かくなって、地域で娘の成長を見守ってくれている頼もしさを感じられるのです。

 

さらに、移住のリアル(山移住の場合)

その③【たぬき、ハクビシン、猪との出会い】←夜の山道は歩いたら危険×です!

娘と毎朝散歩する山道。

夜の山道を歩くのは危険ですが、昼間の山間は大人も子供も活きた生態系が豊富に学べる場所です!

初めて見る花や、夏でも飛ぶカラフルなトンボ。娘を抱っこして毎日蝶々を追いかけていたら、なんと1歳3か月の娘が図鑑をみて蝶々を指差すように!

毎日、自然が奏でる音を聞きながら暮らす娘は感情豊かで、好奇心旺盛!

今子供の教育に関する情報が溢れすぎて、何を信じていいのか分からなくなりませんか?でも本当の答えは子供の表情を見ていれば分かるのではないかと最近思うのです。

 

子供のために氷見に移住したのではなく、結果的に氷見に来て子供を授かり、今に至るのですが、氷見で子育て大正解!!と心から感じる毎日です。

時には厳しい大自然相手にめげたくなる時もあるのですが、大正解!!の理由は氷見の人たちが温かいから。

娘を抱っこして買い物をするためスーパー内を歩いていると、必ずといっていいほど話しかけられるんです。

「かわいいねぇ。」「何か月?」それも皆さんとっても温かい眼差しで見てくれる。

レジ台に買い物かごを載せるのを手伝ってくれたり、真夏に持ち帰り用の氷をばら撒いてしまった時は「ここで待っとられ。」と代わり店員さんを呼びに行ってくれたり。

そんな毎日のさり気ない交流の積み重ねが、自分が移住者であることを忘れて「私ってもともと氷見の人かも?いや、そうだよね!?」と最近時々、完全に勘違い気味になることもしばしば。

以前の私は、「人間関係は仕事だけで十分です!」という人間だったのですが、氷見の方たちにふっと懐に入ってこられると、最近むしろ心地いいほどで。

私自身、本当はこういう人間関係を求めていたのかなぁなんて思いながら、今日も氷見の山の中で家族3人暮らしています。

 

たっぷりの大自然とキトキトの魚!そして、氷見の温かい人達が織りなす環境での子育て、一度考えてみませんか?

 

 

 

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