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2023.09.30

ひみぐらし・今日は娘とどこ行こう?ー歴史編ー

桑折 純子
桑折 純子
移住相談員

こんにちは。桑折純子です。

夏の厳しい暑さも少しずつ和らぎ、段々と過ごしやすくなってきました。氷見では稲刈りとともに、各地域で秋祭りが行われ、週末は至るところで獅子舞の太鼓と笛の音が聴こえてきます。

休日の昼下がりに娘とともにサイクリングに出かけました。

氷見には魅力的なサイクリングコースが多数ありサイクリストもよく見られます。

「考えるパンkoppe」さんで休憩時のおやつを購入し、湾岸沿いを走りました。

 

途中、忍者ハットリくんカラクリ時計の噴水ショーの時間に重なり、自転車を止め、湊川にかかる橋の上から鑑賞しました。ハットリくんとケムマキくんの水芸忍法対決が行われるのですが、最後に獅子舞も出てきます。ショーは午前9時から午後7時の毎正時、土日祝日は30分ごとに見られるようです。可愛らしい祭囃子にしばし足を止め、家路へと向かいました。

 

さて、今回は「氷見市文化財センター」についてレポートさせていただきます。こちらは氷見市立博物館の分館となり、旧女良小学校の旧校舎に氷見市立博物館が所蔵する漁撈用具や農具、生活用具などの民俗文化財のほか、市内の遺跡から出土した考古資料等が収蔵されています。特に旧体育館では、国登録有形民俗文化財である実物の和船を中心に収蔵展示が行われています。移住する前から、知人からも多様な種類の和船が見られると聞いており、一度行ってみたいと思っておりました。

道路沿いの看板の誘導のもと、車で坂を登ると旧校舎と博物館の学芸員の方が出迎えてくれました。

開放された旧体育館の扉の向こうには所狭しと船が並んでいるのが見えました。

入り口の一番手前にある新しい木造船は、2分の1スケールで復元されたドブネです。ドブネは、江戸時代から1955年代末ごろまで、氷見沖の定置網漁の網取り船として欠かせない存在でしたが、実物は現存していないとのこと。本来であればこの2倍の大きさ(実サイズですと体育館の奥行3分の2相当ではないでしょうか…)また当時は左右に4槽ずつ、計8槽で漁を行なっていたと聞き、これらの船が海上で網を引き揚げる状況を想像し、そのスケール感に圧倒されました。写真の櫂も本来の2分の1の大きさです。それでもこの大きさになります。

娘は実際に櫂を持たせてもらいました。

 

船体に主に使用されている木材は杉。軽く、また海水を含むことで腐りにくくなるという木の特性を活かしており、船としての強度が増すとのことです。この復元船もそうですが、過去においても氷見の里山杉が多く使われていたようです。

氷見の船は定置網漁が主であり、船頭は丸い穏やかな形が多いですが、富山湾東部になる朝日町の船は、魚を追いかけて捕まえるため、波切りの良い尖った形になっていました。

なお同じ館内には海船だけでなく、川舟も展示してあります。十二町潟の川舟や神通川のササブネもありました。

鱒を採っていたであろうササブネ。本当に笹の葉っぱで作った「笹舟」を思い出す形でした。

 

また歴史資料となる写真、和船における解説のパネル展示、その他にも漁撈用具の数々が、旧体育館全体に展示してあります。

こちらは藁の網です。江戸時代においては藁で編んだものを漁で使用し、破損して網としては使えなくなった後は、浮子から切り離して海中に沈められていました。その海底に沈んだ藁網にプランクトンが湧き、そのプランクトンを食べに小さな魚、またその小さな魚を食べに大きな魚が集まるという、漁礁の代わりになっていたとのことです。そして藁網は魚の産卵場所にもなっていました。

網としての耐久性は悪かったことと思いますが、役割を終えた藁網が海の栄養分となり、魚を集める役割を果たしていたとのこと。そして水揚げされるイワシがかつては田畑の肥料としては欠かせない存在であり、その翌年には米作りの副産物として藁が発生していました。

農村と漁村を繋ぐ存在として機能していた藁網。全てが無駄なく循環して使われていた時代に思いを馳せました。

 

また旧校舎には衣食住に関する用具や農具類など、この土地の風土や暮らしに根差した民具が収蔵展示してありました。なかには戦闘機用の竹製の増加燃料タンクもありました。太平洋戦争中に氷見で生産されていたとのことです。思いもかけない竹細工。貴重な歴史資料を見させて貰いました。


あとこれは例外とも思いますが、職員の方が屋外で修復作業をされていた縄文土器を目前で見せて貰いました。朝日貝塚で出土された3000年から4000年前のものとのことです。原始時代の造形のパズルに、娘も興味津々でした。

 

開館日は月に一度、土曜日の午前9時から午後4時までです。詳しい日程はホームページでご確認ください。入場は無料、申し込みも不要とのことです。訪れた日は令和5年度版のチラシを見て、事前に問い合わせることもなく伺ったのですが、現地では学芸員の方に丁寧に所蔵品の解説や展示品の説明をしていただきました。

限られた日程となりますが、県境の絶景の湾岸ドライブとともに、氷見の風土と文化遺産に触れてみてはいかがでしょうか。

 

 

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和船について詳しく触れている過去の記事はこちら
・「ドブネ」「テント」「テンマ」、氷見の木造和船の話
・「【氷見のひみつのひと①】日本に数名だけ!?木造和船の継承者

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