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2021.01.18

記録的大雪の中の暮らし

岸本乃梨子
岸本乃梨子
移住相談員

大寒波が日本列島を襲った冬。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

地域おこし協力隊員で弊社スタッフのよっくんは、氷見暮らし一年目。
氷見で初めて迎える冬が今回の大雪でしたが、雪景色や初めての雪かきを楽しんだようです。
(その様子はこちら→「氷見暮らし1年生、雪かき初体験!」)

氷見生まれ氷見育ちの筆者も、雪景色にはテンションが上がります。
見慣れた街並みが違うものに見えて新鮮だし、冬にしか出会えない景色です。
朝起きてカーテンを開けた時の、道路も屋根も何もかもが真っ白に覆われた一面の銀世界は、何度見ても感動します。

みらいエンジンに移住の相談にいらっしゃる方々にも、冬の積雪量をよく聞かれます。
いつも、「県内の中でもあまり降らない方で、大雪の年はたまに、数年に一回あるかないかくらいです」と答えているのですが、今年はその「たまに」「数年に一回の大雪」でした。

今回は大寒波の中での氷見での暮らしの一部をお届けします。

1月7日から大寒波で北陸は大雪との予報を聞いて、
前日の6日、買い出しに出かけました。
積雪量はまだ少なく、道路は融雪装置のおかげもあって、運転には支障ありません。
(ちなみに、例年はこの程度の積雪量で冬を終えます)

この時点で、どの程度の大雪になるか想像できなかったのですが、3日は家から出なくていいように食材を買いました。

さて、氷見の冬と言えば、忘れてはならないのが、寒鰤ですよね。
もはや氷見の代名詞と言ってもいいくらいの存在です。

鮮度が良くて臭みが全く無いので、塩焼きでいただくのが定番です。

我が家では寒鰤の塩焼きは大晦日&お正月に立て続けに食べていたので、今回は照り焼きでいただきました。

脂がたっぷり乗っているので、焼くだけで表面がカリっと仕上がるのに、中はふっくら柔らか。
甘辛いタレが良く絡んでこってり。大根おろしを乗せれば後味さっぱり。
美味しくて、あっという間に完食しました。
冬にしか出会えない味覚は雪景色と共にやってきますね。

翌1月7日。

朝起きたら、庭が雪に埋もれていました。

雪景色でお馴染、金沢の兼六園もびっくりの光景。
以前の記事で、「中庭は屋根の雪を降ろすために在る」と書きましたが、まさに今、その役目を果たしています。

近年の暖冬で忘れていましたが、この冬、思い出しました。
そうだ、ここ北陸だった……

県外の友人たちからも「ニュースで富山が大雪って見たけど、大丈夫?生きてる?」とたくさん連絡を貰いました。
テレビをつければ、高速道路では長距離に及ぶ渋滞で車が全く動かず。
県内各地どこの市町村も除雪が間に合わない状態。
スーパーやコンビニに商品が入ってこないので棚は品薄。
クロネコヤマトや佐川急便の配達も無く、朝刊や郵便物の配達もありませんでした。
つまり物流が完全にストップ。

首都圏は緊急事態宣言。
富山では大雪で外出不可能。

昨日、買い物に行っておいて良かった。

そんなわけで我が家ではこの日も寒ブリ料理です。
こちらは鰤大根。
これも氷見の冬の定番ですね。

お店や家によって味付けが全く違うぶり大根。
味噌味か醤油味のどちらかに分かれるのですが、
我が家のぶり大根はしょうゆベースに少しだけ味噌が入っていて、生姜がほんのり効いています。
添えられた柚子の香りを嗅ぐだけで、またひとつ、冬を実感します。
鰤の身は柔らかくも肉厚で、一緒に煮込んだ大根には寒ブリの良質な脂と旨味だけが沁み込んでいました。

さて、大雪という大義名分を得て引きこもりに磨きがかかっていた筆者ですが、予想以上の積雪に、動かざるを得なくなりました。
家族から、車庫の前の雪かき命令が下されたのです。
防寒の装備を整えて、いざ、雪かき。

開始5秒で心が折れそう……

画像だと見えにくいですが、一番高い部分で約1メートル超えたくらいです。
少し低くなっているところは、筆者の家族が雪かきをした部分です。
朝、昼、と家族が交代で一人ずつ雪かきをしても一日中雪は降り続いて、夕方にはもうこの有様。
でもやるしかない。

田舎の静かな夜道。スコップが雪の山に刺さる音だけが響きます。

近隣のご近所さん達もこの時間に雪かき。
交わす言葉は無くても、不思議と妙な一体感が生まれます。

そういえば以前、市内でも山の方に住んでいる知人に「町の方に住んでたら、雪が降った時に雪をどかす場所がなくて大変でしょ?」と言われた事があります。
どかす場所が無い。
本当にそう。
屋根の上の雪は中庭に落とすけど、扉の前に積もった雪をどかす場所が無い。

お隣りさんの家の前に置くわけにもいかない。
融雪装置の上に置けばいいやと思ったら、

融雪装置が息してない。

融雪、お前どうしたんだよ……いつもみたいに水を出して、雪を溶かしてくれよ……
暗闇の中、装置の穴をむなしく見つめる筆者。
(気温が低くなりすぎると、凍結防止の為に融雪装置が止まります)

融雪装置が出ていないので、道路に雪を出すと車のタイヤがハマって動けなくなります。
極力邪魔にならなさそうな限られた場所に雪を高く積み上げるしかない。
幸いにも雪は水気をあまり含んでいなくて、サラサラでとても軽いので、作業はさくさく進みました。
雪の山を崩して別の場所に雪の山を作るという作業を黙々と続けます。
そんな筆者をあざ笑うかのように、空から舞降りてくる白い悪魔のような雪。

お前が憎い……
心が歪みますが、こんな景色も感情も冬にしか味わえません。
視界が厳しくなり始めたところで、時刻は19時少し前。
慌てて家の中へ入りました。

楽しみにしていたアイドルの配信ライブに間に合いました。
(年末に行われた公演のリピート配信でした。あの感動を再び。)
むしろこれを気分よく見るために雪かきを頑張ったと言っても過言ではありません。


(※ 著作権保護の為、画像に一部加工をしています)

雪かきを終えて一仕事した後の配信ライブ&お酒が疲れた体に染み渡って最高の気分です。

本来なら、チケットに当選して、交通費と宿泊費をかけて現地へ行かなければ見ることの出来ない公演を、こうして大雪で外出困難になった場所でも楽しめることが出来ているのはなんだか不思議ですね。

窓の外では雪が容赦なく降り積もっていましたが、心は晴れていました。

 

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